92%が経験!”シングルハラスメント”の意味・具体例・対処法

シングルハラスメント

独身でいることを理由に相手に精神的な苦痛を与える行為をシングルハラスメント(シンハラ)と言います。

 

結婚しない理由を執拗に聞いたり、勝手に結婚相手を進めてきたりなど「結婚するのが当たり前」という価値観の押し付けから生まれるハラスメントです。

「結婚できないなんて、人間性に問題があるんじゃない?」
「独身なんだから暇だろ」

個を重んじる風潮もある今、シングルハラスメントについて知識を深め、被害者にも加害者にもならないようにしましょう。

目次

シングルハラスメントとは

シングルハラスメントとは、独身でいることに対して精神的な苦痛を与える行為。女性ファッション雑誌『steady.』の連載コラムで小島慶子さんが使用した言葉です。

 

大きな反響を呼び、その後の読者アンケートでは92%がシングルハラスメントを経験している結果が出ています。

 

参考:PRTIMES 【『steady.』 働く大人女子に大調査!】読者の92%が経験ありの「シングルハラスメント」って!?

 

多種多様なライフスタイルが認められるようになっている現代では、結婚しない人生を選択する人も多くなってきました。

 

しかし既婚者の中には「結婚するのは当たり前」「結婚する方が幸せ」という価値観を強く持っている人もいます。その価値観を独身者に押し付ける行為こそがシングルハラスメントであり、独身者を深く傷つけているのです。

シングルハラスメントが起こる理由

シングルハラスメントの加害者で多いのは既婚者。なぜ既婚者がハラスメントをしてしまうのでしょうか。その理由には既婚者の3つの感情があるのです。

 

感情その1 結婚は素晴らしい

 

既婚者には「結婚=いいもの、既婚者=勝ち組」という価値観の持ち主もいるでしょう。結婚していることと人生の勝ち負けは全く関係ないはず。しかし「自分の人生の選択は正しかった、自分は勝ち組」と考え、独身者に心ない言葉を投げかけるのです。

 

感情その2 独身の生活は不安

 

「独身だと老後の面倒は誰が見てくれるの?」という言葉もよく聞かれますよね。独身者でも満足いく老後生活は送ることはできるし、結婚しているから老後は安心ということでもありません。

 

感情その3 独身でいるのが羨ましい

 

自身の結婚生活への密かな不満が、ハラスメントの背景にあることもあります。

 

例えば「1人だと気楽でいいよね」という発言は裏を返せば「結婚したら不自由な生活になってしまった」と思っている証拠。新婚生活が終わり、結婚に慣れてくると「独身に戻りたい」と思う人も多いのではないでしょうか。

 

結婚するまで気付かなかった「結婚したらできなくなったこと」がわかってきた上に、自分の思うままに生活している人が近くにいると、つい嫌味な言葉が出てしまうのかもしれません。

シングルハラスメントの具体例

具体的なハラスメントの事例をみてみましょう。

「結婚したほうがいいよ」「次はあなたの番だね」

友人の結婚式の席や寿退社する人の送別会などでよく聞かれる発言ですね。相手の意向を考えずに結婚を押し付けてしまう発言は、ハラスメントになる可能性があります。

 

結婚するかどうか、いつ結婚するかは人それぞれです。結婚の素晴らしさを語ることで独身者が結婚に意欲的になる、というのは勝手な思い込み。日々の世間話から独身者は結婚のデメリットもきちんと見抜いています。

 

さらに結婚願望が強くてもなかなか結婚できない人にとっては、かなりショックな言葉になるハラスメントです。結婚についての価値観を押し付けるのは、独身者にとっていい迷惑以外の何物でもありません。

「独身だと何かあってもすぐ対応できるよね」「家で誰か待ってる訳じゃないでしょ」

残業や休日出勤、緊急トラブルを「独身だから」押し付けてくる行為もハラスメントになります。既婚/未婚関わらず、プライベートの時間は平等です。

 

また「こんなことしているから結婚もできないんだ」と、業務上のミスを独身に絡めてくるケースも。仕事の出来と既婚/未婚かは直接関係ありません。

「孤独死とかあるでしょ?」「誰も頼る人がいないなんて…」

独身でいることに不安を感じさせるような発言も要注意です。自分では思ってもみなかった不安感を押し付けられたことで、そのことが頭から離れなくなりうつ病を発症する可能性もあります。

 

不測の事態のときどういう状況になるかは、結婚している/いないに関わらず誰にもわからないことです。独身だから孤独だと決めつけた発言は、意味もなく人を傷つける発言になるのです。

シングルハラスメントの対処法

シングルハラスメントに対してはどのように対処したらよいのでしょうか。

キャッチ&リリースでスルーする

シングルハラスメントを受けたら、その言葉を一度受け止めてから流すことで、真剣に向き合わずにさりげなくスルーしましょう。

 

「自分の価値観は絶対に正しい」と信じている人の考えを変えることも、無視することも難しいので、受け流すことで心の負担を減らすのです。

 

キャッチ&リリースは釣った魚を再び川や海に戻す方法のこと。ハラスメントになるような発言を一度受け止めて(キャッチ)から水に流すように(リリース)受け流します。

例えば
「独身だと気楽でいいね」
「そうですね(キャッチ)。気楽です(リリース)」

 

 

「老後が不安じゃない?」
「はい(キャッチ)。とても心配です(リリース)」

相手の言葉を肯定も否定もせず、ただ繰り返すだけで会話は流れていきます。むきになって反論したり感情的に答えると逆効果。冷静に受け流しましょう。

自分の選択に誇りを持つ

自身の恋愛観や価値観を明確にしておくと、他人に何を言われてもうろたえることはありません。

 

本来、プライバシーを公言する必要は全くありません。しかしあまりにもハラスメントの回数が多くて聞き流せなくなったら、自分の価値観を伝えた方が良い時もあるでしょう。

 

イギリスの女優エマ・ワトソンが独身である自分の状況を「セルフ・パートナー(Self-partnered)」と表現。「#SelfPartnered」で世界中に拡散され、話題となりました。30歳が近づくと周囲がざわつき不安な時期もあったそうですが、自分はセルフ・パートナーだと認識してからは楽しい日々になったそう。

 

自分の選択が本当に正しいのか、不安になるときもあるかもしれません。そんな時にハラスメント被害にあってしまったら「自分はダメなんだ」とさらに悲観的になりますよね。

 

他人の価値観に左右されないよう、「自分の人生を歩むのは自分だけ」とその選択に誇りを持ちましょう。

 

参考:VOGUE 「独身で幸せ」。“セルフパートナー”を宣言した真意。【エマ・ワトソンを紐解くキーワードvol.3】

社内外の相談窓口に相談する

どうにもならない場合は、相談窓口を活用する方法があります。

 

厚生労働省では相談窓口の設置を企業に呼びかけています。上司や人事部などの社内の相談窓口に報告して、ハラスメントの実態をわかってもらいましょう。会社は職場環境を整える責任があるので、ハラスメントを話すことに不安を感じる必要はありません。

 

労働局など社外の相談窓口もあります。社内では相談しづらい場合や社内で相談窓口を利用しても一向に事態が良くならない場合には、電話やメールで相談できる方法です。

 

いずれにしても、ハラスメントがあった日時、状況、具体的なハラスメントの内容など事実を報告することで、適切な対処法を教えてもらえます。

独身者に相談する

ハラスメントに1人で戦おうとするのは避け、周囲の独身者に相談しましょう。

 

シングルハラスメント対策に役立つ情報がわかるかもしれません。自分と同じようなハラスメントを受けてきたかどうか、ハラスメントへの対処など説得力のある話が聞けるはずです。

 

「独身でいる自分はダメなのかな」と不安がよぎる時も、周囲からの指摘でハラスメントの早期発見・解決が期待できます。自分に共感してくれる人の存在は何より心強いものですね。

シングルハラスメントの対策

シングルハラスメントが起きないように職場全体で対策が必要です。

ハラスメント研修を行う

ハラスメントを生み出す大きな原因となるのが知識不足。「どういう行動が、なぜハラスメントに該当してしまうのか」を知らないために、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまっているのです。

 

ハラスメントに対して社員全員を啓蒙する姿勢を会社に求めましょう。

・社内研修
・資料や記事の共有

会社全体の動きがなくても、部署やチームで情報共有することはできます。少数でもハラスメント防止の意識が向上していくと、やがて会社全体を動かすことにつながります。

「いろいろな価値観がある」と心得る

結婚や人生に関する価値観は人それぞれ。「いろいろな価値観がある」と認めれば自分の価値観を他人に押し付ける言動はなくなります。

 

昔と違って今はいろんな生き方ができる時代。結婚しない生き方もさまざまな結婚の形も認められるようになってきていますよね。以下のようなことを意識して他人の価値観を認めましょう。

・「結婚するのが当たり前」ではない
・人生のパートナーは異性だけではない

想像力を豊かにして他人の生き方を尊重することで、お互いに気持ちよく仕事できるでしょう。

シンハラ以外にも!あなたはいくつ知ってる?職場で起こり得るハラスメント

シンハラ以外にも、職場ではさまざまな種類のハラスメントが起こり得ます。例えば以下のハラスメントを知っていますか?

・パワーハラスメント(パワハラ)
・モラルハラスメント(モラハラ)
・ソジハラスメント(ソジハラ)
・ラブハラスメント(ラブハラ)
・マリッジハラスメント(マリハラ)
・ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

「自分は大丈夫」と思っていても、知識不足だと被害者にも加害者にもなる可能性が高まります。被害者、そして加害者にならないように、以下の記事をぜひチェックしてみてください。

関連【ハラスメント大全2022】職場で起こる40種類のハラスメント一覧

職場環境の悩みで辛いなら退職代行の利用も検討してみよう

 

 

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