「エイジハラスメント」を知っていますか?年齢に関する差別的な発言・行動をとるハラスメントです。
最近ではセクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど、さまざまなハラスメントが問題となっていますね。
セクハラやパワハラなどのハラスメントは、被害者・加害者・周囲の人にとって比較的分かりやすいハラスメントといえるでしょう。
しかし、「エイジハラスメント」は日常に溶け込んでしまっているがゆえに、いつのまにか自分が加害者・被害者になってしまうことがあります。
フレンドリーな職場だからと自分では気兼ねなく過ごしているつもりでも、知らず知らずに職場の仲間を傷つけているとしたら悲しいですよね。
ここでは、とても身近なハラスメント「エイジハラスメント」について紹介します。正しい知識を身につけて、被害者・加害者にならないように気をつけましょう。
目次
エイジハラスメントとは
エイジハラスメントとは、その名の通り年齢を差別して行う嫌がらせのことをいいます。
その特徴は、立場や性別に関係なく、誰もがハラスメントの被害者・加害者になりうるということです。年齢に関する発言は何気なく口にしたり耳にする機会が多いもの。しかし、その発言によって嫌な思いをする人や、仕事の機会が得られない人が数多く存在しています。
特に会社はさまざまな年齢の人と一緒に仕事をします。年代によって価値観が違い、つい相手の年齢に対して悪く言ってしまうこともあるでしょう。
だからといって「たかが年齢のことくらいで・・・」と考えていると大きな問題に発展しかねません。悪気なく放った一言が相手の受け取り方によってはハラスメントになりうることを認識しましょう。
エイジハラスメントの具体例
どのような発言・行動がエイジハラスメントに当てはまるのか、具体例をみていきましょう。
「だからゆとり世代は」
積極性や気遣いが足りないと見受けられたときに言われがちなこの言葉。本人の個人としての性格を見ずに、世代で一括りにして発言をすることは立派なエイジハラスメントです。
ゆとり世代だけでなく団塊の世代、バブル世代、氷河期世代など、さまざまな世代で差別することも同じくエイジハラスメントといえます。その世代に生まれたことは変えられないことであり、世代ごとの政治的な特徴はあれど個人とは別物なのです。
ことあるごとに「〇〇世代」で判断されて個人として見てもらえないとしたら、仕事に対するやる気をも失いかねません。
もう30歳を超えるのにそんな仕事もできないの?
年齢を理由にしてミスや経験不足を責めるのも、エイジハラスメントの1つです。失敗は年齢に関係なくするものであり、ある分野に対しての経験不足や注意不足のせいである可能性が高いのです。
また、ある程度社会人経験があれば全てのことができるとは限りません。初めての業務や不慣れな業務であれば、年齢に関係なく戸惑うでしょう。
受け取る人によっては「自分はこの年齢でこんなこともできないダメな人間なんだ」と正当ではない理由で自分を責め、鬱になってしまう可能性もあるのです。
もう年なんだから無理しないでください
一見相手を気遣った発言に思えるこの言葉も、人によっては「年寄りだと馬鹿にされた」と感じるかもしれません。
人生100年時代。まだまだこれからもガンガン働きたいと考え、体力づくりに励む人が増えています。年齢だけを見て「年なんだから」と発言することは、今後も意欲的に働いていきたい人を傷つける一言になりかねません。
エイジハラスメントの対処法
もしも被害にあった場合は決して一人で我慢をすることなく相談しましょう。
記録をする
記憶が曖昧になる前に、メモや日記に記録しましょう。もしも問題が大きくなった際には、正確な記録が有利となります。
記録する内容
・日付
・時間
・場所
・人物名
・何をされたか(どんな発言があったか)
これらのことを細かく記録しておきましょう。詳細な記録は、誰かに相談する際にも信用や理解を得やすくしてくれます。
社内の相談窓口に相談する
社内に「ハラスメント」に関する相談窓口が設けられている場合は、相談窓口を利用しましょう。人事や労務関係の社員が間に入り、解決してくれる可能性があります。
その際にも前述のメモが有効になりますので、手元に準備をして相談しましょう。
外部機関に相談する
社内相談窓口が無い場合や、社内で相談することに抵抗がある場合は、外部機関に相談をするのも方法のひとつです。匿名で相談を受けてくれる窓口もあり、社内の相談窓口を利用するよりもハードルが低いでしょう。
専門家のアドバイスをもとに対処することで、スムーズに悩みが解決できる可能性があります。
エイジハラスメントへの対策
エイジハラスメントの被害者・加害者にならないために今何ができるかをみていきましょう。
丁寧なコミュニケーションを図る
エイジハラスメントが起こる原因の1つに、コミュニケーション不足が挙げられます。
「年配の人は全員頭が固いのでは・・・」「若者の考えていることは理解できない」など、世代が違う相手とのコミュニケーションに、苦手意識がある人も多いのではないでしょうか。
・元気に挨拶をする
・挨拶をする時に一言話しかけてみる
・飲み会で話しかけてみる
このように職場では世代の違う人と話す機会がたくさんあります。
一度「世代」に帯する先入観を取り払い、個人として相手を理解しようと努めてみましょう。個人を理解するには丁寧なコミュニケーションが必要です。理解しようという気持ちは相手に伝わり、信頼や友情を生みます。
個人と個人の丁寧なコミュニケーションは、世代間のギャップを埋めてくれるでしょう。
エイジハラスメントへの理解を浸透させる
ハラスメントの多くがそうであるように、エイジハラスメントも加害者にとっては自らの言動がそうであると気づいていない場合が多いです。受け取る人が不快に思ったらエイジハラスメントになり得ることを、まずは自分がしっかりと理解することが大切です。
・研修を行う
・ハラスメントに関する資料や記事を共有する
会社全体で行うことが難しければ、部署・チーム内だけでも行ってみましょう。少しづつ意識が高まっていけば、ハラスメントを許さない空気が作られていくはずです。
大きな問題に発展する前に、普段から個々で言動を注意し合える環境をつくっていきましょう。
善悪の判断基準を持つ
「〇歳なのに」「男なのに」「女なのに」などの言葉から始まる不満が自分から出そうになったときは、一度立ち止まって考えましょう。
ほとんどの不満は年齢や性別に関係なく、経験差や人間性の問題ではないでしょうか。同時に年齢や性別に対する自分の偏見に気づけるはずです。
年齢や性別に関係なく「ダメなものはダメ。良いものは良い。」という判断基準が自分の中でしっかりしていれば、その判断基準に従って人を敬い人に注意を促せます。
自分が加害者になりかけたときに立ち止まって考えられる人になることが、エイジハラスメントの被害者・加害者にならないための第一歩ではないでしょうか。
エイハラ以外にも!あなたはいくつ知ってる?職場で起こり得るハラスメント
エイハラ以外にも、職場ではさまざまな種類のハラスメントが起こり得ます。例えば以下のハラスメントを知っていますか?
・パワーハラスメント(パワハラ)
・モラルハラスメント(モラハラ)
・ラブハラスメント(ラブハラ)
・マリッジハラスメント(マリハラ)
・SOGIハラスメント(ソジハラ)
・ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
「自分は大丈夫」と思っていても、知識不足だと被害者にも加害者にもなる可能性が高まります。被害者、そして加害者にならないように、以下の記事をぜひチェックしてみてください。
関連【ハラスメント大全2022】職場で起こる40種類のハラスメント一覧職場環境の悩みで辛いなら退職代行の利用も検討してみよう
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