嫌な気持ちを切り替えたいと思ってもなかなかうまくいかない、と悩む人は多いのではないでしょうか。その後の仕事に影響しないように早く気持ちを切り替えたいものです。
「相談員」としての職務経験があり、メンタルケアの知識もある筆者が効率よく気持ちを切り替えるコツを紹介します。
気持ちを切り替える方法については、簡単にできるものからじっくり切り替える方法まで挙げています。自分に合ったものを試してみてください。
目次
気持ちの切り替え3つのステップ
イライラした後やミスした後の嫌な気持ちは早く切り替えたいですよね。効率良く気持ちを切り替えるには、次の3つのステップを意識しましょう。
Step1.切り替えられない自分を認める
Step2.どんな気持ちになりたいか考える
Step3.切り替える方法を試す
Step3で紹介する「切り替える方法」だけ実行しても効果は半減。その前の2つのステップを踏まえることでStep3で紹介する方法が効果を発揮し、効率よく気持ちを切り替えることができます。
Step1.切り替えられない自分を認める
まずは気持ちを切り替えられていない自分を認めましょう。「気持ちを切り替えられない自分」を素直に受け入れると冷静になれるのです。
嫌な気持ちを払拭したいあまり、「切り替えなきゃ」と自分に言い聞かせるのはNG。そういう気持ちの自分を否定せず「ずっとそのこと考えている」と認めましょう。
冗談っぽく「引きずってしまいました」と周囲の人に打ち明けてもいいかもしれません。
Step2.どんな気持ちになりたいか考える
自分を認めることで冷静になったら、次にどんな気持ちになりたいか考えます。
「この気持ちをどうにかしたい」ではなく「なりたい気持ち」を考えることがポイント。そうすると、どんな対処をすれば良いか見えてくるはずです。
ネガティブな表現ではなく「落ち着こう」「自信を持とう」など、ポジティブな表現で考えるよう心がけましょう。
Step3.切り替える方法を試す
実際に切り替える方法を試しましょう。Step1と2で気持ちの整理がついているので、スムーズに切り替えられるはずです。
切り替えたい気持ちやその時の自分の状況によって、効果を発揮する方法は違うかもしれません。次に挙げる方法を参考にいろいろ試して自分に合った方法を活用すると良いでしょう。
勤務中にさっとできる気持ちの切り替え方
勤務中はじっくり気持ちを切り替える時間はありません。次の仕事に影響が出ないことを第一に考えましょう。
そこで上にあげたStep1とStep2を素早く行うようにします。Step3を実行できなくても、2ステップ行うことで気持ちの整理はつくでしょう。
深呼吸をする
叱られた後やミスした後は呼吸が速く、浅くなっています。そこでまずは深呼吸。
鼻から吸ってゆっくり口から吐き出す。数回で呼吸が整ってくるのが実感できるはずです。深呼吸をしながら、切り替えられない自分を認めていきましょう。
この時はまだ「切り替えよう」と思う必要はありません。深呼吸しながら気持ちを引きずっている自分を実感すると、少しずつ自分に向き合えます。
場所を変える
Step1.2が自分の席では難しい場合は、一度トイレなど他の場所に移動しましょう。周囲の目が気にならずに冷静になれる場所です。トイレの個室なら目に入る情報量が少ないため、自分に集中できるでしょう。
今の自分を認め、なりたい気持ちが頭に浮かんできたら席に戻って業務再開。気持ちの変化を実感できます。
コーピングを使う
ストレス解消法に利用される「コーピング」は「自分なりのルール」のことであり、気持ちを切り替えるにも有効。いくつか用意しておくと気持ちを切り替えるときに役立ちます。
「おへそのあたりに右手をおく」「胸を3回なでおろす」など、自分が気持ち良いと思う小さな動作で構いません。
習慣化しておくと、その動作をすれば気持ちが落ち着くようになります。落ち着くことで自分を認めやすくなるため、コーピングは気持ちの切り替えにも効果が期待できます。
関連【厳選100個】コーピングリストの超具体例・8個の効果UPに欠かせないコツ【アプリ活用】お茶を飲む
コーヒーや紅茶など、お茶の香りで心が休まります。
働いているとついつい焦ってしまいますよね。そんな時はお茶で一息。良い香りに癒されると、自然と気持ちの整理がついてくるはずです。
明日の仕事のために気持ちを切り替える方法
次はStep3.今日の嫌な気持ちを明日に持ち越さないように切り替える方法です。勤務中に最初の2ステップをやっていると効果的に行えます。
仕事のメールの通知をオフにする
仕事のメールは勤務中のみにしましょう。激務が続くと家に帰っても仕事のことを考えがち。 家でもメールチェックしてしまうかもしれません。
家でチェックしてしまうと仕事が頭から離れず、気持ちが切り替わらないのです。職場でミスした日にはいつまでも引きずってしまいます。
退社時間にメールの通知はオフ。勤務中に起きた嫌な気持ちも職場に置いていきましょう。
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まっすぐ家に向かわず、ちょこっと寄り道して気持ちを切り替えましょう。
本屋や雑貨屋、洋服屋などで思いがけず素敵なものを発見して、嫌な気分も忘れてしまうかも。カフェで一息、CDショップで1曲試聴なども気分を変えてくれるでしょう。
部屋着に着替え、化粧を落とす
家に着いたらまず、部屋着に着替えましょう。服を着替えると完全オフを実感できるため、気持ちを区切りやすくなります。
メイクもなるべく早く落として肌もリフレッシュ。服を替え、顔を洗ってスッキリすれば、緊張もほぐれリラックスできるでしょう。
日記をつける
1日にあったことを書きだすと、今日1日の終わりを感じ気持ちを切り替えられます。ミスして叱られたことや、人の言葉にショックを受けたことも書きましょう。
嫌な忘れたいことを思い出して書くのは辛いかもしれません。しかし心に置いたままにすると、苦しい状態が続いてしまいます。
一度書いて読み返すことでその時の自分を認めることができ、心が軽くなるはずです。「日記に書いたからもう終わり」と明日の準備に取りかかりましょう。
関連“振り返り”で折れない心を育てる!継続・結果につながるポイント【例文付き】休日を利用してすっきり気持ちを切り替える方法
休みの日などを利用してじっくり気持ちを切り替える方法を紹介します。週末や今抱えている業務がひと段落したときなどに試してください。
運動する
運動は気持ちを切り替えることにつながります。運動することで脳内に分泌されるセロトニンには、爽快な気分になる効果があると言われているのです。
また運動に集中することで、嫌な気持ちを思い出さなくて済む効果も。運動が苦手な人は、近くのコンビニまでぶらっと歩くだけでも気持ちは変わります。
外出が億劫になる雨の日は、ヨガやストレッチなどお部屋でゆっくり体を動かしましょう。長くやる必要はないので、10分程度でも体を動かすことが大事です。(参考:社会保険出版社『運動とメンタルヘルス 心も体も健康に』)
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週末と利用してプチ旅行はいかがですか。日常の生活空間の外に出ると気持ちが一変。仕事のことを忘れて思いっきり楽しみましょう。
ひとり旅でも、気の合う仲間と一緒でもOK。美味しいものを食べ、ゆっくり過ごしてリフレッシュしましょう。一度、日常空間から出ることで、戻ったときには新しい気持ちで仕事に励むことができるでしょう。
関連【旅行のメリット】旅行で価値観が変わると言われる理由十分な睡眠をとる
心がもやもやするのは、日頃十分な睡眠をとれていないからかもしれません。「今日は寝るぞ!」と目覚ましをかけずに寝る日を決めましょう。起きたら頭がスッキリしているはずです。
平日は残業で遅くなったり、テレビやゲームに夢中になったりすると、ついつい夜更かししてしまいますよね。そんな人は休日くらいは睡眠時間を確保しましょう。
・ゆっくりお風呂に入る
・寝る前にスマホを見ない
・パジャマに着替える
寝る前に少しの工夫をするだけで、睡眠の質は上がります。「起きたら悩みがどうでもよくなった」と思ったことはありませんか?休日を利用して、その状態を作りましょう。
まとめ
嫌な気持ちをいつまでも切り替えられないのは苦しいですね。
上手に切り替えるコツは、一旦「切り替えられない」と開き直ることです。上手に切り替えられない自分を素直に認めると、案外上手に気持ちを切り替えられるものです。
効率よく切り替えられるようにいろんな方法を試してみてください。