就活している学生や転職活動をしている社会人にとって、内定はこれ以上ない嬉しいもののはず。
しかしいざ入社がせまってくる中で、漠然とした不安や働きたくないという気持ちから内定ブルーに陥るケースは少なくありません。
新しい世界に飛び込むのは誰しも不安なものですが、内定ブルーを引きずり過ぎると、現在の生活や入社後の社会生活にも影響をきたす可能性があります。
最悪の場合、不安が膨らみすぎて辞退してしまうなんてことも・・・。そうなっては取り返しがつきませんね。
ここでは内定ブルーに陥ってしまう原因から知っておきたい対処法までを詳しく解説していきます。
目次
内定ブルーとは
内定ブルーとは、就活で内定を得た学生がさまざまな要因から不安になったり気持ちが落ち込んだりする状態のこと。
「本当にこの企業でよかったのか」
「別の企業の方が自分には向いていたのではないだろうか」
「企業の期待に応えられるのか」
このようなマイナスな気持ちから落ち込むこともあれば、期待や喜びがあるがゆえに内定ブルーに陥ってしまうケースもあります。
この内定ブルーは決して珍しいものではなく、株式会社マイナビが2019年に発表した「2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況」では、内定ブルーを経験した学生は52.8%。
半数以上の新社会人が内定後、なんらかの不安を抱えていたことがわかりました。(参考:『2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況』を発表。「内定ブルー」を経験した学生は52.8%、企業から内々定者へのサポートが重要な結果に。)
内定ブルーは決して他人事ではなく、誰しもがなる可能性があると言えるでしょう。
内定ブルーの原因
自身で調べ、納得して面接を受けた会社からの内定。
喜ばしいことであるはずなのになぜ不安な気持ちが芽生えてしまうのでしょうか。内定ブルーに陥る要素はさまざまありますが、主な原因を紹介します。
自分の選択に自信がない
就活する新社会人や転職者の多くは、じっくり熟考し、面接を受ける企業を選定したでしょう。
しかしそれでも100%自分の選択が正しかったと自信を持てないこともあります。
どこかで納得していなかったり妥協してしまったりした場合は、「果たしてこの企業で良かったのか」という迷いの念から内定ブルーに陥ってしまうことも。
また他の企業の内定を辞退して現企業の入社を決めたケースでは、選択後に辞退した企業への未練が出てきてしまい、その後悔から内定ブルーになってしまうこともあるでしょう。
内定した企業で働くことに自信がない
入社日が近づくにつれ、その企業で働くイメージも現実味を帯びてくるでしょう。
「この企業で自分はやっていけるのだろうか」
「この業務で自分は成果を出せるのだろうか」
そんな中で生まれやすいのが、このような不安。面接では自分のスキルを大々的にアピールしたものの、企業からの期待を負担に感じて自信喪失してしまうことがあるのです。
内定企業に対しギャップを感じ始めた
就活中はその企業の良い部分ばかりに注目し、魅力を感じて意気込んで面接を受けた結果、合格。
しかし内定が決まり冷静になると、今度は悪い部分に目がいってしまう・・・。
そんな内定前と内定後のギャップで内定ブルーに陥ることもあります。
特に今は企業の評価や口コミがネットで簡単に見れる時代。
内定前はさほど気にしていなかった企業の悪評が、内定後にやけに気になるようになり、後悔や不安にかられることもあるようです。
働きたくないという気持ち
新社会人になる学生に見られるのがこのケース。社会人になると学生のときとは生活も責任の重さも一変します。
就活中はとにかく内定をとることに必死で、社会人になって働くことをあまり強く意識しなかった人もいるでしょう。
それが内定後じっくりイメージする時間ができ、社会人として毎日働くということを実感するようになると、その窮屈さや責任の重さなどから「働きたくない」「社会人になりたくない」といった気持ちが大きくなってしまうのです。
内定後、本当にやりたいことや就職したい企業が見つかる
実は内定ブルーは後悔や不安といったマイナスの気持ちから陥るケースばかりではありません。
自分が本当にやりたかったこと、本当に入社したかった企業が見つかるという気持ちの変化が内定ブルーを招くこともあります。
向上心や前向きな意欲があるがゆえの、ポジティブな要素が原因となった内定ブルーと言えるでしょう。
内定ブルーの対処法
前述した「2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況」では、内定ブルーに陥った学生の63.1%が、内定から数か月経っても不安を抱えたままと回答しています。
内定ブルーが解消されないままでは、残りの学生生活を楽しめないうえに、社会生活に向けての準備もままなりません。
内定ブルーを上手に解消して前向きな気持ちで社会生活を迎えたいですよね。
そのためにはどのように内定ブルーに向き合えばよいのでしょうか。
内定企業について再度じっくり調べる
不安が大きくなるのは、内定した企業について未知の部分が大きいことも一つの原因と考えられます。
自分でしっかり理解できていないからこそ、口コミを気にしてしまったり想像だけで不安になったりしてしまうのです。
再度「自分がこの企業に入社する」という前提のもとで、内定した企業をじっくり調べてみましょう。
企業の公式HPを見るだけでなく、その企業が携わったものを実際に見に行ったり、その企業で働く先輩がいれば話を聞いてみたりするのも手です。
その中で自分の思いこみだった部分や誤解していた部分に気づけることで、漠然とした不安は解消するでしょう。
就活仲間と話をする
就活した学生の半数以上が経験している内定ブルーですから、自身の身の回りにも、同じ思いを抱えている仲間がいるはず。
就職仲間と思いを共有するだけでも、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と安心感を得られます。
身近に就職仲間がいない人は、ネットの就職スレやSNSで同じ境遇の人にコンタクトをとってみてもよいかもしれません。
企業の開催する懇親会や研修に参加する
内定した企業が開催する懇親会や研修には積極的に参加するのがおすすめ。
実際に企業で働く人たちの話を聞くことで疑問や不安が解消されることがあります。
その場では同じ内定者とも積極的に交流を取るのがおすすめ。内定者同士で情報交換したり志望動機を打ち明け合ったりすれば、よりその企業の良い面を知ることができるかもしれません。
また同じ内定者と交流し人間関係を築いておくことで、入社時の孤独感もなくなり不安も薄まるでしょう。
携わる業務の勉強をする
自分に自信が持てず内定ブルーになっているのであれば、内定後の時間を使って今後携わる業務の勉強をしてみましょう。
必要なスキルに関する本を読んだり同じ業務に就いている人に具体的な業務内容を聞いたりするだけでも知識が蓄えられます。
まったく知識がなくスタートするのと、自分なりにでも知識を入れてからスタートを切るのとでは、入社してからの動きも変わってくるはず。
「知識を持っている」
「すでに勉強を始めている」
このような自信が不安を和らげてくれるでしょう。
満足するまで就活をしてみる
どうしても他の企業への未練や内定した企業への不安が残る人は、思い切って就活を再開するのも一つの方法です。
再度就活することで本当に満足できる企業に出会えることもあれば、今内定している企業の良さに改めて気づく可能性もあります。
いずれにしても「満足するまで就活をしたうえで決めた」という充実感は得られるでしょう。
ただ一方で内定が決まった後の就活は「内定した企業にバレる」「内定した企業を辞退しなければならなくなる」などのリスクも。慎重に検討することが大切です。
まとめ
決断後に迷いを感じてしまうのは誰しもあることです。
ただ何も行動せずにその迷いや不安を引きずっているだけでは、問題が解決しないどころか生活にも影響を与えてしまいます。
内定ブルーに陥ったときは今回ご紹介した対処法を実践してみてください。不安を上手に解消し、前向きな気持ちで新スタートを切れるようにしましょう。