自己肯定感が低いと何かにつけて自己否定をしてしまいます。
自分で自分を否定するなんて良いことではないことはわかっているけど、ついそう考えてしまうあなた。そういう自分を嫌いになってはいけません。なぜならあなたは可能性のあるステキな人だからです。
自己否定をしてしまう人はどんなタイプの人か、なぜそんな考え方をしてしまうのか。自己否定をしてしまう人を一緒に分析してみましょう。自己否定する人がどういう人なのかがわかればきっと自分を好きになります。
目次
自己否定をしてしまう人ってこんな人
まず次の項目をチェックしてみましょう。
・完璧主義
・何かと比べて話をすることがよくある
・他人の話を頻繁にする
・人の目がとても気になる
・よく謙遜する
・積極的に人の前に立てない
・話題を広げることが苦手
・初対面の人と何を話してよいかわからない
いずれも自己否定をしてしまう人によく見られる傾向です。
完璧を求めているので今の自分に満足することができず「私はダメなんだ」
あの人はステキだな、うらやましいなと自分と比較して「私はダメだな」
失敗して怒られている人がいた「私も同じことしてしまうかも」
会議中に上司と目が合った「何か悪いことしたかな」
「この資料、よくできてるよ」と褒められているのに「慌てて仕上げたのできちんとまとまっていないかも知れません」と答えてしまう。
「私の意見なんかみんなにとってはプラスにならないから」と、意見を求められても言えない
初対面の人に何か話しても「私は会話がはずむような面白い話ができない」
何事においても「私よりも他の人の方が…」という思いが先行してしまって、二の足を踏んでしまいます。結果として、仕事でも評価されない、人間関係もうまく行かないなどと悩みが尽きない日々を過ごしていることでしょう。
自己否定したくなる理由
「私はダメだ。」という考えはやめたいのに、その思いは頭から離れない。
それはどうしても「自己否定」したくなる理由があるからです。あなた自身に理由があるだけではないのです。
具体的に見ていきましょう。
女性である
一般的に女性は男性と比べると自分を過小評価しがちです。※もちろん、個人差はあります。
言い換えると自分より他人を評価する傾向にあるのです。自分を蔑み他人を立てる、日本では未だに女性は男性に比べてそのような行動を期待されているから、ということもあるでしょう。
日本人である
日本人は「他人にどう見られるか」を重視する民族です。集団の中での自分の役割を常に考えて行動する傾向があります。そのため、自分の行動が全体の中で適切かどうかに非常に関心を持つのです。
自分だけが達成感を感じても、集団全体がうまくいかなければダメだという思いは誰でも持っていることしょう。
過去の失敗へのこだわりやトラウマがある
失敗をしてしまうことは誰にもあることですが、その失敗をどう記憶しているかは人それぞれです。
“失敗したけれどその後の対応がうまくいった”などポジティブに変換できれば良いでしょう。しかしその時のイヤなイメージだけが強烈に残っている人は、それ以降なかなかチャレンジ精神を持つことが難しくなってしまいます。
他人の評価に影響されている
他人の評価が気になる人は、子どもの頃の思い出にその原因があるのかもしれません。子供のころ自分では「頑張った」と思ったことなのに、褒められるどころか別のことで怒られてしまったことがあるとその記憶は大人になっても影響力があります。
自分では達成感を感じていたのに、身近な人にその達成感を認めてもらえない。そんな経験が積み重なると、「どうせまた怒られる」と自分の頑張りを自分で認めることができなくなってしまうでしょう。
明確な自分の理想像がある
自分はこんなことができる。
自分はそのくらいのことは難なくこなすことができる。
そういう思いが強い人は、その自分の理想像と違う結果になったときに非常にショックを受けます。その時の精神的なダメージはとても大きいので、できるだけそのダメージを受けないように防衛本能が働くのです。
その本能こそが「自己否定」。自分に対する理想像がしっかりできているからこそ自己否定の気持ちが強くなってしまうのです。
「自分にはそんなことは簡単だ」と思う代わりに「自分には絶対に無理!(=自己否定)」と思えば、達成できなかったときに「やっぱりね」と自分を傷つけずに(=防衛)すむでしょう。達成できても「私はできると思ってた」と満足できます。
自己否定をやめられる習慣
「私は何をやってもダメだ」という考えが強い人は、とてもエネルギッシュな人。常に自分を責め続けることにはエネルギーを使いますよね。そのエネルギーを自己肯定に使えるように、少し工夫してみましょう。
しかしどうしたら自己否定をやめられるのでしょうか。自己肯定感の高い人というのは、自信を持っている人のことではありません。ありのままの自分を認めている人のことを言います。
あなたが思っている「自分」
あなたが周りに思われたい「自分」
客観的に見た「自分」
それぞれがバラバラでは自己肯定感を高めることは難しい。まずは「自分」をしっかり見つめることから始めてみましょう。
「自己否定」から「自己肯定」に変えることは難しいことではありませんが、時間が必要です。自己否定をやめられる習慣をつけていきましょう。
行動を振り返る
文字に書いて自分を客観的に見ることは自分を知るのにとても有効です。
今日「あぁ、イヤだった」と思ったことがあったときに「起こった事実」と「その時の自分の気持ち(不安)」この2つを書き出してみましょう。イヤだった気持ちを書き出して改めて見ることに最初は抵抗があるかも知れません。そのときはまずは思い起こすだけで大丈夫。書き出そうという気持ちが出てきたらぜひ文字に書き出しましょう。
例えばこのような書き方。
起こった事実「会議で発表したら上司が隣の人と耳打ちしていた」
その時の気持ち「きっと私の発表でダメだったことを笑ってた」
次に「その時の自分の気持ち(不安)」とは違う気持ちを考えてみましょう。
起こった事実「会議で発表したら上司が隣の人と耳打ちしていた」
もしかしたらの気持ち「意外にいい意見持っているじゃないかと驚いてたかも」
同じ「起こった事実」に対して自分が思った気持ち以外にどういう気持ちがあるか、考えるのです。
例えば〇〇さんだったらこう考えるかも、と思ってみることもいいでしょう。不安を感じるような気持ちではなく前向きな気持ちを考えることができると良いですね。
そうすることで、同じ出来事に対してパッと思いついた自分の考えだけでなくいろんな考えをも認めやすくなっていきます。否定的なものだけではないと考えられるようになるでしょう。
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自分の理想と比べるとダメな自分
他人と比べるとダメな自分
そんなかわいそうな自分を愛しましょう。
人は他人から評価されることで自信がついていきます。しかし、自信のつけ方はそれだけではありません。自分で自分を評価することは、他人から評価されることよりもはるかに強力に自信をつけることができるのです。
ベッドに入る前に「今日もご苦労様でした」と両肩を抱いてあげましょう。例えその日仕事がうまくいかなくても、今日1日過ごせた自分を自分で認めてあげることが大切です。
鏡の自分を観察する
自分がどういう表情をしているか、客観的に見るようにしましょう。自信がない、きっと暗い顔をしているに違いないと思っても、案外ステキな表情をしているものです。
あなたはあなたが思うほどダメではないことを鏡に映ったあなたが教えてくれることでしょう。
他人を気にしない
自分に対して厳しく自己否定してしまう人は、実は他人に対しても厳しい意見を持っています。口に出さなくても心の中で人に対していつもダメ出しをしていることでしょう。
他人のことは気にしない、他人がどうであろうと自分には何も影響がない、と考えましょう。あの人はああいうところがダメなんだよね、と思うことをやめるように努力するのです。素晴らしい人のことを「すごいなぁ」と思っても「うらやましい」と思うことをやめましょう。
うらやましいという気持ちの裏には自分にはできないという思いがあります。そう思うことはありません。「他人は他人、私は私」。あなたの価値観はあなたにしか当てはまりません。
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あなたに自信をつけてくれるスイッチを作りましょう。そのスイッチをONにすると、人の目がまるで自分を応援してくれているように感じ、背中を押してくれるのです。
例えばこのように小さな仕草で構いません。
右手で左手を握る
胸に手を当てて深呼吸をする
太ももをパンっとたたくなど
「掌に人という文字を書いて飲み込む」「観客はカボチャと思う」などは現実逃避につながる可能性もあるので、できるだけ相手とは関係のない仕草にするようにしましょう。
「ま、いっか」の習慣をつける
本当は自分にも他人にも完璧を求めたい、その気持ちをちょっと弱めて「ま、いいか。」と思ってみましょう。あなたの求めることは、そんなにすぐ行動しなくても大事には至らないかも知れません。
ひと呼吸おいて、いろんな意見を出してからでも希望どおりの結果につながることもあるでしょう。完璧を求めるあなたが、そうでない他人を容認することはなかなか大変なことです。いつもできることではないかもしれません。
しかし時には「ま、それもありかな。」と認めることは大切です。完璧を求めるあなただからこそ、いろんな可能性、いろんな選択肢を知っている必要があるからです。
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自己否定は日本人の多くが何気なくやってしまう行為でもあります。
例えば、日本人はよく謙遜しますよね。「ステキな洋服ですね。」と褒めてもらっても「これ、バーゲンで安くなってたの。」などと答えてしまいます。「ありがとう、ステキでしょう。」とはなかなか言えないものです。
それは、相手にイヤな思いをさせまいという思いやりの精神が無意識に私たちにはたらくから。「ステキな服を着ているでしょ。」と自分から言ってしまったら、自慢しているようで相手にみじめな思いをさせる可能性があることを本能が教えてくれているのです。
私たちはそれを美徳として育ってきました。これは世界に誇るべきとてもステキな習慣ですが、時として、毒になります。あまりにも、人の気持ちばかり考えてしまって自分の気持ちが大変になってしまうのです。
他人を思いやる気持ちと同じくらい自分を思いやる気持ちを持ちましょう。他人より自分を大事にする、くらいでちょうどよいのかも知れません。
この記事を読んで、いろいろ試してみてもなかなか自己否定から抜けだせない時には、勇気を出して専門家の力を借りましょう。きっとあなたのエネルギーを効率よく心地よい方向に導いてくれます。