「コミュニケーションハラスメント」を知っていますか?コミュニケーションが苦手な人に、無理やり会話を強制する嫌がらせのことです。
働く上でコミュニケーションは不可欠。だからこそコミュニケーションでの苦痛は理解されづらく、1人で抱え込んでしまいがちな悩みです。結果として「なぜこんなコミュニケーションもとれないんだ」とイライラされてしまうのでしょう。
今回はそんなコミュニケーションハラスメントの意味・具体例・対処法・対策を紹介します。加害者/被害者になることを防ぎましょう。
目次
コミュニケーションハラスメントとは
コミュニケーションハラスメントとは、コミュニケーションが苦手な人にそれを強要する嫌がらせのこと。
Twitterでの「おとなしいよね、なんか喋ってよ、というコミュニケーションハラスメントがいかにひどい言動か自覚するべき」という投稿から話題になりました。
会社ではたくさんの人が集まって仕事をする以上、コミュニケーションは不可欠です。
・出席したからには発言必須の会議
・交流を深めるための飲み会
・クライアント/顧客への営業
・休憩時間の雑談
このように、コミュニケーションをとる機会はたくさん。得意な人は難なくこなせるかもしれませんが、苦手な人にとっては毎日が試練です。
しかしコミュニケーションが苦ではない人が多数の会社だと、その苦痛は理解されず「自分がおかしいんだ」「ついていかなければ」と1人で抱え込んでしまうのでしょう。
コミュニケーションハラスメントの具体例
コミュニケーションハラスメントの具体例を、2つの場面に分けて紹介します。
雑談で起こりやすいコミュニケーションハラスメント
「なんか面白い話してよ」
「なんでそんなに喋らないの?」
「もっといろんな人とたくさん話した方が良いよ」
これらの言葉を言われたことがある人もいるのではないでしょうか。反対に気軽に言っている人もいるでしょう。場を盛り上げるために言っているかもしれませんが、相手が苦痛に感じたらハラスメントになり得ます。
「喋る/喋らない」は個人の自由。「話したい」と思う人がいるように、「話したくない」「聞いていたい」という人もいるのです。
会話の基本は相手に配慮すること。苦痛に思う人にわざわざ強制すべきではありません。
会議で起こりやすいコミュニケーションハラスメント
・「もう一度お願いします」に応えてくれない
・反応の遅さを責められる
・話を中断される
このように、明らかに嫌がらせともとれる行動です。
加害者側は「なんでこんなことも聞き取れないんだ」「話すのが遅すぎる」と思うかもしれませんが、相手は「なんで自分はこんなこともできないんだ」と悩んでいるかもしれません。
人には得意・不得意があります。しかし「コミュニケーションは誰でも同じようにできる」「できない人は努力すべき」と思ってしまう人が多いのではないでしょうか。
そのような態度をとっていると本当に悩んでいる人は相談しづらく、1人で抱え込んでさらに仕事が進まなくなることもあるでしょう。
コミュニケーションハラスメントは賛否両論
このように職場で頻発しそうなコミュニケーションハラスメントですが、賛否両論あるのも事実。2つの意見を聞いてみましょう。
賛成意見
「コミュ障は精神的なもの」
「本人の努力不足と言われると生きづらい」
「相手の表情などを見て配慮すべき」
反対意見
「”交流したい”という気持ちをハラスメントと言われてしまうなんて…」
「誰にも何も言えなくなってしまう」
1つ言えるのは、「話したくない」「話したい」は人によって違うということ。「もう誰にも話しかけない」と極端な行動に出るのではなく、目の前の相手に配慮する必要があります。
そうすることで相手も自分も心地良いコミュニケーションがとれるでしょう。
コミュニケーションハラスメントへの対処法
コミュニケーションハラスメントを受けてしまった際の対処法を紹介します。
最低限のコミュニケーションはする
人と一緒に働く以上、最低限のコミュニケーションは必要です。コミュニケーションは仕事のスピード、生産性、質などさまざまな部分に関わってきます。
・必ず挨拶をする
・感謝を積極的に伝える
・報連相を忘れない
この3つがあれば、悪い印象は与えないはず。まずはここから徹底して、次のステップにいけるようにしましょう。このような基本的なコミュニケーションでうまく相手と会話ができたら、自信がついてくるかもしれません。
上司・同僚に相談する
半分はアドバイスをもらうため、半分は悩んでいることをアピールするために相談してみましょう。
あなたに強くあたっていた上司も、「自覚があるんだ」「改善する意思があるんだ」と理解してくれるかもしれません。
その時は「何に悩んでいるのか」「どう取り組んで、どううまくいかなかったのか」を話すとさらに良いでしょう。努力してもできなかったことがわかれば、あなたに合ったアドバイスをしてくれるはずです。
断り方を覚える
コミュニケーションが生まれる場を徹底的に避けるため、会社行事・飲み会の断り方をマスターしておきましょう。覚えておけば、戸惑うことなくハッキリと答えられます。
「地方の友人がわざわざ来てて」
「家族との予定がある」
「ちょっといろいろありまして…」(悲しげな顔)
「生ものが届くんです」
このようにさまざまなフレーズを覚えておきましょう。
ただ、その時に誘ってもらった感謝を伝えることを忘れずに。そうすることで、相手が嫌な思いをせずにすみます。
趣味を始める
少しでも会話の種を増やすために、趣味を増やしてみましょう。会話がつまったときに「そういえば最近こういう趣味を始めたのですが~」と話せます。
趣味に打ちこむと、ストレス解消もできて一石二鳥!暇つぶしがてら始めて、話題をゲットしましょう。
趣味がない大人必見『超簡単』趣味探し|全100種のおすすめ趣味一覧
社内・社外相談窓口を利用する
職場でのコミュニケーションハラスメントに耐えられない場合、第三者の力を借りましょう。
社内に相談窓口があればそこを利用するのが手軽ですが、バラされたりさらに立場が悪くなったりとセカンドハラスメントも起こり得ます。
不安な場合は社外相談窓口を利用しましょう。専門家があなたの話を聴いて、適切なアドバイスをしてくれます。
コミュニケーションハラスメントへの対策
コミュニケーションハラスメントの加害者にならないために、日ごろから相手を思いやったコミュニケーションをとりましょう。
想像力を鍛える
自分はコミュニケーションが得意でも、そうではない人もいます。相手がどんな気持ちなのかを想像して、コミュニケーションハラスメントを防ぎましょう。
コミュニケーションハラスメントをしてしまう原因の1つに、押しつけがあります。どのハラスメントにいえることですが、「相手と自分が思っていることに違いはない」と思ってしまうことがハラスメントに繋がるのです。
「自分はこう思うけど、相手はどうなんだろうか」
「普段こういう特徴がある人は、どう考えているんだろうか」
少し立ち止まって想像してみるだけでも、違う景色が見えてくるはず。自分の頭では限界があるので、本を読んだり映画を観たりして、想像力を鍛えましょう。
相手の話を聴く
会話は相手がいてこそ成り立つもの。何よりも大事なことが相手の話を聴くことです。
例え相手の話がゆっくりでも、遮らずにじっくり聴くことが大切。会議の場では時間制限があり、そうはいかないかもしれませんが、その時は会議後にアドバイスするとトラブルが減るでしょう。
自分の話がどう聞こえているかは意外とわからないもの。アドバイスすることで、「もっとこう話せば良いんだ」と気づくかもしれません。
コミュハラ以外にも!あなたはいくつ知ってる?職場で起こり得るハラスメント
コミュハラ以外にも、職場ではさまざまな種類のハラスメントが起こり得ます。例えば以下のハラスメントを知っていますか?
・パワーハラスメント(パワハラ)
・モラルハラスメント(モラハラ)
・ラブハラスメント(ラブハラ)
・レイシャルハラスメント(レイハラ)
・ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
・ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
「自分は大丈夫」と思っていても、知識不足だと被害者にも加害者にもなる可能性が高まります。被害者、そして加害者にならないように、以下の記事をぜひチェックしてみてください。
関連【ハラスメント大全2022】職場で起こる40種類のハラスメント一覧