【ケアハラスメントとは】介護できない!?ケアハラの意味・事例・対処法

ケアハラスメント

ケアハラスメント(ケアハラ)は介護にまつわるハラスメントのこと。大きく分けて「職場」「介護現場」の2つでケアハラが起こっています。

 

高齢化社会となった現在では、親の介護あるいは祖父母の介護をしながら仕事をしている人も少なくありません。介護を理由に休暇を取得するなどの行為は法律で認められているにも関わらず、会社の制度利用者に対するハラスメントが起きているのです。

 

介護現場では、介護サービスの現場で介護従事者が利用者やその家族から暴力や無理な要求などを受けるケアハラスメントが起きています。

 

2つのケアハラのうち、今回は職場におけるケアハラを中心に紹介していきます。この記事を読んで、ケアハラスメントの原因となる背景を知り、被害に遭わないよう、また、思いがけず加害者にならないようにしましょう。

目次

ケアハラスメントとは

ケアハラスメント(ケアハラ)は、職場で介護休暇など介護のための制度の利用に際して受けてしまうハラスメントのこと。また介護サービスを行う人が利用者や利用者の家族から受ける嫌がらせもあります。

 

介護休暇など介護に関わる制度は、「育児・介護休業法」で従業員全員にその利用が認められています。

 

しかし「介護があると残業しなくて済むからいいわね」などの嫌味な言葉を言って相手を傷つける人が多く、ケアハラスメントとして問題になっているのです。

 

職場におけるケアハラスメントは、男性が被害を受けやすい傾向にあります。

 

その原因の1つは「家族の面倒は女性がみるもの」との古い観念。共働き世帯が珍しくない現在では、性別関係なく育児も介護も仕事と両立する人が多いでしょう。

 

しかし固定観念にとらわれている管理職の中には、男性の介護による休暇や時短勤務の申請へ理解がない人もいます。ケアハラスメントの一因といえるでしょう。

 

参考:厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし

ケアハラスメントの具体例

実際にどのようなケースがケアハラスメントに当てはまるのか、事例を紹介します。何気ない言葉がハラスメントになりかねないので、ケアハラは育児・介護休業法で禁止されている行為であることを認識しておきましょう。

心ない発言をする

「介護を言い訳に早く帰れていいね」
「業務を増やされていい迷惑」
「自分ならそんな休暇は取らない」

介護しなければならない状況になると、初めのうちは戸惑いや不安ばかり。介護休暇や時短勤務を申請する必要に迫られても「職場の人に迷惑をかけて申し訳ない」と思っているでしょう。

 

そのような背景を想像することなく、自分のことしか考えない上記のような発言は、大きな精神的ダメージを与えるハラスメントです。

不当な配置転換をする・待遇を下げる

介護休暇や時短勤務の申請を出したことで、業務時間が減少することを理由に不当な配置転換や降格をさせることもケアハラです。

・重要なプロジェクトから外される
・課長から社員へなどの降格
・退職を勧められる

制度を利用しながら仕事と介護の両立を図ろうとしているのに、降格させたりや過剰な業務量の分配によって退職を促したりする行為は、ハラスメントに当てはまります。

ケアハラスメントの対処法

ケアハラを受けたらどうすればいいのでしょうか。今はまだ被害にあっていなくても対処法をあらかじめ知っておくと、いざという時に素早く対処できます。

ハラスメントの被害を相談する

社内の相談窓口の相談する

 

ハラスメントを受けたと感じたら、まず社内の相談窓口に相談しましょう。会社は職場環境を整える責任があるので、ハラスメントを話すことに不安を感じる必要はありません。

 

相談する際には、ハラスメントがあった日時、状況、具体的なハラスメントの内容など事実を報告。まずはハラスメントが起きている実態を、社内の担当窓口にわかってもらいましょう。

 

社外の相談窓口を利用する

 

社外の相談窓口を利用する方法もあります。

 

「こんなことをハラスメントというのはおかしいのだろうか」「社内で居場所がなくなったらどうしよう」と不安に感じるときは、社外の相談窓口に話すと良いでしょう。電話やメールで相談できる上、もちろんプライバシーは守られます。

 

社内で相談するとき同様、客観的な事実を細かく伝えるとより適切な対処法を専門家が教えてくれるはずです。

これ以上傷つかないように自分を守る

経験のある社員から経験談を聞く

 

既に介護をしている社員と積極的にコミュニケーションをとると、介護に役立つ情報を教えてもらえたり、ハラスメントを受けて悩んだ時の相談相手になってもらったりできます。ハラスメントに自分1人で戦おうと思わず、味方がいることを確認しましょう。

 

仕事と介護の両立は、当事者でないと対処法や大変さがわからないこともあります。

・過去のケアハラスメント事例の有無
・ハラスメントに合わないための工夫

このような同じ会社にいる経験者の話は説得力があるでしょう。介護の辛さを共感してもらえると不安な気持ちが軽くなり、制度の利用や介護の仕方について自信が持てるかもしれません。

 

また、介護で悩む自分の苦しさを認められるので、ハラスメントで受けた傷がさらに深くなることを避けられます。

 

アウトソーシングを活用する

 

介護が必要となったら、家族や親せきで何とかしようとせず、積極的にアウトソーシングを活用しましょう。

 

外部委託の力を借りることに負い目を感じる必要は全くありません。介護のエキスパートに任せることで本人に寄り添った介護サービスが受けられるだけでなく、家族の精神的負担を減らせます

 

介護中は家族だからこそ冷静でいられない状況もあり、家族の介護をする際の精神的負担は相当なもの。介護で心身が疲れていると、職場でのふとした言葉にも落ち込むなどストレスがたまりやすくなります。

 

さらに「家族なのにこれくらいできないと」という強い気持ちがかえって大きなストレスとなり、やがて介護が続けられないほどの精神的ダメージになるかもしれません。

 

介護をしなければならない家族が精神的に「通常」でいられることが、いつまで続くかわからない介護生活には何より大切なのです。

ケアハラスメントの対策

ケアハラスメントが職場で起きないよう、1人1人ができる対策を紹介します。

ケアハラスメントについて知る

介護はほとんどの人が無縁ではいられません。仕事と介護を両立しなければならなくなる時にために、育児・介護休業法について知っておきましょう。制度を利用する権利について、十分な知識があればケアハラスメントの被害にあうことも加害者になることも避けられます。

 

厚生労働省のHPには、誰にも分かるように育児・介護休業法について紹介されているサイトがあります。例え、今は関係ない生活でも将来的な可能性も考えて調べておきましょう。

助け合いの精神を持つ

ハラスメントの加害者になってしまう最大の原因は「想像力の欠如」

 

介護者という役割を担う人の心情や背景を想像できれば、心ない言葉は発せられないはず。「自分なら仕事を優先する」などと自分勝手な思いで、仕事と介護との両立を図ろうとする人を傷つけないようにするべきです。

 

仕事をしながら介護をする生活は、決して対岸の火事ではありません。自分も勤務時間の調整が必要となる時が来る可能性もあるのです。お互い助け合って仕事を進めることで、不安なく介護することができます。

 

介護のストレスが溜まらないことで時短勤務であっても仕事に集中でき、業務への影響は少なくなるでしょう。

介護現場におけるケアハラスメント

実際に介護が行われている現場では、介護サービスを行うヘルパーなどの介護従事者が介護サービスの利用者にハラスメントを受ける事例もあります。利用者本人からの殴る、蹴るなどの暴力行為や、利用者の家族による高圧的な態度、無理な要求で介護従事者を心身ともに傷つけるハラスメントです。

 

参考:厚生労働省 介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

介護現場におけるケアハラスメントの具体例

大きく分けて「介護サービス利用者からのハラスメント」「介護サービス利用者の家族からのハラスメント」の2つがあります。

介護サービス利用者からのハラスメント
介護従事者が介護を受けている高齢者のストレスのはけ口となり、利用者が従業員を殴ったりモノを投げつけたりする。

 

「思うように動けない」「身の回りのことができない」などのストレスが原因となる。

 

認知症などの病気や障害によるものの可能性もあるため、ハラスメントだと判断が難しい。

介護サービス利用者家族からのハラスメント
介護従事者に無理なケアの強要、高圧的な態度、従業員の対応への理不尽な批判などを行うハラスメント。

 

「サービス内容への理解不足」「従業員への過度な期待」などが原因。

 

家族側が現実を受け入れられない状況であるなど精神的余裕がない場合もあり、ハラスメントを強く訴えづらい。

介護現場におけるケアハラスメントの対処法

1人で抱え込む状況を作らないために、事務所全体で情報共有を行いましょう。下記に当てはまる人は我慢する習慣がついている傾向があるため、要注意です。

・利用者側の背景や心情を想像できる
・「そのくらい我慢できるでしょ」と言われた経験がある

1人で抱え込んでしまうと、精神的な負担は予想以上に大きなものとなりうつなどで体調を崩してしまう恐れがあります。家族の反応を想像して利用者宅に向かうのが困難になるなど、仕事に支障が出てくるかもしれません。

 

ストレスを溜めすぎないように、誰かに話を聞いてもらうようにしましょう。

ケアハラ以外にも!あなたはいくつ知ってる?職場で起こり得るハラスメント

ケアハラ以外にも、職場ではさまざまな種類のハラスメントが起こり得ます。例えば以下のハラスメントを知っていますか?

・パワーハラスメント(パワハラ)
・モラルハラスメント(モラハラ)
・カスタマーハラスメント(カスハラ)
・マタニティハラスメント(マタハラ)
・パタニティハラスメント(パタハラ)

「自分は大丈夫」と思っていても、知識不足だと被害者にも加害者にもなる可能性が高まります。被害者、そして加害者にならないように、以下の記事をぜひチェックしてみてください。

関連【ハラスメント大全2022】職場で起こる40種類のハラスメント一覧

職場環境の悩みで辛いなら退職代行の利用も検討してみよう

 

 

職場環境の悩みに耐えられず会社を辞めたいと思っても「周りに迷惑がかかる」と辞められない人も多いでしょう。そんな人には退職代行がおすすめ。あなたの代わりに会社に退職の意思を伝えてくれるので、気まずい思いをせずにすみます。

 

・周りの目が気になる人
・なかなか言い出せずに毎日を過ごしている人
・引き止められて辞められない人
・ハラスメントを受けている人

このような人は、退職代行を利用すればスムーズに辞められるでしょう。きっとストレスからも解放されるはずです。

 

不安な場合は、まずは退職代行サービスに相談してみましょう。 安全に利用できるおすすめの退職代行は「【2022年徹底比較】退職代行おすすめ人気ランキング29選」の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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