【マリッジハラスメントとは】意味・具体例・対策・対処法

マリッジハラスメント

結婚に関して独身者が被害にあうのがマリッジハラスメント、略してマリハラです。

 

マリッジハラスメントは個人のプライバシーを侵害するハラスメントの1つですが、善意による発言が問題になるためハラスメントの意識が低いのがその特徴です。

「なんでまだ結婚しないの?」

そう言っている人はコミュニケーションの1つと思っていても、言われた方はひどく傷つき、人間性を否定されたような気持ちになることもあるのです。

 

この記事を参考にマリッジハラスメントの知識を深め、被害者にも加害者にもならないようにしましょう。

目次

マリッジハラスメントとは

マリッジハラスメント(マリハラ)は、未婚者に対し結婚しない理由を必要以上に問い詰めたり、結婚しないことを責めたりする嫌がらせのことです。

 

「結婚したいけどできない」「そもそも結婚したいと思っていない」「パートナーはいるけど、事実婚で良い」など、結婚していない理由は人それぞれ。しかし既婚者から結婚を押し付けられ、人知れず悩んでいる人もいるはず。その想像力の欠如による心ない言葉で深く傷つけてしまうのが、このハラスメントです。

 

マリハラは、個人のプライバシーを侵害するパワハラの1つと解釈されるだけでなく、精神的な苦痛を与えるという意味では、モラハラにも該当するハラスメントと言えます。悪質なマリハラは法令違反になると知っておきましょう。

マリッジハラスメントの具体例

マリハラとなり得る具体的な事例をみていきましょう。普段何気なく言っている言葉でも、相手は「精神的な苦痛を受けた」と感じている可能性があります。

「なぜ結婚しないの?」

男女問わずアラサー世代は、幾度となくこの言葉を言われるのではないでしょうか。

 

その世代の芸能人でもよくインタビューで聞かれていますよね。30歳近くになった人は結婚のために生きているのかと思うほど、家族や親戚の人、職場の上司、同僚などいろんな人に言われることもあるでしょう。

 

「またその話か」とウンザリするのは、ハラスメントの被害を受け精神的な苦痛となっている証拠です。

 

確かに社会人になって数年経つと、友人や同僚に結婚する人が出始め、結婚が身近に思えるようになるでしょう。

 

しかし”結婚するかどうか””いつ結婚するか”は人それぞれ。他人に言われることではありません。結婚願望が強いのになかなか結婚できず悩んでいる人にとっては、大きなダメージを受ける言葉です。

 

自分を否定されたような気持ちになり、うつにまで発展するかもしれません。

「家庭を持たないと社会的な信頼は得られない」

まだまだ「男性は一家の大黒柱」というステレオタイプが浸透している日本社会。そのような考えが強い傾向のある管理職世代の人の中には、独身男性に偏見を抱いている人もいるかもしれません。

 

熱心に仕事をして業務成績を上げても、「結婚もしていないようじゃ、本当の信頼は得られないなぁ」と認めないような発言はれっきとしたハラスメントです。

 

「結婚している」「していない」が評価に関わることは、あってはなりません。会社がプライベートの行動まで制限するのは不適切です。また、既婚者も独身者も、いろいろな視点があることで会社が発展していくでしょう。

「女性は結婚したら仕事を辞められる」

上司に「彼氏、いる?結婚の予定は?」と根ほり葉ほり聞かれた時、その上司が任せる業務を思案し質問しているのであれば、マリハラに該当するでしょう。

 

近い将来結婚する意向を告げると、「産休を取る可能性があるから」と業務内容を変えられてしまう被害もあるかもしれません。

「いずれ結婚して辞めるだろうから、責任のある仕事は任せられない」
「つらかったら結婚して辞めればいいんだから、女はいいよな。」

仕事への責任感に性別は関係ありません。個人の価値観次第です。しかし「女性は結婚したら仕事を辞めるもの」という固定観念が強い人は、「女性は仕事に対して真剣じゃない」と思っているのでしょう。

 

「失敗したら結婚して辞めれば良い」などの発言は、自分の責任で失敗を挽回しようとしている女性にとってはとても残念なものです。

「独身は楽で良いよね」

独身を理由に残業や休日出勤、緊急トラブル対応を押し付けてくるのもマリハラにあたります。

 

「家で誰か待っている訳じゃないんだから」「何かあっても1人だとパッと動けるでしょう」など、結婚していないことを仕事に絡めた発言をされると不快な気持ちになりますよね。

 

「そういうことだから、結婚もできないんだ」など業務上のミスを結婚に絡める発言もハラスメント。結婚とは何も関係ないことで独身でいることを責められるのは、納得がいかないでしょう。

参考:退職Assist マリハラとは?職場で被害を受けた社会人のエピソード14

マリッジハラスメントへの対処法

マリハラを受けてしまったらどうしたらよいのでしょうか。

スルーの仕方を覚える

残念ながら「結婚しないと一人前になれない」など、固定観念にとらわれている人はなかなか言動を変えないかもしれません。そういう人の発言に真正面から向き合う必要はありません。話が始まってしまったら、自分の意識をその話とは別のことに向けましょう。

 

例えば、職場など複数の人がいるときに結婚観について話し始めたときには「またセミが鳴いてる」と思うようにしましょう。どんなに大きな声でも「ミーン、ミーン」と言っていると思って聞き流すことで、気にすることなく業務に集中することができます。

 

直接結婚について話を振られた場合には、適当に相づちを入れながら聞いている素振りを見せ、聞き流すようにしましょう。

 

むきになって反論すると相手の思うつぼ。どんどん結婚について価値観を押し付けてきます。「ご意向に沿うように善処します」という気持ちが相手に伝わるよう、「そうですね」「縁があればいいんですけど」などと交わしましょう。

ハラスメントの意識が高いと思わせる

マリハラに限らず、ハラスメントは知識不足が原因となり発生する場合が少なくありません。ハラスメントを意識していると周囲に思わせることで、ハラスメントの対象になる可能性を低くできます。

 

デスクにハラスメントに関する本を一冊置いておくと、さりげなくアピールできるでしょう。

 

ハラスメントをよく知らない人は、何が原因で加害者にされるかわからないため、何か言うたびに「この言葉はハラスメントと言われてしまう?」と不安になるはず。一度でも「それはハラスメントになりますよ」と言われた相手には軽はずみな発言はしないでしょう。

自分の価値観を話す

あまりにもハラスメントの回数が多く聞き流せなくなったら、自身の恋愛観や価値観をアピールしましょう。

 

なかなか価値観の違いを理解してもらえないかもしれませんが、「あなたとは違う」と伝えることでしつこく言ってくる回数を減らせる効果は期待できます。

「20代は仕事を頑張ろうと思っています」
「結婚がすべてとは思っていません」
「結婚しても仕事に影響はありません」

本来、プライバシーを職場の人や友人に公言する必要は全くありませんが、好意的なお節介に忠告するためには伝えた方が良い時もあるでしょう。聞き入れてくれそうな相手であれば、感情的にならずに明確に自分の価値観を伝えることで、更なるトラブルに発展することなくわかってもらえるかもしれません。

 

加害者本人が理解してくれなくても、その言葉を聞いた周囲が理解を示してくれる可能性もあります。執拗なハラスメントに困ったとき味方になってくれるでしょう。

社内相談窓口に相談する

どうにもならない場合は、社内の相談窓口を活用する方法があります。

 

上司の上司や人事部など社内の相談窓口にハラスメントの事実を報告し、対処を求めましょう。会社は職場環境を整える責任があるので、ハラスメントを話すことに不安を感じる必要はありません。

 

ハラスメントがあった日時、状況、具体的なハラスメントの内容など事実を報告。まずはハラスメントが起きている実態を社内の担当窓口にわかってもらいましょう。

社外に相談窓口に相談する

社内ではウワサになる可能性もあり相談しづらい場合は、社外の相談窓口という方法もあります。電話やメールで相談でき、もちろんプライバシーは守られます。

 

社内で相談するとき同様、客観的な事実を細かく伝えるとより適切な対処法を専門家が教えてくれるはず。

 

「こんなことをハラスメントというのはおかしいのだろうか」と不安に感じるときも、社外の相談窓口に話すと良いでしょう。辛い気持ちに寄り添って話を聞いてくれます。

加害者にならないために!マリッジハラスメント対策

マリハラは知らず知らずのうちに加害者になる可能性があるハラスメントです。言っている人はコミュニケーションのつもりだったり、善意でアドバイスしているつもりだったり、悪意がないことも多いでしょう。

 

加害者と言われないために日頃から気をつけるべきポイントを紹介します。

同調しない

加害者でも被害者でもない第三者の立場でも、態度によっては加害者に含まれてしまうことがあるので注意しましょう。

 

例えば「そろそろ焦らないと行き遅れるよ?」などとマリハラとなる発言に対して、頷いたり一緒に笑ったりすると加害者側の人間とみなされるかもしれません。

 

心ない言葉を言われた被害者から見れば、その場でその発言に対して笑った人は自分の味方と思えません。その人も加害者と同じ気持ちで自分を傷つけたと思うでしょう。

 

周囲でハラスメント行為が見られる時には、その場は無関心を心がけましょう。被害者の味方になりたい気持ちからその場で加害者に向き合うと、二次被害の恐れがあります。被害の状況を第三者の視点から冷静に記録し、その後の対応に活かせる証拠を残すことが役目です。

 

さらに加害者の知らないところで被害者に「大丈夫?」とひと声かけることで安心してもらえるでしょう。第三者として出来ることは、被害者に「1人じゃない」とわかってもらうことです。

 

【セカンドハラスメントとは】ハラスメントの二次被害

「自分と他人は違う」と心得る

結婚に関する価値観は人それぞれ。自分と他人は違うと意識した発言を心がけましょう。

 

昔と違って今はいろんな生き方ができる時代。「女性は結婚して家を守る」「男性は一家を養うために働く」という時代ではありません。以下のようなことを意識して、他人の価値観を認めましょう。

・結婚に適齢期はない
・出会いを強要しない
・「結婚するのが当たり前」ではない

想像力を豊かにして他人の生き方を尊重することで、お互いに気持ちよく仕事できるでしょう。

マリハラ以外にも!あなたはいくつ知ってる?職場で起こり得るハラスメント

マリハラ以外にも、職場ではさまざまな種類のハラスメントが起こり得ます。例えば以下のハラスメントを知っていますか?

・パワーハラスメント(パワハラ)
・モラルハラスメント(モラハラ)
・ソジハラスメント(ソジハラ)
・ラブハラスメント(ラブハラ)
・ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
・ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

「自分は大丈夫」と思っていても、知識不足だと被害者にも加害者にもなる可能性が高まります。被害者、そして加害者にならないように、以下の記事をぜひチェックしてみてください。

関連【ハラスメント大全2022】職場で起こる40種類のハラスメント一覧

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