仕事中のミスが絶えないのは、「思い込み」が原因かもしれません。思い込みとは、”事実”を確認せず、受け取った情報を”自己流に解釈”してしまうこと。
誰もが陥ってしまう思い込みが厄介なのは、無意識の習慣となっているため「気づきにくい」点。直すためには、普段の行動を分析し、”自分の思い込み癖”を見つけなければいけません。
そこで今回は、仕事中、特に”生まれやすく、改善がしやすい”2種類の思い込みを解説します。さらに、思い込みが生まれてしまうときの「感情」と、その際に試せる「対処法」も紹介していきます。
本記事を読んでほしい人
- 仕事で同じミスを続けてしまう人
- 「仕事の遅さ」を指摘される人
- 仕事の優先順位付けが苦手な人
本記事のポイント
- 「期待値」「優先順位」を”事実”で確かめよう
- 「チェックリスト」「適切な休息」を習慣にしよう
- 「周りのアドバイス」から学ぶ姿勢を持とう
目次
仕事のミスを引き起こす「2大思い込み癖」
思い込みで決めつけてしまうことが多いのは、任された仕事の「優先順位」と「期待値」です。
優先順位:
どの仕事を優先的に終わらせるべきか?
どの仕事を後回しにするべきか?
期待値:
どれくらいの完成度で最終提出するべきか?
どれくらいの完成度で一度FBをもらうべきか?
この二つを、思い込みではなく「事実」で理解すること。それこそが、仕事のミスを減らす方法になります。順に解説していきます。
「優先順位」の思い込みで起こる仕事上のミス
思い込みだけで優先順位を決め、仕事を進めていると、上司からこんな指摘を受けるかもしれません。
「なんで今それやってるの?こっちが先に決まってるでしょ」
「ちょっとちょっと!この前頼んだ仕事はもう終わってるの?」
なぜ事実を確認せず、優先順位を決めつけてしまうのでしょうか。思い込みによる原因4パターンは以下の通りです。
①経験則だけで、優先順位を決めつけてしまう
ex)
「議事録の整理&コピーか、先週も任されたな。前回は1週間後提出で問題なかったし、来週明けのスキマ時間にでもやろうかな…。一旦置いておこう。」
②頼まれた順に、優先順位を決めてしまう
ex)
「いきなり呼び出されたと思ったら、大量の資料整理か…。あとからやるの面倒だし、先に終わらしちゃおう。」
③頼まれた相手の権力で、優先順位を決めてしまう
ex)
「みんな怯える”あのKさん”にパワポ作成任された…。少しでも早く終わらせないと…怒られたくないし。最優先で終わらせよ!」
④頼まれた相手の機嫌で、優先順位を決めてしまう
ex)
「Cさん、なんか不機嫌だったな…。営業リストづくり頼まれたけど…、早く済ませちゃわないと怒られそうだ。ひぃぃ。」
思い込みで仕事順を決めてしまっているときの気持ちを挙げてみました。ご自身が当てはまる状況はありましたか?それでは、さっそく、対処法を紹介していきます。
「優先順位」の思い込みミスを防ぐ対策は、”すぐ”上司に尋ねること
「優先順位」の思い込みミスをなくすためには、上司に優先順位を尋ねましょう。ベストタイミングは、仕事を頼まれた瞬間。
勝手な思い込みで、大事な仕事を後回しにしてしまうと、
「なんで最初に確認しなかったんだ!」
と、指摘を受ける可能性が高いからです。
優先順位を尋ねるときの文言例も紹介します。
「資料作成ですね、かしこまりました!一点確認したいのですが、いま昨日任された「営業リスト作成」よりも優先して終わらせるべきでしょうか?」
「だとしたら、期限はいつ頃でしょうか?」
シンプルに尋ねましょう。またその際に注意したいのは「曖昧な答え」で終わらせないこと。
「来週明けかな。」
「今週末までにはできるでしょ。」
「だいたい月末までに終わらせれば良いから。」
こういった回答をもらったら、明確な答えをもらうための返事をしましょう。
「かしこまりました。それでしたら、○○日(○曜日)午前中までの提出でよろしいでしょうか?」
目星をつけ、具体的な日付を提案できれば、スムーズにやり取りを終えられるはずです。
しかし、期限を尋ねるときは、上司から思わぬ返答をもらうケースもあります。
「そんなこともわからないのか!自分で考えろ!」
判断力・決断力の不足を指摘してくるパターンです。これは、上司が経験則だけで優先順位に「当たり前」を持ってしまっている(これは上司の思い込み)と、頻繁に起こり得ます。
上司が優先順位を教えてくれない状況では、どうやって優先順位を決めればよいのでしょうか?答えは、それでも「躊躇せず期限を聞くこと」です。
・正直に自分で決められない点を伝える
・優先順位のつけ方を尋ねる
自分で順番を決められないならば、「決められる状態」を目指すのが最優先。そのためには、決められない自分を受け入れ、経験豊富な上司から「優先順位のつけ方」を教えてもらうのが早いでしょう。
「期待値」の思い込みで起こる仕事上のミス
思い込みで「期待値」を決めつけてしまうミスもあります。ここでの「思い込み」は以下を意味します。
期待値の思い込みミス:
相手が期待している「提出時の完成度」以上のモノを目指し、時間・手間をかけすぎてしまうこと
期待値以上のものを求めてしまうと時間がかかります。当然、「仕事のスピードが遅い」と指摘されてしまうことも。100点を目指してしまう”完璧主義”の傾向がある人は要注意です。
「期待値」の思い込みミスを防ぐために必要な”心掛け”
思い込みで「期待値」(求められる完成度)を決めつけないために、心掛けたいことは2つ。
「頼んだ相手は、1回目から完璧な成果を求めていない」
「頼んだ相手は、できるだけ早くFBをしたい」
早くFBを出したいのは、求める成果にできるだけ早く近づくための「軌道修正」ができるから。遠回りで時間をかけさせることなく、ゴールにつながる近道を示したいのです。
上司は、”スピードが早ければ早いほど助かる”、ということを覚えておきましょう。
また提出時には、 最初から自信満々に提出するのではなく、以下のように伝えるのがおすすめ。
「現段階で一度FBを頂きたいのですが、お時間頂けますでしょうか?」
「FBをもらいたい」旨を添えて尋ねると、スムーズなやり取りができるはずです。
最後に心掛けてほしいことがあります。FBをもらうことは失敗ではありません。”自分が成長するためのチャンス“です。「評価される」ではなく「成長につながる情報提供」だと認識しておきましょう。
「思い込み」解消に役立つ習慣3個
他にも、思い込みが原因で起こるミスを防ぐための3つの習慣を紹介します。
チェックリスト作成
仕事忘れ防止用ではなく、「優先順位」「期待値」を確かめるための質問チェックリストが効果的です。
具体的には、以下の質問を紙(付箋、メモ用紙)に書き、目に入る場所に貼っておきましょう。
優先順位は間違っていない?
期限は?
時間をかけすぎていない?
どのタイミングで早めのFBをもらうべき?
仕事を任される度に上記の質問を見直し、「思い込みが生まれていないかどうか」をチェックすること。
習慣にすれば、「優先順位」「期待値」の思い込みに即気づき、即対処できるはずです。
周りからアドバイスもらう
周りから素直に学べる「教わり上手」な人は、自分の解釈だけを頼りません。思い込みだけで動かないのです。周りのアドバイスを受け入れ、自分の考えを見直し、修正する。このプロセスが「思い込み」を取っ払います。
教わる際に注意したいのは、理解できるまで尋ね切ること。
曖昧な理解であるにもかかわらず、納得した雰囲気を出してしまうこともあるでしょう。しかし、それだと結果、何も得られません。思い込みは持ったまま。「なるほどね!」と腹落ちできるまで尋ねましょう。
適度な休憩を取り、冷静な自分を保つ
思い込みは「焦り・不安」から生まれやすいので、冷静で客観的な視点を保つのがポイント。適度な休憩を取りましょう。
「やばい、仕事が多すぎて全然終わらない!!ああどうしよう!!資料づくりは後回しでいい、パワポづくりからやろ!!あれっ営業リストが先??忘れた…どうしよう!もういいや、先にできそうなのからやろ!!」
仕事に溢れると、このような心情に陥りがちです。焦りすぎは禁物。冷静でない自分に気づいたら、一旦深呼吸をしましょう。付箋に「深呼吸」と書き、いつでも見える場所に貼っておくのも有効です。
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本記事のポイント
- 「期待値」「優先順位」を”事実”で確かめよう
- 「チェックリスト」「適切な休息」を習慣にしよう
- 「周りのアドバイス」をもらう姿勢が大切