■対価が支払われるべきで支払われてない場合は罰則の対象になり得る。
■送られてきただけでは罰則の対象とはなりづらい。
■人間関係の悪化を恐れて休日でも対応してしまう人が多い。
■海外では、労働時間外の連絡に法的罰則を与えれる国もある。
電話に出ただけとは言え、休んだ気がしない。なんて感じたことはありませんか?仕方ない事情があるとはいえ、休息が足りないと心身の疲労はとれません。法的な手段を検討するか、転職を選択肢に入れておきましょう。
目次
休日に会社からの電話は労働基準法的にもアウト!
労働時間外にあたる休日に仕事の連絡がくるのは法的な観点から見てもアウトです。
使用者が労働者に対し、時間外労働や休日労働をさせた場合には、通常の労働時間または労働日の賃金の2割5分以上5割以下の範囲内で命令の定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません(労基法37条1項)。
割増率は、時間外労働については2割5分、休日労働については3割5分と定められています(平6.1.4政令第5号、割増賃金令)。
引用元:独立行政法人 労働研究・研修機構様より
「1分や2分の電話くらいいいでしょ」「電話って仕事に入らないでしょ」なんて、電話を出る側に “仕事をさせている” と意識もないままかけてしまっている人も多いみたいですが、電話だって立派な業務です。
境界線が難しいところですが、自分がもし電話する側に立つようなことがあれば、よほどのことがない限り休日は職場の人に電話をしないことがベストですし、自分が出る側の立場でも出る必要は一切ありません。※しっかり休日の労働時間として認められる場合は別です。
メールやLINEなどのメッセージのみはグレーゾーン
これまた電話以上に境界線が難しいところですが、まだまだ違法とは言い切れない現状があります。
もし、ここに返信の義務を押し付けてきた場合は業務時間になりますから、上記で紹介したような時間外労働・休日労働に値するといっていいでしょう。
「休みだってLineの一本くらい返せるでしょう!」
「あのさ、社会人なんだから、休みの日でもLineの一本くらい返してくれない?」
なんて返信の義務を出勤した月曜の朝に押し付けてくるようなことがあれば、時間外労働になる上にパワハラに値するでしょう。
また、一般的に限度を超える場合は返信の義務を押し付けてこなくても十分労働時間として換算するに値します。
法律では、「1日仕事のLINE(連絡)は何件まで」なんてものがないので、「メッセージなら明日でも見れるし、休日を業務に当ててるつもりはない」と認識してしまいがちですが、受け取る人側の気持ちを考えると送らないのがベストでしょう。
休日に会社や上司からの電話、みんなはどうしてる?
基本プライベートの連絡先は会社の人に教えていませんね。会社で携帯が支給されてるので、仕事の連絡はそっちにかかってきますが、仕事とプライベートは完全に分けたいタイプなんで休日は会社に置いてます(25歳男性 メーカー)。
休日に1日家に携帯を忘れて外出してたのですが、日中5件ほど上司から連絡が不在着信がありました。帰宅したのが遅かったので折り返しの電話もしなかった結果、次の日かなり怒られましたね。「新入りのくせに何様だ。電話くらい休みの日でもできるだろう!」って(23歳男性 SE)。
前まで上司からの電話は休日でも対応してたのですが、「明日出勤したらやっといて」みたいな連絡が多かったので、「メールで共有してもらうことが可能ですか?」か聞いたら、次からメールになりましたね。上の世代の方って本当に電話好きだよなーとつくづく思います(27歳女性 広告代理店)。
頑張って1回だけ、電話来ても無視を貫き通したことがあったのですが、週明けに冷たい目で見られてる気がして居心地が悪かったです。それ以来、あの空気を恐れて、やっぱり休日でも電話に出ちゃってます(8歳女性 医療関係)。
上記でもあるように、営業の仕事をしていると致し方ないという部分があるようです。
土日ならともかく、特に平日休みがある場合は取引先もこちらのシフトまでは把握していないでしょうし、致し方ないという悲しい現状があります。
業種にもよりますが、電話をでないことによりトラブルが大きくなり、後々自分で自分の首を閉めてしまうことを恐れている人も多いようですね。
また、営業成績がボーナス査定などに響いてくる人にとっては、「業務時間外だから対応できません」なんて大切なお客さんに対して言えません。
こればかりは会社側が、「うちの営業マンは原則として休みの日は連絡がとれない」「あるいは対応できない」という旨を伝える術を用意するべきです。
ただ、会社的にも暗黙の了解といった具合に、目を向けてないないところも多そうですね。
休日の連絡を強制してくる会社は危険
会社という組織に属している以上、「休日は電話に出ない」という選択肢を選べる人は多くはありません。
少しくらい不満があっても会社で一緒に働いてる人とはできる限りうまくやっていきたいものですよね。
ただ、そうやっているうちに、小さなストレスを貯め続けていることも忘れてはいけません。
■フランスでは2017年1月より、従業員数50人を超える企業を対象に「オフラインになる権利」を定めた。原則業務時間以外は仕事に関わる送受信をしてはいけなく、罰則の対象となる。
海外の事例を紹介すると、国をあげて法律ができるほど、労働時間外に連絡をとることは人々に多大なストレスを与え、家族間の問題にも悪影響を及ぼし、睡眠障害まで引き起こす原因だと認識されてます。
※BBC NEWS JAPAN フランスの労働者、勤務時間外に仕事を見ない権利獲得より
これはヨーロッパの事例ですが、同じ人間ですから我々日本人も例外ではありません。
労働時間外の連絡は見えないものとなって、我々に多大な損害を与えかねないものなのです。
もし仮にあたなが勤める会社がこのような会社であるならば、会社より自分自身の心配を真っ先にしましょう。
休日にしっかり休めていますか?仕事のことで頭がいっぱいになっていませんか?リラックスできる時間はとれていますか?
劣悪な環境下にいると、「みな同じだ」と思ってしまいがちですが、今や労働基準法に対する意識も高くなり、「働き改革」という国の方針の元、自由度が高い社風やユーモア溢れる評価制度をとる企業も増えてきました。
今の環境からは考えられないかもしれませんが、少し外へ目を向けて見るだけでホワイトと言われる企業なんていっくらでもあることを忘れてはなりません。
この記事を書いている筆者自身も、休日なんてあってないようなベンチャー企業での勤務で、1度は自殺まで考えるほど追い込まれましたが、外の世界に目を向けてホワイト企業に転職、年収も150万ほどUPした張本人です。
1歩踏み出して会社を変えてみる。「転職する」という決意を自分のためにしてあげるときは今なのかもしれません。自分のことを大切にしてくれる方が1人でも多く増えれば著者冥利につきます。
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