何を話しても話が噛み合わない人と話すとストレスが溜まりますね。自分の発言を意図しない意味に取られ、驚くときもあるでしょう。
話が噛み合わない人とは話したくても、仕事上コミュニケーションを取らないわけにはいかないこともあります。
そこで、話が噛み合わない人の思考について知識を広げてみましょう。なぜ話が噛み合わないかを知ることで対処法が分かり、円滑なコミュニケーションをとることができます。実はあなたにも原因があるかもしれません。
「話が噛み合わない原因・対処法」を知って、明日からのコミュニケーションのヒントにしてみてください。
目次
話が噛み合わない時はお互い歩み寄ろう
もしかしてあなたにも原因があるかも?
思いも寄らない返事をされて戸惑った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。こちらの意図とそぐわない返事を一度ならともかく、何度も繰り返されると次第にイライラ。最後には「話が噛み合わない人だ!」とコミュニケーションをとろうという気が失せてしまうかもしれません。
しかし、話が噛み合わない原因は答える側だけにあるとは言い切れません。相手は話の意図がわからないために、見当違いの答えになってしまっていることも。伝える側の工夫でコミュニケーションは改善されることもあるのです。
他にも話の仕方には個性があります。はっきりとした物言いを好む人もいれば、オブラートに包んだような話し方をする人もいるでしょう。「自分ならこう言うのに、なぜそんな回りくどい表現をするんだろう」と不思議に思っているかもしれません。
違う個性の持ち主と話をしていると、話が伝わりにくい、話が噛み合わないと感じがち。
話が噛み合わない時は、お互いの話し方や人となりへの理解を深め、双方でコミュニケーションの仕方を工夫することが大切です。
話が噛み合わない理由
話が噛み合わなくてイライラ!
なぜ話が噛み合わないのか、その理由を深堀していきましょう。
相手が聞きたいことを理解していない
自分が聞きたい内容を相手が分かっていないと当然話は噛み合いません。例えば上司に「進捗状況」を聞かれたとき「今、頑張ってます」と答えてしまうことはありませんか。
上司が聞きたいのは、「今どのタスクが終わっていて、まだ何ができていないのか」。これではどこまで進んでいるかは伝わってきません。一度くらいなら流せても、何度もこのようなちぐはぐな答えをしていると「話が通じない人だ」と思われても仕方ないでしょう。
仕事上の話は「簡潔」「明瞭」がポイントです。質問された内容に対してはその答えをズバリ返すことが求められるでしょう。例えその答えが望ましくないものだとしても、状況説明で言い訳をするのは後回し。素直に結論を答えましょう。
前提条件にズレがある
話が噛み合わない理由としては、その業務に対する知識量やどこまで全体像を把握しているかなど、話をする前提条件がずれていることもあります。
例えば、上司からの「昨日の打ち合わせ、どうだった?」という質問。取引先の反応を聞いている場合もあれば、打ち合わせの進み具合を聞いている場合もあるでしょう。他にも既に上司には分かっている事実を報告しても「それはわかってる」と言われるだけで話は噛み合いません。
立場が違えばその業務に関して把握している内容が違うのは当たり前のこと。前提条件がずれていることを考え、そのズレを補う説明を加える必要があります。
価値観が異なる
価値観が異なる人と話をする時はなかなか噛み合わないかもしれません。
例えば結婚観が異なる場合。「シングルライフを謳歌することこそ最大の幸せ」と考える人に「結婚して子育てすることの幸せ」を語っても共感してくれることはありません。さらに自分の価値観を押し付けるような発言をしてしまうと、ハラスメントに発展することもあるかも。
その人それぞれの価値観。自分の価値観だけを正しいものとして話をしていては上手くいきません。コミュニケーションをする上では相手の価値観も尊重することが大切です。
自分の話を聞いてもらいたい気持ちが強すぎる
自分のことを話したい気持ちが強すぎる人との話は噛み合わないことが多いかもしれません。最後までじっくり聞くことが苦手で、自分の関心があるワードが話に出てくるとそのワードだけを切り取って話を進めようとします。
例えば、どんな話をしていてもいつの間にか自分の話にすり替える人。話が逸れるたびに本題に戻そうとしなければなりません。
あるいは、人の話を最後まで聞かず「わかる、わかる、~でしょ?」とこちらの言いたいことと全く違うことを言ってくる人。その度に自分の言いたいことはそうではないことを伝えていると、いつまでも話が先に進みませんね。
自分のことを話したくて仕方がないので、話の流れを考えた応答が難しいのでしょう。
話が噛み合わない時の対処法
まずはあなたから歩み寄る姿勢を示しましょう
話が噛み合わない理由を踏まえて、対処法を紹介します。
苦手意識をなくす
苦手意識はコミュニケーションの障壁になる事があります。
例えば「この人は話が合わないんだよなぁ」という苦手意識があると、なかなか視線を合わせにくいものです。すると相手には「この人は自分と会話したくないのか」という印象を与えてしまい、コミュニケーションは難しくなってしまいます。
仕事する上で必要な話は、しっかり相手の表情を確認しながら話をするようにしましょう。
苦手だからと早々に話を切り上げようとせず、普段より丁寧に自分の言い分を伝えましょう。少し話が噛み合わなくなっても慌てずに視線を合わせながら細かく説明することで、大きく話が食い違うことを防げます。
苦手意識をゼロにするのは難しくても、仕事を円滑に運ぶための最低限のコミュニケーションは取れるようにしましょう。
自分のものさしで話さない
「ふつう、そうだよね。」という言葉はご法度です。
これは自分の価値観が絶対と感じている証拠。価値観は人それぞれ。自分の「ふつう」は相手にとっては「ふつう」ではないかもしれません。
「ふつう」は人によって異なると心に留めましょう。「ふつうはこうなのになぁ」と思っても口には出さず、相手にとっての「ふつう」は何か探ります。
「ふつう」はその人の育った環境や付き合っている人々の影響によって異なるものです。自分のものさし(=ふつう)を押し付けるように思われる言い方は避けましょう。
バイアスをかけずに真剣に話を聞く
「どうせこの人は悪いことしか話さないから」など、話を聞く前からその人に対する先入観があると、正しく内容をつかめないことがあります。
先入観にとらわれず、できる限り「その時のその人の言葉」に集中して話を聞くようにしましょう。同じ言葉でも前向きに捉えることも否定的に捉えることもできます。
例えば「今の話、よくわからなかった」と尊敬している上司に言われたら自分の話し方が悪かったのかと素直に反省しますが、いつも嫌味をいう先輩に言われると「また意地悪なことを言われた」と感じませんか?
まずは誰の話も尊敬している人が話しているかのような心持ちで聴いてみましょう。中立的な気持ちで冷静に話を聞くことで、話の本質を正しく掴むことができ、その後適切に対処できるのです。
いったん話を聞いた後で、先入観もひとつの判断基準としてその後の対応を考えるといいでしょう。
前提条件をそろえる
「今、何について話をしているのか」「どういう流れからこの話をしているのか」といった前提条件を共通理解としておくことは大切なポイントです。
特に時間に追われ、気持ちに余裕がないときは、相手のことも考えずいきなり本題を話してしまいがち。急いでいても「先日の会議の資料のことですが、」など前置きをして、「ひとつ質問があります。」と内容を明らかにしてから話すようにしましょう。
聞く側としても、話題がそれてしまいそうになっても、前提条件をお互いに明らかにしておくことで本題に戻しやすくなります。
話が噛み合わない人にならないポイント
想像力をフル回転
話が噛み合わないと思われないように、次のことを日々気をつけるようにしましょう。
自分の価値観を押し付けない
自分の意見を述べるのは悪いことではありませんが、押しつけにならないよう注意が必要です。自分にとっての常識は相手にとっての常識とは限りません。相手の価値観を十分に尊重した話をするように心がけましょう。
何を求められているか考える
相手の話を聞きながら、自分に何を求めているのか考えるようにしましょう。
求められていることと違うことを言ってしまうこともあるかもしれません。何度も見当外れの受答えをしてしまう時は、その人の話し方があなたにとってわかりづらい証拠。そのまま話をして続けず「ごめんなさい、話が少しわかりにくいのですけれど」などと、正直に話し方が分かりにくい事実を伝えてみましょう。
「わかりにくい」と言われるといい気分はしませんが、自分の話がうまく伝わっていないことがわかり、話し方を工夫してくれるはず。
常に求められていることを考えながら聞くことで、話が噛み合わない状況は生まれにくくなります。
話す前にシミュレーションをする
話す前にある程度シミュレーションをすることで、話が伝わりやすくなります。行き当たりばったりではなくなり、「相手に伝わりやすいか?」を考える余裕が生まれるでしょう。
例えば上司に打ち合わせの報告をしようとする場面では、
・上司にかける第一声はどんな言葉するか
・それに対して上司はなんて答えそうか
・どのような流れで本題を話すか
・上司はどんな質問をしてきそうか
・次に言われそうなことは何か
今までの上司に関わる経験と想像力を最大限に利用して、シミュレーションしてから席を立って上司のところにいきましょう。
もちろん、予期せぬ返答はあるでしょう。しかしシミュレーションしておくことで心に余裕が生まれるため、不測の事態にも慌てることはありません。我を失ってちぐはぐな話の展開をしてしまう可能性を最小限に抑えることができるのです。
専門用語や業界用語を多用しない
話をする相手によって言葉を選ばないと、話が通じにくくなります。
わかりにくい言葉が話に入ると、どうしても聞いている人はそこに思考が集中してしまい、全体像を掴みにくくなります。結果として的外れな返答をしてしまうなど、話が噛み合わない原因を生み出してしまうのです。
社内では共通理解となっている言葉でも、社外の人にとっては分かりにくいこともあります。また例え同じ業界であっても、ボキャブラリーには幅があるため、業界用語の使用も一般的に知られているものにとどめておく方が話が伝わりやすいでしょう。
誰に対してもわかりやすい言葉を使うことがコミュニケーションにおいては大切です。
まとめ
仕事をする上でどんなにやりにくいと感じても、言葉遣いや話し方は個性なので、なかなか変わっていかないものです。
大事なことは、許容と想像。
少しの歩み寄りで円滑なコミュニケーションが期待できます。