オフィスに出勤せず、自由な時間に自由な場所で働く「リモートワーク」。
働き方改革の推進により、最近よく耳にするようになった言葉です。特に育児と仕事の両立を視野に入れている人にとっては注目度が高いでしょう。
企業としては、優秀な人材が結婚や出産、介護などを理由に離職してしまうのを防ぐ効果が期待できます。働く側としても、子育てや家族との時間を楽しみながら仕事ができるというメリットがあるのです。
この記事では、リモートワークとはどのような働き方なのか、そのメリットとデメリットを合わせてご紹介します。
目次
リモートワークとは
「リモートワーク」とは、勤務先のオフィスに出社せず、オフィスとは離れた場所で働くこと。
自宅を勤務場所とするケースのほか、コワーキングスペースやカフェなど自宅以外の場所で仕事することも含まれます。
現場に出向く必要がなく、PCとインターネットさえあればできる仕事なら、リモートワークが可能です。また、離れて働いていても成果が分かりやすいことも、リモートワークに向いている業種の特徴のひとつでしょう。
リモートワークに向いている業種
・プログラマー
・システムエンジニア
・デザイナー
・ライター
・マーケター
・翻訳者
・編集・校正者
リモートワークのメリット
リモートワークで働くことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
業務生産性が向上する
リモートワークの最大のメリットは業務生産性のアップ。リモートワーカーの中には会社から距離を置くことで、業務に集中できると感じる人が多いのです。
例えばオフィス内のように、周囲の人から話しかけられることはないため、集中しているタイミングを逃さず仕事できます。
「オフィスにいると話しかけられて、ついつい仕事が進まない」と悩む人は、溜まったタスクに集中したい日をリモートで行うと良いかもしれません。
人間関係のストレスから解放される
オフィスに出勤すれば、当然気の合わない人もいるでしょう。仕事上蔑ろにすることもできず、話を合わせることもストレスになってしまうかもしれません。
リモートワークでは、他の社員との交流は必要最低限にとどめられるため、人間関係でのストレスは激減します。
今までは出勤しているついでに誘われていた飲み会にも誘われることもなく、仕事以外の時間は好きなように自分のために使うことができるでしょう。
通勤時間が減少する
通勤時間が減少することもリモートワークの大きなメリットです。自宅を職場とすれば通勤時間は当然0分。
通勤時間が長いとストレスになるという調査結果もあります。リモートワークはそういった社員の健康にも役立つ働き方とも言えるのです。
中には、約1時間の通勤時間を利用して読書や自己啓発の勉強などをしている人もいますね。しかし乗り換えで何度も中断されるため、集中することは難しいのが現状でしょう。
その点リモートワークでは中断されることはないので、同じ1時間でも仕事に集中して使うことができます。
(参考:不動産ジャパン首都圏オフィスへの通勤時間は平均49分、通勤ストレスが低いほど仕事満足度が高い傾向)
また、満員電車を避けられるのも大きなメリット。仕事へ体力を温存できます。
さまざまな費用が減少する
リモートワークにすれば、まず通勤にかかる交通費を大幅にカットできます。同僚とオフィス近くのカフェでランチをする機会も減り、付き合いだけの飲み会も行かずに済むため、食事代も大幅に削減。
さらに、洋服や化粧品など身なりを整えるコストも毎日オフィスに出社するよりは抑えることができます。
体への負担が少ない
出産前後の勤務形態としてリモートワークを選択した場合、自分の身体の状態に合わせて仕事ができることは、非常に大きなメリットです。
出産を控えた妊婦の間、体調は日々変化します。お腹が張って長い時間同じ体勢で過ごすことが難しい日もあるでしょう。
自宅で仕事をしていれば、体調に合わせて時間を工夫し無理なく働くことができます。好きな体勢で休めることはとても嬉しいものです。
また、出産後の体調もまだ不安定ですよね。さらに赤ちゃんの授乳の時間はばらばら、赤ちゃんの機嫌もまちまち。様子を見ながら仕事をできるのは、育児をする上ではとても良い環境でしょう。
合間に家事をできる
「今日も残業で洗濯する時間がない…」
「家に帰ったら溜まった皿洗いをしなければ」
そんなストレスを抱える人も多いでしょう。リモートワークなら、息抜きがてら家事をできます。今までストレスだった家事が、良い気分転換になるでしょう。
仕事から離れてリラックスすることで、アイデアを思いつくこともあります。仕事もはかどり、家も綺麗になり、一石二鳥です。
【間違った息抜きしてませんか?】仕事での息抜きの重要性と正しい息抜きの方法
宅配便を受け取れる
家でリモートワークを行う場合、平日でも宅配便を受け取れます。
「休日は出かけている」
「夜も遅くまで仕事なので、平日は受け取れない」
「宅配ボックスがない」
このような悩みがあり、なかなか宅配便を頼めない人も多いのではないでしょうか。買い物に出かけなくてはいけなくなり、時間がとられてしまいますよね。
リモートワークなら再配達の必要もないため、配送業者の負担も減らせるかもしれません。
文章力を鍛えられる
リモートでのコミュニケーションはチャットやメールが主になります。オフィスのようにすぐに話しかけに行くことはできないため、誤解がない文章を書く必要があるのです。
・読みづらくないか
・文章のみで理解できるか
・足りない情報はないか
このように考えながら文章を書くことで、わかりやすい文章が書けるようになるでしょう。対面で話す時にも、その工夫は活かされます。
好きなファッションで働ける
取引先との会議がない場合、好きなヘアメイク・ファッションで働けます。
・外では勇気がいる服を着てみる
・ずっと使っていないコスメを試す
このように、自分好みのファッションで仕事をしてみましょう。テンションが上がり、仕事もはかどるかもしれません。
新しい自分の魅力も発見できて、自分磨きにもなりますね。
リモートワークのデメリット
メリットばかりに思えるリモートワークにも、デメリットがあります。人によっては働きづらく感じることもあるため、事前にチェックしておきましょう。
勤務時間の自己管理が難しい
仕事のオンオフを自分で管理しないと、かえって生産性を下げてしまうことがリモートワークのデメリットの1つです。
オフィス勤務では出社・退社時間が決まっていますが、リモートワークはいつ仕事をしても良いので、メリハリがつきません。だらだらと集中できず8時間経ってしまった、などということもあるかもしれません。逆に没頭し過ぎてしまうこともあります。
人の集中は何時間も持続しないため、休憩を入れずに没頭すると成果はあがらないのです。
自分なりにスケジュールを作って、一日にメリハリをつけましょう。勤務時間のほかに、運動する時間や自己啓発の時間などを含め、一日のルーティンを決めると良いですね。タイムマネジメントのアプリなどを使うことも有効です。
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リモートワークでは、業務に関することはテレビ会議やチャットを使うので、対面でのコミュニケーションはほとんどなくなります。
直接会って話さないと気持ちが伝わらないと感じる人は、リモートワークでは不安が残るかもしれません。
しかし直接話をするよりも誤解されないようにするため、内容を正確にかつシンプルにするスキルも身につくという利点もあります。
テレビ会議やチャットによるコミュニケーションも、頻度や使い方次第で気持ちや言いたいことは十分伝わるのです。また今までは億劫だった出勤も、リモートワークをすることで出社日が待ち遠しくなるかもしれません。
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出社する必要のないリモートワークでは、食生活の乱れや運動不足が懸念されます。
出勤の際の徒歩・電車移動やオフィス内を歩き回ることもなくなり、好きな時間に好きなだけ食べられるようになるのです。
運動不足を防ぐため、休憩時間に散歩に出かけて運動不足を解消しましょう。リモートワークなら、他の社員の目を気にせず外出することができます。バランスボールに座ったりスタンディングスタイルで仕事するのもおすすめです。
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リモートワークを始める時には、デスクや椅子など自宅に集中できる環境を整える必要があります。さらに、家族やペットに共通理解を促すことも大切です。
・家族と話し合う
・仕事スペースを用意する
・ベッドの上に本を並べる
このようにして、メリハリをつけられるようにしましょう。
自宅で集中できる環境を作るのは難しいと感じる人は、コワーキングスペースやカフェの利用がおすすめです。
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リモートワークでは連絡はメールやチャットなどオンラインで行うので、文字で伝える力・読み取る力が必要になります。
対面では表情でニュアンスが伝わりますが、オンラインでは雰囲気がないため誤解が生じる可能性があるのです。小さな誤解が大きなミスに発展するかもしれません。接続詞や指示語の誤字脱字だけでもミスにつながることもあります。
正確に文字で伝えるためには丁寧に説明することが大切です。さらに箇条書きや【】などの強調も使って、わかりやすくしましょう。
また、少しでも疑問に思ったことはすぐに聞くことも大事です。リモートワークでも電話やオンライン会議はできるので、混乱した時にはそれらを利用するようにしましょう。言葉の行き違いなどは直接話すことで解消されるかもしれません。
関連仕事のコミュニケーションが苦手な人に!最低限必要なたった”3つ”のこと気分転換が難しい
リモートワークを続けていると、不便だと思っていた通勤時間も良い切り替えになっていたと気付くでしょう。
家がそのまま仕事場になり、移動する必要もないので気分転換が難しくなります。特にワンルームに住んでいる人は、仕事が終わっても気が張り詰めてしまったり、反対に仕事中でもだらけてしまったりするかもしれません。
・仕事専用の場所を作る
・休憩時間は散歩に出かける
・始業前、退勤後のルーティンを作る
このようにルールを作って、メリハリをつけられるようにしましょう。
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リモートワーク可能な職種は全てといっていいほど、ネットが必須です。通信環境が悪くなると、会議や資料作成などほとんどの仕事が進まなくなってしまいます。
・マンションのWiFiは使わない
・新しいルーターかどうかチェックする
このような対策を行い、トラブルなく仕事を進められるようにしましょう。
緊急時に連絡がつかない時がある
オフィスでトラブルが起こった場合、外出しているのでもない限り担当者の席に行けば伝えられます。担当者が異なる場合でも、すぐに近くの人が「その担当は私です」と声をかけてくれるでしょう。
しかし、リモートではこのようにスムーズにいきません。
・担当者がなんらかの理由でパソコンから離れていて、連絡がつかない
・誰に連絡すればいいかわからず、たらいまわしにされる
・返信を待つ時間がかかる
このように、対面ではなかった余計な時間がかかってしまうのです。
業務ごとの担当者や部署ごとの緊急連絡先を明確にしておき、報連相がスムーズに行えるよう対策をしましょう。
常に画面と向き合ってしまう
・通勤時間に外を眺める
・上司/同僚と直接話す
これらの時間がなくなる、または全てオンラインに切り替えられるため、リモートワークでは圧倒的にパソコンに向かう時間が長くなります。
休憩時間や仕事終わりについついスマホをいじってしまう人もいるでしょう。ブルーライトは睡眠の質低下を招くため、スマホの見過ぎは危険です。
・お昼休憩時、寝る3時間前はパソコン/スマホに触れない
・意識的に遠くを見る時間をとる
このような工夫をして、デジタルと距離をとる時間を作りましょう。
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リモートワークに役立つツールをご紹介します。
チャットツール
所属する企業との連絡、あるいはリモートワーカー同士を結ぶコミュニケーションツールとしてチャットツールは欠かせません。
電話のようなクローズドなやり取りをオープン化することで、他の人にも情報共有できるメリットがあります。チャットにより、リモートでは特に感じる孤独を解消できると感じる人もいるでしょう。
【おすすめツール】
グループウェア
メールやスケジュール、ファイル共有など日々の業務で使用する機能をまとめたツール。
離れていても、情報を共有できるので共同で作業するためには必須のツールと言えるでしょう。
【おすすめウェア】
Web会議システム
リモートワークにおいても、時には会議が必要になるときもあります。そのときにはWeb会議システムが役に立ちます。
自宅で参加するとき、映り込んでしまう自宅の背景が気になる場合には、壁にオフィスの画像などを張ることでオフィス感を出すことができます。
【おすすめシステム】
・Zoom
コワーキングスペース
自宅ではどうしても集中できる場所が確保できない場合には、コワーキングスペースを利用するという方法があります。
リモートワークできるスペースを他人と共有するサービスで、ネット環境やプリンターなど、リモートワークを行うのに必要な設備が整っています。
自宅をオフィスとしたくない人にピッタリの場所です。家賃や光熱費を低く抑えられるメリットもあります。
タイムマネジメントツール
時間管理が苦手な人にはタイムマネジメントのツールも役に立ちます。クリックすることで仕事の開始と終了を記録でき、自分の仕事に費やした時間も明らかにすることができます。
仕事と生活の境界線をはっきりさせる効果も期待できます。
【おすすめツール】
リモートワーク中に気を付けたいサイン
リモートワークに慣れていないうちは、環境の変化により働きづらさを感じることもあります。以下のサインが出てきたら、要注意です。
・出勤ギリギリに起きるようになった
・身なりが適当になってきた
・ルーティン業務をこなしているだけになってきた
・部屋が汚くなってきた
家がそのまま職場になるため、生活の乱れが仕事での成果に直結します。
・出勤前に最低限やることを決め、頭を起こす
・いつオンライン会議が入っても良いように身なりを整える
・積極的にインプット/アウトプットを行う
・定期的に掃除の時間を作る
例えばこのような工夫をして、規則正しい生活を送りましょう。
まとめ
リモートワークは、状況が変わっても仕事を続けられる選択肢の1つです。
PC環境を整える、周囲の理解を得るなど準備も必要になりますが、メリットを多くの人が感じています。導入する企業も増える可能性はあります。
働き方の1つとして考えてみてはどうでしょうか。
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