仕事で「トラウマ」があって「働くのが怖い」と悩んでいるあなた。
「トラウマ(心的外傷)」とは「強烈ですさまじい体験によって引き起こされた重い心の傷」のこと。
「トラウマ」があると急に息苦しくなったり、めまいがしたりすることがあります。突然、訳もなく涙が止まらなくなることも。転職を考えても「またあの時のように失敗してしまうのではないか」と自信を持てずにためらってしまいます。
「トラウマ」について理解を深めて、「働くのが怖い」状況から抜け出しましょう。この記事が一歩を踏み出す機会になれば幸いです。
目次
仕事にトラウマを感じる原因
「トラウマ」はあなたのこころに大きな傷をもたらした出来事です。あなたの「過去の大きなできごと」は何だったでしょうか。つらいかも知れませんが、「トラウマ」として残ってしまった出来事を振り返ってみましょう。
上司から激しく叱責された
上司からいろんな指導を受けることは日常的にあるでしょう。何かミスをしてしまったとき、ある程度は「怒られる」と心の準備をしているはず。
しかし「想定外の激しい指導」を受けてしまうと、それは大きなダメージ、つまり「トラウマ」になってしまいます。あるいは予期していない、あまりにも「感情的で」「理不尽な叱責」に対しても、こころの準備が整わず「トラウマ」として残ることがあります。
人間関係が悪化し、いじめにあってしまった
周囲の人からの無視や、仕事上の連絡を回してもらえないなどの悪質ないじめも「トラウマ」となります。最悪な環境から抜け出すため職場を変えようと思っても、また同じようないじめに合うのが怖くなって、仕事を探すことも怖くなってしまっているでしょう。
失敗をした自分を自分自身でひどく責めた
自分の失敗を自分自身で激しく責めてしまうと、それが「トラウマ」として残ることがあります。
例えば「会議資料を間違えて配布してしまった」とき。大きな失敗に対して、失敗したあなた自身が誰よりも「自分が許せない」とこころを傷つけてしまうのです。とても真面目に仕事をしている人ほど自分を傷つけがちです。
仕事のトラウマによって引き起こされること
「トラウマ」によって引き起こされるさまざまな症状のことをPTSD(心的外傷後ストレス障害)と言います。PTSDは、震災などの自然災害が発生した際などにニュースなどで耳にすることがあるでしょう。日常の生活における「トラウマ」が原因となるPTSDも珍しくありません。
「トラウマ」を感じている人全員がPTSDになるわけではないですが、PTSDになる人はこころが弱いからというわけではないのです。PTSDになりやすい傾向については今はまだ分かっていません。
PTSDには次にあげるような症状のほかに「めまいや頭痛がある」「食欲がなくなる」などさまざまな症状があります。このように体からサインが出ている場合には、専門家に相談するようにしましょう。
不安や緊張が続く
不意に「トラウマ」となった出来事が生々しく思い出されること(フラッシュバック)があります。上司から激しい言葉で叱責を受けた場合、その言葉が今ここで言われているかのような錯覚に突然見舞われるのです。
それによって感情が一時的に不安定になり、取り乱したり、怒ったり、涙ぐんだりしてしまいます。周りの人に理解が得られず、人間関係の悪化につながりかねません。
眠れなくなる
記憶がよみがっていないときでも常に緊張が続いてしまいます。絶えずイライラして、悪意のない冗談にも怒ってしまうことや、「また傷つけられることを言われるんじゃ」と警戒心が異様に強くなり周囲に対する目つきがきつくなることなどがあります。過敏な状態が続くことで眠れないこともあるでしょう。
無意識に現場を避ける
「トラウマ」の現場に入ろうとすると、なぜか足がすくんで身体が動かないことがあります。例えば会議があるのに、前回のミスがトラウマになって会議室に入れないなど。あるいは自然と遠回りして目的地に行こうとしていることもあります。
それは無意識に「トラウマ」を呼び起こす場面を避けているのです。「トラウマ」のことを考えていなくても、潜在意識が「トラウマ」を避けようとしています。
仕事のトラウマを克服する方法
残念ながら過去に起こった「トラウマ」をなかったことにするのは難しいことです。しかし「トラウマ」を克服できないわけではありません。
「トラウマ」となった深い傷は「癒す」ことができるのです。傷はなくならないかもしれませんが、気にならないほど「痛くない、小さな傷あと」にすることはできます。必ず「トラウマで働けない」状況を打ち破ることはできると信じて前を向きましょう。
・「トラウマ」という深いこころの傷の回復
・PTSDによるつらい症状の軽減
という二つの方向から考えていきます。
深いこころの傷を回復する方法
まずはこころの傷を回復できるような方法を紹介します。
「トラウマ」を考えないようにこころがける
「忘れよう」とするとかえって「トラウマ」のことを思い出すことになり、実は逆効果。そのたびに心に深く「トラウマ」を刻んでしまうのです。
「トラウマ」のことがふと頭に浮かんで来たら、「他のことを考える」ようにしましょう。意図的に違うことを考えると、トラウマの記憶に上書きができます。
例えば「お昼は何を食べようかな」や「前にいるあの人は何歳かな」など。何度も何度も他の思考で「トラウマ」にふたをしましょう。
コーピングを利用する
どうしても「トラウマ」がよみがえってきてしまうときのために、自分なりのストレスに対処するルール「コーピング」を決めておきましょう。
例えば「会議室に入ろうと思ったら、足がすくんだ」ときに「深呼吸を三回する」。この自分なりのルール、コーピングにはさまざまなものがありますので、その中から自分にあったものを試すと良いでしょう。
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楽しい「自分の時間」を過ごす
仕事以外の「自分の時間」を充実させましょう。例えば仕事をすっぱり忘れて、気の合う仲間と楽しい時間を過ごしましょう。会社だけが自分の居場所ではないことを感じることができます。
仕事上の「トラウマ」もそのときは全く気になりません。「トラウマ」から解放された時間のなかで、こころの傷は少しづつ癒えています。
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真面目すぎないようにする
真面目な人はこだわり過ぎてしまう傾向があります。「トラウマ」に対して真正面から向き合ってしまうとかえってストレスをかかえてしまうことに。「トラウマ」よりもそれ以外のことに集中するようにしましょう。
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「時間くすり」を信じる
「時間くすり」つまり「時間の経過」がどんな傷も癒してくれます。この薬は即効性はありませんが、確実に傷を癒します。
コーピングを利用しながら「時間くすり」が効いてくるのを待ちましょう。「トラウマ」に悩まされているときは、本当につらい日々ですが、どんな状況も永遠には続きません。
PTSDによるつらい症状を軽減する方法
「トラウマ」によるPTSDが長く続く場合には、やはり専門家の助けを借りましょう。精神内科やカウンセリングルームを訪れて、こころの専門家に相談することをお勧めします。
精神内科などの医療機関に行くことは、恥ずかしいことでも他人にどうこう言われることでもありません。自分の困っていることを全て打ち明けるつもりで受診しましょう。
身体的な症状の原因になっている「トラウマ」についても専門的視点からじっくり診ていただくとして、当面の体調不良については、薬による治療などで症状を軽減することが期待できます。
次の職場で気をつけたいこと
「トラウマ」で転職を考えているかもしれません。もう二度と「トラウマ」になるような事は避けたいですね。そのためにはどうすればよいのでしょうか。
オンとオフを使い分ける
残業時間が少ない、会社行事で拘束されないなど、オフの時間が充実できるような仕事を探しましょう。
「トラウマ」に悩まされそうになっても、オフの時間を利用して回避することが期待できます。オフの楽しい時間のために、と思えば仕事もモチベーションがあがります。「トラウマ」を強く意識せずに働くことができます。
真面目「過ぎ」ない
真面目「過ぎる」人は失敗したときに必要以上に自分を責めてしまいます。他人に迷惑をかけた自分が許せないからです。自分を傷つけてしまわないように「失敗」に対する考えを変えてみましょう。
誰でもミスはするもの。ミスはその後の対処によっては成功へのチャンスに変わるものです。時には他人を頼るなど肩の力を抜いたりして、真面目「過ぎ」ないようにしましょう。
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自分には「トラウマ」があると思うと、自分に自信が持てなくなってしまいます。何も知らない周りには、オドオドして頼りない人にしか見えません。
「トラウマ」を隠していることで、周りに理解されずにかえって冷たい視線をあびることもあります。一緒に働く仲間にはそれとなくこういう「トラウマ」があると知っていてもらうことも必要なことです。辛いときには支えとなってくれるかもしれません。
もしかしたら「トラウマ」を抱えている人は周りにたくさんいるのかも。思いがけず同じような悩みを抱えながら辛い思いをしている人と気持ちを共有できるかも知れません。
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顧客からのクレームが「トラウマ」になっている場合には、次は、クレーム対応の少ない職種を選ぶようにしましょう。性格的に職場でのおしゃべりが苦手な人もいますね。人と関わらない仕事に就けばそういうことからは解放されます。黙々と自分の仕事をする、そういう職種を選びましょう。
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「トラウマ」を感じるのは、あなたの心が弱いからではありません。
必ず「トラウマ」に影響されない日は来ます。あなたの苦しみを理解してくれる人もいます。
「トラウマで働けない」というとても辛い状況が一刻も早く改善されることを祈ります。
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