【体験談】ホワイト企業/ブラック企業の特徴って?”ホワイト=楽”ではない

ホワイト企業 特徴

現役キャリアアドバイザーの方に、ホワイト/ブラック企業の特徴と見分け方を伺いました。

 

今回伺ったのは、新卒でWeb領域の広告代理店に入社しその後2回転職、現在は人材会社に勤務している方。

 

新卒で入社した会社がブラック企業だったことや、キャリアアドバイザーとして多くの求職者の相談に乗ってきたことから、ホワイト/ブラック企業について経験者ならではの意見が満載!

 

転職の会社選びで悩んでいる方必見の内容です。

 

本記事のPOINT

目次

一般的に言われるブラック企業の特徴3つ

数多くの求職者の方を支援させていただいている中で、一般的にブラック企業だと言われる特徴は以下3点。

・過剰なノルマにより、社内での拘束時間が長い
・賃金や残業代が未払い
・ハラスメントなどのコンプライアンス遵守事項が守れていない

主に上記のような項目のなかで一つでも当てはまる状況の企業がそれにあたります。

ブラック業界の特徴【体験談ベース】

その3点を元に、ブラック業界の特徴を紹介していきます。

残業に主体性を求める

例えば、実際にご支援していた方が直面していたケース。

定時でタイムカードをとりあえず切る。業務が残っている場合は「個人の能力が不足しているから本来終わっているはずの仕事が残っている、そこは個人の責任であり会社が賃金を支払う妥当性はない」という理論のもとサービス残業を強いられる。タイムカード上は残業が20時間未満ではあったものの、本人がとっていた記録では100時間以上。

このようなことがありました。これも立派なブラック企業の特徴です。そもそも業務指示の妥当性を検証することなく責任を個人に押し付けていることも問題。

 

しかし、真面目な方ほど実は上述したような間違った理論を受け入れてしまい、疑問を抱かないまま仕事を続けてしまう、、、ということが多いのです。

精神論の横行

人としての「感謝の心」「成長」といった根拠のない一言に集約し、全てをそこに繋げて話を展開する企業体質は非常に危険です。

 

例えば以下のような発言。

「部長が君たちのために残ってくれているのだから、終わる前に帰るのは感謝の心が欠けている」
「売り上げが上がっていないのはやる気がないからだ」

精神論がすべて悪いとは言いませんが、精神論が横行すると物事がうまくいってもいかなくても「要因分析」ができない。つまり「再現性がない」ことが一番の問題点です。

 

ノウハウの蓄積よりも精神論や根性論が優先されるため、正しい/間違いを判断するのではなくその人の精神状態をただ批判・非難することに終始します。

ハラスメントやコンプライアンスの遵守事項が守れていない

時代の変遷に伴い、10年前よりもハラスメントやコンプライアンスなどが当たり前になりました。しかし、遵守事項が守られていないこともブラック企業の特徴の一つです。

 

例えば、営業成績が悪い社員に対し「使えない」「会社に来なくてもいいよ」などを全社員の前で言ったり、できていない社員を何時間も怒鳴りつける、など。

 

私の新卒入社した会社ではなにかミスをするとペンや灰皿が飛んできたり、本やPCで叩かれたり、などもありました。当時は新卒だったので「社会とはそういうものなのだ」と自分に言い聞かせていました。

ホワイト企業の特徴

上記の経験をしているような人は転職を考える際「ホワイト企業に行きたい」という旨の希望を頂くことが多いです。一般的には「裁量が広い」「定時に上がれる、フレックス制度」などがホワイト企業として見られることが多いですが、転職市場での経験、また自身の経験を踏まえてホワイト企業への転職について紹介していきます。

良い環境=力が発揮できるというわけではない

もちろん、先述したような暴力行為や時間的拘束が長いといったことはほぼない、といって問題ありません。しかし、「ホワイト企業=緩い」と思って転職を希望する方が多く、ギャップに苦しめられる人が多いのもまた事実です。

 

私はキャリアアドバイザーとしてホワイト企業へ行きたいという方にはホワイト企業では「自分で考え行動し、成果をだす」ことを求められるからこそフレックス制度や定時上がりでも問題ない、と伝えています。

 

まずなぜホワイト企業でいられるのでしょうか。一番は「時間的拘束やマイクロマネジメントをしなくても成果を出す人が多い」ことが挙げられます。ブラック企業では管理職がすべてを把握し何をするかも指示を全て決められていることが多い一方、その作業に対する意味合いや説明はあまりされません。

 

ブラック企業では「とにかくやらせる」手法が多く、その伝え方は乱暴・粗雑であったり、膨大な作業量をとにかくこなすことで「考えるよりも先に行動する」が身についたりすることがあります。すると論理的思考力があまり養われないまま、やらされ仕事に慣れてしまうのです。

 

転職してホワイト企業のように、「自分で考え、成果を出す」という自己管理を任されたとき、その経験がないので何をしたらいいか分からず、結果的にパフォーマンスを発揮できない方が多くいます。

 

このような人は「自分から情報を取りに行く」プロセスを経験することが少なかったため上司から指示をもらえることが当たり前。入社後「上司は指示をくれない」と不満を持つ方が多いです。当の現場からすると「この人は情報を取りに来ない」という評価となり考え方のギャップが生まれます。

 

もちろんブラック企業を肯定するわけではありません。しかし転職市場で感じていたのは、情報社会になった今、ハラスメントやブラック企業にいる人は現状の自分を俯瞰してみることはできるようになったものの、「ホワイト企業」という言葉のみが先行し”具体的になにがどう違うのか”を知っている人はあまりいないという点でした。

 

ホワイト企業とブラック企業では「求められることが違う」ことを度外視してしまうと、時間的拘束やハラスメントがないような環境は、今までブラック企業しか知らない人にとってメリットしかないように聞こえてしまうのです。

 

今の環境が不当なのは十分理解できます。今の環境が間違っていることを十分理解をしたうえで「”ホワイト企業”へ行くことがどういうことなのか」を理解してからそれを目指すのと、言葉だけに惹かれてしまいそれを目指すことは入社後の動きに大きな差が出ています。実際にせっかく入社して再度転職をされる人の多くはこの理解がないまま入社してしまい、ギャップを感じて退職するという方が非常に多いのです。

自身の経験をふまえて

私も1社目はブラック企業でした。当時は広告業界のベンチャー企業で、新規営業担当として営業先のリストアップ、電話、営業などひたすら作業を行ってました。特に営業先のリストアップは一番つらく、すでにほかの社員の人がリストアップされているものと照合していくと大体100社リストアップして10社残れば良い方。全て手動でやるよう指示があり、それが「規定のリストアップ数まで満たないと帰ってはならない」ルールがありました。

 

私は新人の頃、特に出来が悪く一人だけ毎日3時くらいまで残り、家にシャワーだけ浴びてまた戻ってくる、という生活を2年半程過ごしていました。土日もメールやLINEでのやり取りの即レスを求められ、それができないと月曜日から怒鳴られる、といったことが繰り返されていました。

 

私もまったく出来が良い新卒ではありませんでしたが、典型的なブラック企業であったことは間違いありません。当時は連絡がくるだけでもびくびくしてましたし、休日もどちらかは出社をしていたので「休み」という概念はあまりありませんでした。やがて肉体的な限界は精神を蝕み、体を壊して退職しました。

 

その後現在の職に就き、ホワイトな環境で仕事をしておりますが、当時の企業を恨むことは実はあまりありませんでした。これはどんなブラック企業でつらい経験をしてきた方にも共通することですが大切なのは「自分が選択をしたこと」に対して責任を持つことです。

 

私の場合もそうであるように、多くの場合脅されてその会社に入社したわけでもありません。退職は様々なケースがありますが私の場合は自分の意志で退職を決断しました。つらい出来事も多くありましたが、一方で次の職場にいくと「礼儀がちゃんとしているね」「仕事が早いね」「当たり前の基準が高いね」と褒められることが多くありました。

 

つまりブラック企業で得た経験は次の職場で全く生きないわけではない、ということです。私は今でもつらかった経験を踏まえてもなお、新卒入社させていただいた企業には感謝の気持ちを持っています。

 

キャリアアドバイザーの仕事を長くしていると、転職した方の多くが「時間経過とともに前職に感謝をすることが多くなった」という話を聞くことが多いです。それは自分の会社から次の職場に移り、より客観的に見たり比較したりすることで、これまで感じ取ることができなかった点や、当たり前の基準の違いを感じ取ることができるようになったから。つまりは視野が広がって自身が成長したともとれるわけです。

 

自身がブラック企業にいるなあと感じる方は、世の中は広く選択肢に満ち溢れていることを理解していただきたいです。しかし、だからといって「ホワイト=楽」ではないということだけでも伝われば幸いです。

 

ブラック企業・優良企業の見分け方についてはこちら!ブラック企業・優良企業の見分け方9つ|優良企業の探し方

 

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