【ラテラルシンキングとは】ラテラルシンキングのコツ・身につけ方・ロジカルシンキングとの違い

ラテラルシンキングとは、前提条件に支配されずに自由に思考を広げ、アイデアや解決策を導き出す思考法のこと。

 

一休さんのとんちのようなものと言えば分かりやすいかもしれません。

 

このラテラルシンキング、ロジカルシンキングと合わせて耳にしたことはあってもよく知らないという人も多いのではないでしょうか。

 

今回はラテラルシンキングについて、詳しく解説していきます。例題やおすすめの本も紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

目次

ラテラルシンキングとは

 

 

ラテラルシンキングとは、固定概念や既存の論理に捉われず物事を考え、新しい発想を生み出す思考法のこと。1960年代エドワード・デボノによって提唱されました。

 

発想を水平方向に広げるイメージから、日本語では水平思考と呼ばれます。

 

ラテラルシンキングが有効なのは、このような時。

 

・斬新でユニークな発想でイノベーションを起こしたい
・既存のものを組み合わせて新しいアイデアを生み出したい

特に技術革新のスピードが早く、グローバル競争も激しさを増し、ビジネスモデルが目まぐるしく変化する現代においてラテラルシンキングは非常に重要。

 

他社と差別化を図るための斬新なアイデアを出すときに、既存の概念にとらわれず考えられる能力は必要不可欠なのです。また、ラテラルシンキングはAIに負けることのない人間の強みとされています。

ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキングとの違いは、思考の展開方法です。

 

ロジカルシンキングは、前提を基に筋道を立てて深く掘り下げて考えていきます。そのため、最終的に導き出される結論は1つ。

 

一方、ラテラルシンキングは自由な発想でさまざまな方向に思考を巡らせ考えます。そのため導き出される結論も複数になる可能性があるのです。

 

ラテラルシンキングとロジカルシンキングは相互補完関係にあり、組み合わせることで思考の幅が広がるので共に身につけられるようにしましょう。

 

【ロジカルシンキングとは】なぜ必要なの?ロジカルシンキングのメリット・注意点・身に着ける方法

ラテラルシンキングの例題

ラテラルシンキングがイメージしやすくなるように、例題を1つ紹介します。

 

3人の子供に7個のリンゴを平等に分けるにはどうしたらいいでしょうか?

ロジカルに考えると、7個のリンゴは3人では割り切れません。そこでこのような方法が思いつくのではないでしょうか。

 

【ロジカルシンキングでの解答例】
①1人2個ずつリンゴを分け、1個を3等分する
②リンゴの重量を計り、3人が同じ重さ分リンゴが貰えるように切り分ける

しかしラテラルシンキングを活用すると、その解答は変わってきます。

 

【ラテラルシンキングでの解答例】
①リンゴをジャムにして、3等分にする
②1人2個ずつリンゴを分け、残りの1個のタネを植えて実ったリンゴを3人でまた分ける

このように「リンゴの形を保つ」や「その場で平等に分ける」などの前提を取り払い、柔軟に考えるのがラテラルシンキングなのです。

ラテラルシンキングのコツ

 

ラテラルシンキングのコツを紹介します。コツを理解して、ラテラルシンキングを上手に活用できるようにしましょう。

前提を疑う

ラテラルシンキングでは、まず前提に疑ってかかる姿勢が大切。そうすることで、これまで見えてこなかった問題の本質や解決へのアプローチ方法が見えてきます。

 

「現状に不満はないか?」

「なぜこうなっているのか?

「どうすればもっと良くなるのか?」

このように現状に疑問を問い直しましょう。そうするだけで新しいアイデアが見えてくるはずです。

思考を巡らせる

ラテラルシンキングで特に重要なのが、固定概念に捉われずさまざまな方向から思考を巡らせること。

 

何か別の物に置き換えたり、他に似ているものを探してみたりあらゆる視点で考えてみましょう。

 

「そんないきなり多角的に見ろって言われても・・・」という人におすすめなのが、オズボーンのチェックリスト

 

オズボーンのチェックリストとは、ブレーンストーミングの考案者であるオズボーンにより発案されたアイデアが浮かばない時に発想の切り口として利用するためのリストのこと。

 

【オズボーンのチェックリスト】
・転用
「他に使い道はないだろうか?」
・応用
「真似できないだろうか?」「似たようなものはないだろうか?」
・変化
「変化・修正できないか?」「もう一工夫できないか?」
・拡大
「何か付け足せないか?」「大きくしたらどうか?」
・縮小
「縮小できないか?」「要らないものはないか?」
・代用
「代用できないか?」「他の材料や手法、場所、人に置き換えれられないだろうか?」
・再調整
「配置変えできないか?」「工程を入れ替えたらどうだろうか?」
・逆転
「工程や役割を逆にしたらどうだろうか?」
・結合
「アイデアや要素を組み合わせたらどうだろうか?」

(参考:オズボーンのチェックリストとは何か? マクドナルドを世界企業にしたアイデア創出法

もし思考が煮詰まった場合は、このリストに1つ1つ当てはめて考えてみましょう。

セレンディピティを大切にする

セレンディピティとは、偶然の幸運をつかみ取る力

 

ラテラルシンキングでは、想定外のラッキーチャンスだけでなく、アクシデントや失敗も新しい発想の切り口として捉えることで新しいアイデアが生まれます。

 

そう捉えられる能力であるセレンディピティが大切なのです。

 

セレンディピティが活用され、大ヒット商品が生まれた事例もあります。

 

【セレンディピティが活用された事例】

・コカ・コーラ
・Twitter
・ポストイット

ラテラルシンキングを身につけたいなら、セレンディピティも意識しましょう。

 

セレンディピティとは?身近な事例から”幸運キャッチ力”の秘訣を伝授【意味・語源】

ラテラルシンキングを身につける方法

 

ラテラルシンキングを身につける方法を紹介します。

 

ラテラルシンキングも、ロジカルシンキング同様に一朝一夕で身につくものではありません。日々の生活に少しずつ取り入れ、定着させていきましょう。

自分の思考の癖を見つける

人は、これまでの経験からなる価値観や固定概念といった人それぞれの枠組みで物事を考える癖があります。そしてラテラルシンキングを行うときは、その枠組みを取り払うことが重要です。

 

そのためにまず、自分の思考の癖を見つけることから始めましょう。自分の思考の癖を把握していないと、違いが分からず多様な視点を取り入れられません。

 

日々、「自分が考える時の癖はなんだろう」と意識するだけで思考の癖は見えてきます。

 

・何に疑問をもつのか
・どんな時に違和感を感じるのか
・どうやって解決方法を見つけ出そうとするのか

このような観点で、日々の自分の思考を客観的に観察してみましょう。紙に書いて可視化すると分かりやすくなるのでおすすめです。

他人の思考の癖を観察する

自分の思考の癖が分かったら、次はさまざま視点を取り入れるために周りの人の会議中の発言やプレゼンでの企画案などをよく観察して、周りの人の思考の癖を見つけましょう。

 

自分とは違う視点を知るために、みんなでラテラルシンキングゲーム(水平思考ゲーム)をやるのもおすすめ。「そんな考え方もあるんだ!」と、さまざまな考え方に気づけます。

 

「なんでその答えにしたのか?」思考の過程もしっかり聞くようにしましょう。ラテラルシンキングゲームの問題集やアプリも出ているのでぜひ活用してみてください。

 

【おすすめの本・アプリ】

 

・問題集『ポール・スローンのウミガメのスープ』
ラテラルシンキングの練習問題が難易度別に載っており、自分のレベルに合わせて練習することができます。

 

 

・アプリ『新説・ウミガメのスープ【水平思考ゲーム】

大人数で楽しみながら、ロジカルシンキングの練習ができるアプリです。(iPhoneのみ)

【観察力を鍛える方法】毎日が充実する近道!周りを見る力を育てよう

いつもと違う視点で物事を考える練習をする

ラテラルシンキングを身につけるには、日々の積み重ねが大切。

 

企画を提案する時や、事業の問題解決する時にラテラルシンキングを取り入れるだけでなく、日常生活の中でも枠にとらわれず自由に思考することを意識しましょう。

 

はじめのうちは「自由に」と言っても難しいので、他の人の考え方を真似することから始めるのがおすすめです。

 

ラテラルシンキングに関する本も複数出版されているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【おすすめの本】

 

・『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』

日本で最もラテラルシンキング(水平思考)の書籍を執筆している木村氏の著書。初心者にも分かりやすくラテラルシンキングが説明されています。

 

 

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