「伝えたいことが相手に上手く伝えられない」
「何が言いたいの?とまた聞かれてしまった、、、」
そんな人は、「要約力」が足りていないのかもしれません。
要約力とは、自分が話したい内容や相手から聞き出した内容の本質を瞬時に掴み、“明確に”“簡潔に”まとめる能力のことを言います。
この「要約力」が身に着いていないと、特にビジネスにおいては不利になる可能性大。顧客とのコミュニケーションやビジネス書類の書き方も要約力ひとつで変わってきます。
そこで今回は要約のやり方やポイント、要約力の鍛え方をご紹介。要約力を身につけ、ビジネスの場で活かしていきましょう。
目次
ビジネスで要約力が役に立つ場面
ビジネスで重要となる要約力。実際に、どのような場面で要約力が役立つのでしょうか。要約力が活きるビジネスシーンの例をご紹介します。
顧客や上司から説明を求められたとき
ビジネスの場では、顧客や上司から説明を求められることは日常茶飯事。
そこで、相手が求めている答えをすばやく頭の中でまとめ的確に答えられる人と、要点のつかめない説明を長々してしまう人とでは、印象が大きく異なります。
上手く要約して伝えられるだけでも、「この人はわかっている」と信頼を得られるはず。時間もムダにすることなく仕事の効率化にもつながります。
相手の説明を聞くとき
要約力は、聞く立場になったときにも重要です。例えばプレゼンなどで相手の説明を聞いているとき、その内容をすばやく理解し要点を掴まなければ、説明についていけなくなってしまいます。
要約力がある人は話の内容を自分の中で要約し、瞬時に重要なポイントを掴めるため、理解も早いのです。この時点で、要約力がある人とない人で大きく差がついてしまうでしょう。
就職・転職活動のとき
就職や転職のときに作成する職務経歴書は冒頭に職務要約をおくのが一般的。この職務要約が上手くできているかどうかが合否に影響することも。
多忙な採用担当者の中には、この職務要約だけさらっと目を通し、「あり」「なし」を判断する人も少なくないのです。
自分のアピールしたいスキルや経験、「御社が求める人材に近いですよ」ということを、魅力的に要約して記載できれば採用者の目にも留まりやすいでしょう。
また時間が限られた面接の場でも、要約力を活用しどれだけ短時間で自分の長所・能力をアピールできるかが胆になります。
要約のやり方
要約のやり方もさまざまありますが、以下のステップで進めてみるとまとめやすくなります。ビジネス書類や職務要約もこのステップを踏めば書き方が掴めてくるでしょう。
Step1:全体像を把握する
上手に要約するためにも、自分が伝えたい内容の全体像を把握することが大切。文章にしてみると全体像が見えてきやすいので、まずは思う通りのこと・伝えたいことを、要約を気にせず一度文章に書きだしてみましょう。
Step2:全体の中の重要なポイントをピックアップする
全体像が見えたら、重点的に伝えたい部分をピックアップし、その部分を色付けして見やすくします。ピックアップする際は、以下の5W1Hを重要視しましょう。
「When:いつ」
「Where:どこで」
「Who:だれが」
「What:何を」
「Why:なぜ」
「How:どのように」
このとき何のために伝えるのかを考えると、ピックアップすべきポイントも見えてきやすいでしょう。必要であれば「誰に対して」「どのくらいかけて」も加えてピックアップします。
Step3:短い文章で整える
続いて、色付けした重要ポイントを残しながら、短い文章で整えていきます。重複している部分や具体例などはここで省いていきましょう。
要約するときのポイント
要約の手順は掴めたでしょうか。次により上手く効率的に要約するためのコツを紹介します。
どこに着地したいのかをはっきりさせる
「結局何が言いたいのか」という着地点を明確にしましょう。着地点が明確でないと、余分な文章を省いていく際にどの部分を省くべきか判断しにくくなります。結果、ムダに長い文章になってしまうことに。
また、自身で着地点を理解していないと内容がブレやすく、まとまりのない印象を与えてしまいます。「〇〇ということを伝えるために要約する」と最初に明確にしてから要約を始めましょう。
1つの文章は短くする
文章で伝えるにしろ言葉で伝えるにしろ、一文一文は短くすることを心がけましょう。
「○○な理由は△△なのですが、××だと△△になることはなく、○○という問題はなくなります。」
このような長々とした文章は一文に入っている要素が多すぎて非常にわかりづらくなります。
「〇〇の理由は△△です。ただ、××だと△△にはなりません。なので、○○の問題はなくなります。」
このように、一文を短く区切るだけでも要点が伝わりやすくなるのです。
曖昧な表現は避ける
「~だと思うのですが」「多分~です」といった曖昧な表現は避けましょう。内容がぼやけ、何を伝えたいのかわかりにくくなってしまいます。
不確かなことを伝えるときは、「これは憶測ですが」「あくまで想定ですが」など前置きしましょう。そうすることで要点と区別しやすくなります。
要約力を鍛える方法
ビジネスを効率的に進められる要約力。ぜひとも身に付けたいですよね。要約力は、鍛えて高めることも可能です。日々の中でできる要約力の鍛え方をご紹介します。
5W1Hを意識するクセをつける
要約する際に重要となるのが5W1Hのピックアップ。できるだけ短時間で5W1Hを組み立てられるよう、普段から本を読むときや話すときに5W1Hを意識するクセをつけましょう。
本の要約を紹介する要約アプリや、ドラマや映画などを要約して紹介しているサイト・SNSなどは5W1Hを意識して書かれていることが多いです。参考にしてみると良いでしょう。
新聞や書籍の内容を短くまとめてみる
新聞や書籍の内容を100文字程度でまとめてみましょう。新聞であれば1記事、書籍であれば1冊の内容を短くまとめます。
これをさまざまな本、記事で実践していくことで、シンプルにわかりやすくまとめる練習になります。
書き出さず話して要約する
新聞や書籍の内容を要約し、自分の言葉で話してみるのもよいトレーニングになります。ストップウォッチで計りながらより短い時間で話すことに挑戦してみてもよいでしょう。
頭の中ですばやく要点をまとめるクセがつけば、ビジネスでも臨機応変に対応できます。
まとめ
要約力は、話し手になるときも聞き手になるときも有効な能力。要約のコツを掴んで要約力を身に付けることができれば、ビジネスは一気に効率化できます。
知的な話し方ができるようになるので、印象もアップするでしょう。要約力を鍛えてビジネス&プライベートの充実を目指してみてはいかがでしょうか。