「書き出す」ことはストレス対処に最適!感情や考えをありのままに書き出すことで、物事がハッキリと見え、解決に向かいやすくなるのです。
しかし、慣れていないと「何を書き出すと良いの?」と悩む人も多いはず。今回はそんな人に向けて「書き出すことの重要性」「書き出す方法」「効果が高まる方法」を紹介していきます。
さあ、紙とペンを準備して一緒にストレスに対処していきましょう!
目次
書き出すことの重要性
紙に書き出すことは、精神的に良い影響をもたらします。なんと、メリットはこんなにたくさん!
・問題の整理ができる
・物事がハッキリ見えるようになる
・自分の反応や考えと向き合える
・解決策が見つかる
・他人の視点になれる
・異なる価値観を受け入れる余裕が生まれる
・ストレス対処法が身につく
書き出す前は「もやもや」「不安」「イライラ」など、感情をコントロールできず悩んでいても、その気持ちを書いていくうちに考えを深められます。
「なんで私はこんな気持ちになっているんだろう」
「どうすれば良かったんだろう」
「なんであの人はあんなことを言ったんだろう」
「もしかして、こういう気持ちで言ったのかもしれない」
このように自分と会話していくうちに、いろいろな角度から出来事に向き合えるでしょう。「考える」「書いて吐き出す」の新陳代謝を高めて、ストレスを溜めこむことを防ぎましょう。
書き出す方法
「書き出すといっても、どうすればいいの?」という人向けに、いくつか書き出す方法を紹介します。全て試してみる、気分に合わせて選ぶなどして、やりやすい方法を見つけていきましょう。
感情を書きなぐる
思いのままに、「頭に浮かんでいること」「感じていること」を書き出しましょう。嫌な気持ちでも、頭の中から取り出すことで、「ずっと頭から離れない」という負のループを断ち切れます。
また、心配や不安を書き出すことで客観視ができ、事実なのか心配しすぎなのかを判断できるのです。常に不安と戦っている人にはぴったり。
「こんなまとまりのない気持ちを書けない」
そう思っても大丈夫。この紙はあなただけしか見ていません。相談しづらい気持ちこそ、書き出すのにうってつけです。
物語風に書く
感情や考えていることを物語風に書いてみましょう。そのように「誰が何を言ったか」「自分はどう思ったか」を詳細に書くことで、客観的に分析できます。
表現力もあがり、自分の考えを上手に表現できるようになるかもしれません。
反省点を書く
「~しなければよかった」
「~すればよかった」
このような“たられば”は「考えたくない」と思うほど頭に残りますよね。しかし他人に相談しても、「たられば話は良くないよ」と言われるだけ。そんな時は全て書いて発散しましょう。
素直に書くことでしっかりと反省点を見つめ、自分の中で区切りをつけられます。良い改善策が見つかるでしょう。
過去の出来事は変えられなくても、「その出来事は自分にとってどんな意味を持つか」は永遠に変えられるもの。「たられば」に向き合って、次に繋げていきましょう。
次にやりたいことを書く
感情を書き出した後に、次にどんなことをしたいかを書き出しましょう。好奇心が高まるきっかけになり、明日も頑張る活力が生まれます。
「朝早く起きたい」「明日のお昼に韓国料理を食べたい」など、小さいことでもかまいません。自信をなくしていても、「私はこんなにたくさんやりたいことがあるんだ」と勇気が出るでしょう。
現状と理想状態を書く
具体的に何をすれば良いかわからずモヤモヤしている場合、「現状」と「理想」を書いてみましょう。「本当はどうあってほしいのか」「今何が足りていないのか」が明確になり、改善策が浮かびやすくなるでしょう。
また、ハッキリとゴールが見えていると、改善できる希望も生まれます。理想に向かって行動することで、不安も消えるでしょう。
アイデアを書き出す
頭に浮かぶアイデアを書き出すことで、実現に向けて動き出しましょう。
その際、「上司に却下されそう」「自分はできない」「会社の方針と違いすぎる」などと考える必要はありません。まずはなんでも書き出すことが大事です。
可視化することで、「もっとこうした方が良いかも」「これと繋げられそう」と広がっていき、現状突破する素敵なアイデアが生まれるかもしれません。
創造性を発揮していきましょう。
感謝を書き出す
その日「ありがとう」と言ったことを書き出しましょう。「自分は1人で生きているわけではない」と感じ、自信を持てるようになるでしょう。
・「ありがとう」と言われる回数を増やしていく
・直接「ありがとう」とメールなどで伝える
加えて、このようなことを行っても良いですね。「ありがとう」は幸福度が上がったり人間関係構築のきっかけにもなったりと、さまざまな効果があります。
その日にあったチャンスを書き出す
その日にあったチャンスと、そのチャンスに「どんな価値や可能性があるのか」を書き出すことで、日々成長できます。
・うまく電話対応できなかった。これを機にあの先輩にコツを聞いてみよう。
・近所の八百屋さんの野菜が美味しかった。これからも買いに行こう。
・初めてドキュメンタリーを見たけど、さまざまな人の考え方を知れておもしろい。
このように、自分が何かを感じ取ったきっかけが全て「チャンス」。「今はこのチャンスを活かすことに集中しよう」と前向きになれるでしょう。
参考:PRESIDENT WOMAN 人生最大の危機を救った「手書きノート術」
書き出す効果が高まる方法
最初に紹介した「書き出すメリット」をより感じるためには、5つのコツがあります。そのコツも意識しながら行い、より効果を高めていきましょう。
ビリビリに破く
「イライラ」「不安」など感情を書き出したら、思い切ってビリビリに破いてしまいましょう。もやもやした気持ちを吹っ切れます。
当たり前ですが、イライラを他人に押し付けるとトラブルを呼んでしまいます。そうしないためにも紙に気持ちをぶつけて、ストレスに対処していきましょう。
行動に移したことに線を引く
「やりたいこと」「反省点」などを書き出し、実際に行動したものには線を引いていきましょう。自分の成長や達成感を味わえます。
だんだんと線を引くのが楽しくなり、「次はなにをしようかな」とうきうきするでしょう。
読み返す
「ビリビリに破くと良い」と前述しましたが、破かずにとっておくことで後々振り返ることができます。「あんなことで悩んでいたんだ」「もうすっかり乗り越えられた」と、今の悩みに対して気が楽になるでしょう。
また、自分が経験してきたことなので、どんな自己啓発本よりも励まされるはず。自分らしい解決策も見つかりやすいでしょう。
日記をつける
日記として毎日書き出す時間を作りましょう。必ず時間をとることで、自分では気づいていない心の声を聞くきっかけになります。
日によっては「目を背けたい」と思う時もあるでしょう。そんな時ほど紙に素直に書き出すことで現実と向き合い、「本当は何に悩んでいるのか」「今やるべきこと」が見えてきます。
心理療法を受けている外来患者を対象におこなった2008年の研究によると感じたことを書く課題を与えられた患者は、感情とは無関係のことを書く課題を与えられた患者に比べて、不安や抑うつ症状が大幅に軽減されました。
引用:ブレット・ブルーメンソール 1週間に1つずつ。毎日の暮らしが輝く52の習慣
このように実験結果で証明されているほど、日記の効果は絶大。まずは1日5分から始めてみましょう。
否定しない
気持ちを書き出していると、自己嫌悪に陥る時もあります。そんな時は「こんなことを思ってはダメだ」と否定するのではなく、「今、自分のことが嫌いだ」と書きましょう。
そこからさらに「なぜ嫌いなんだ」「今どんな気持ちか」など深掘りすることで、自分の新たな一面を発見できます。一歩外に立つので、必要以上に自分を攻撃することもなくなるでしょう。
悩みが深い順に並べる
何かを解決したい時、不満や悩みを大きい順に並べることで、自分が一番解決したいものがわかります。
・仕事を辞めたい
・あの人のことを好きではない
このような時に並べることで、「転職先選びで重視すること」「人間関係で何が一番堪えられないのか」などがわかるのです。
感情的に決断するより前にこのような時間をとり、冷静に判断しましょう。
自分で変えられる/変えられないにわける
自分で変えられないものにずっと悩んでしまうことはありませんか?
・他人
・生理反応(頭が痛い、汗をかく、眠い、など)
・どう感じるか
・過去の出来事
これらのことを変えようと奮闘するとうまくいかず、かえってストレスが溜まってしまいます。
書き出した悩みの中から「自分で変えられる」「変えられない」にわけて、「変えられること」のみに集中しましょう。そうすることで変化が起きやすくなり、「自分はやればできるんだ」と自己肯定感も上がっていくでしょう。
どんな時に書き出すと良いのか
以下のような悩みがある時に書き出すと、解決しやすくなるでしょう。
・人には相談しづらい
・気づいたらストレスを溜めこんでしまう
・心が折れてしまった
・仕事を辞めたい
・人間関係で悩んでいる
・全てがうまくいかない
・自信がない
・現実を受け入れられない
・将来が不安
このように自分の中で答えが見つからない、モヤモヤとした悩みがあるときに効果を発揮するといえるでしょう。
自分の感情や考え方と向き合うことで、物事がハッキリ見えるようになってくるのです。