相手の心を開く鍵!ミラーリング効果とは?正しいやり方・注意点|よくある誤解についても解説

ミラーリングは心理学で用いられる言葉ですが、恋愛テクニックとして紹介されることもあるので聞いたことがある人も多いのでは?

 

社員研修でソーシャルスキルの1つとして扱われることも多く、特に営業や接客業の仕事をしている人にとってはぜひ身につけたいスキルでしょう。

 

「初対面の人とも上手に関係が築けるようになりたい」
「上司や同僚に好印象を持ってもらえるにはどうしたら良い?」
「惹きつける営業トークを身につけたい」

ミラーリングはこのようにコミュニケーションに悩む人に役立ちます。しかし、やり方を失敗すると人間関係に大きなダメージを与える危険性も。

 

この記事では相談員としての職務経験がありメンタルケアの知識もある筆者が誤解されがちなミラーリングをわかりやすく解説。失敗しない方法も紹介しています。

 

正しくミラーリングを理解して、明日からさっそくやってみましょう。

目次

ミラーリングとは

 

ミラーリングとはソーシャルスキルの1つ。共感性を深めるために相手のしぐさや姿勢を鏡に映すように真似る方法です。

 

共感は信頼関係を作り上げる基本。人は共感を感じると親しみを感じ、心を開きやすくなるのです。

 

適切にミラーリングを行うことで相手に安心感を与えられます。相手は「何だかこの人自分と似ている気がする」という感覚になりラポール形成が実現。

 

ラポールが形成されれば互いの意見や考えを素直にやり取りできるので、仕事を円滑に進められるようになるのです。

 

【ラポール形成とは】円滑に信頼関係を築くコツ!ラポール形成の基本テクニック・ポイント

ミラーリングの誤解

 

ミラーリングとは、ただしぐさを表情を真似するだけではありません。意図的に真似していることが相手に伝わってしまったら台無しになります。

 

「真似ばかりして、人のことをバカにしているのか?」と怒られた経験はありませんか?そこで一度失った信頼を取り戻すのは時間と労力がかかります。

 

ミラーリングは「ただ真似をすればいい」と誤解して実践してしまうと、人間関係をこじらせてしまう恐れがあるのです。相手との距離を縮めようと自分勝手な思いで行うものではありません。

 

ミラーリングは脳内の「ミラーニューロン」と言う神経細胞に働きかける方法。ミラーニューロンは目で見た行動を頭の中で再現する働きを持ち、「脳の鏡」や「物まね細胞」と言われます。

 

・赤ちゃんが笑うとつられて笑ってしまう
・ドラマに夢中になり恋人を抱きしめるシーンでクッションを抱きしめていた
・打席に立ったバッターと同じようにスイングしてしまった

このような経験はありませんか。無意識に相手の行動を自分に重ね合わせることで相手の気持ちを理解しようとしているのです。ボディランゲージで言葉以上のことを伝えられるのはミラーニューロンのおかげとも言えるでしょう。

 

ミラーニューロンが働くことで、無意識に相手と同じ行動をとってしまうのです。恋人が飲み物に手を伸ばすと自分も飲みたくなるのは、ミラーニューロンの仕業。

 

このようなミラーニューロンの働きを考えず、ただ行為だけを真似するのはソーシャルスキルのミラーリングではありません。相手に不快感を与えるだけでラポール形成は遠のいていきます。

ミラーリングのやり方

 

相手に不快感を与えないミラーリングの実践方法を紹介します。ポイントは「受容」です。

Step1.キャリブレーションを行う

ソーシャルスキルにおいてキャリブレーションとは「相手を観察すること」。丁寧なキャリブレーションを行うことで脳内のミラーニューロンが活性化し、ミラーリングしやすくなります。

 

すぐに真似したい気持ちをグッとこらえて、まず相手の観察に徹しましょう。

 

・頭部の角度
・まだたきの頻度
・背筋
・肩の傾き
・腕の動き
・手や指の動き、位置
・足の動き、位置
・呼吸の深さ、スピード

このようなポイントを観察します。その様子を「この状態がこの人にとって自然なんだ」と受け入れましょう。

 

「なんでこんなに手が動くのだろう」と疑問が湧いても、それは流してありのままの相手の姿を受容することで、バイアスがかからずキャリブレーションできます。

 

重要なことは全体の様子をなんとなくつかむ程度の観察から始めること。最初から体のあちらこちらをジロジロと見られたら誰でも嫌ですよね。

 

大まかなところのキャリブレーションに慣れてから細かいところに目を向けていきましょう。

 

通勤電車の中にいる人やテレビに出ている人で練習を積んでから、職場にいる身近な人にチャレンジすると良いですね。

Step2.ミラーリングを行う

キャリブレーションができるようになった段階で、無意識にミラーリングを行っている人もいるかもしれません。

 

キャリブレーションで相手を受容すると脳内のミラーニューロンは活性化するので、脳内ではすでに相手の行動に合わせた自分の行動が出来上がっています。

 

あとはそれを運動神経につなげるだけ。キャリブレーションがあるからこそ、さりげないミラーリングが実現するのです。

 

相手の動作に急いで合わせなくて大丈夫。ミラーリングは「いつの間にか自分の似たような仕草をしている」と感じる程度で効果を発揮します。

【ミラーリングの例】

 

〇表情
最も自然にミラーリングできる部位です。

 

・相手が笑ったらそれに同調するように笑う
・困った顔になったら顔を曇らせる

 

時には「そこは笑うところじゃないだろう」という場面もあるので、場の雰囲気や話の流れに敏感になることも大切です。

 

〇腕や足、手指
簡単にミラーリングできそうで、意外と難しい部位です。鏡に映ったようにミラーリングしてみましょう。

 

・相手が右手で書類にメモを書く→左手を机の上に置く
・相手が右足を上にして足を組んだ→左足を右足のつま先を隠すようなポジションに置く

 

並んで座っている時も同様です。2人の間に鏡があると想定して左右どちらを動かすか考えましょう。

 

忠実に真似をしなくてもミラーリング効果は得られます。相手が腕組みをしたからといってこちらも腕組みをする必要はありません。片方の手をもう一方の手の上に重ねるしぐさで同様の効果になります。

ミラーリングの練習も通勤電車やテレビを活用しましょう。実際にミラーリングの練習をするだけでなく、ミラーリングになっている状態を探すのもおすすめです。

 

関係が良いと同じ動作をする傾向が高いので、自然とミラーリングしている人はたくさん見つけられるでしょう。自然とできているミラーリングを別の場面で練習することで効率よく身につけられます。

ミラーリングの注意点

 

ソーシャルスキルとして有効なミラーリングですが、カウンセラーや臨床心理士などの専門家ではない人がテクニックを使うのは簡単ではありません。ミラーリングをする際の注意点を押さえておきましょう。

相手の不快に気づいたらすぐに中止する

相手が少しでも不快感を抱いてしまっては、ミラーリングの効果はなくなってしまいます。人間関係に支障をきたすかもしれません。

 

不快のサインを見逃さないようにミラーリングを実行しながらキャリブレーションも続けましょう。

 

特に表情に注目。こちらのミラーリングに気づいたら不快の表情になる可能性があります。少しでも不快のサインを感じたらミラーリングは即中止。そのあとは再度相手に安心感が出てくるまで傾聴しましょう。

相手の立場で行う

ミラーリングは相手にとって心地良い状態を持続させることが目的です。ミラーリングに気を取られて傾聴できないのなら効果はありません。

 

視点が定まらず話もうわの空の人は、いくらミラーリングができていたとしても信用できないでしょう。「今この腕を動かしたら変かな?」と考えているうちはミラーリングは難しいですね。

 

まずキャリブレーションを心がけること。自然にミラーリングできるまでキャリブレーションを極めましょう。常に相手が主体です。自分勝手な思いではミラーリングは成功しません。

まとめ

 

ミラーリングを成功させるには相手を知ること、そして自分が相手に与えている情報に気づくことが大切です。自分のどの姿を相手の鏡に映すか意識しましょう。

 

あなたの笑顔、あなたの誠意、あなたのため息、全て相手の脳の鏡に映っています。

 

「この人と良い関係を築きたい」と素直な気持ちが相手の脳の鏡に映れば、大成功間違いなしです。テクニックも大切ですが、まずは相手への思いやりを大事にしましょう。

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