思いこみが激しい上司のイメージは「頑固すぎる」「プライドが高すぎる」「視野が狭い」「尊敬されない」「避けられる」…悲惨です。近くにいると、ストレス過多で”うつ”状態になり兼ねない危険性も。
しかし、どんなに苦手でも、思い込みが激しい上司とのコミュニケーションを避けられない状況にいる人は多いはず。まずは、思い込みが激しい理由を分析し、一歩引いた冷静な視点を持てるようになりましょう。
目次
思いこみが激しい上司の心理・特徴6個
思い込みがが激しい上司の心理・特徴を6個紹介していきます。思い当たる上司は、どれに当てはまるでしょうか?
周りのアドバイスを受け入れない
思い込みが激しい上司のほとんどが「周りの意見・アイデアを受け入れない」頑固さを持っています。
Aの仕事はBと一緒にやったら、もっと効率的にできないでしょうか?
見やすいフォーマットに変更しても良いでしょうか?
部下の意見がどんなに正当な意見でも、自分の頑なな思い込み癖「こうあるべき」で一蹴します。部下以外の周りが優しく謙虚にサポートを入れても、動じないことも。
感情の起伏が激しい
思い込みの激しい上司には、部下に対して理不尽に感情をぶつけるタイプも。
この仕事はAが先!Bが後!当たり前だろ!!
なぜ、率先してやらないんだ!今すぐやれ!
知っているはずのないことを、いきなり指摘。怒鳴り散らすなんてことも。決まり文句は「これだから最近の若者は!」、この発言は思い込みが激しいアピールと受け取って良いでしょう。
ネガティブ思考が強い
思い込みが激しい上司には、物事をネガティブに解釈し、部下に当たるタイプも多いです。
結果が出たのは運が良かっただけだよ
調子に乗るなよ
ポジティブに受け止めてほしいタイミングでも当然、ねちねちと文句を伝えてきます。こういう上司は、基本的に「妬み」「恨み」の自動精算が大得意です。
不幸話が多い
思い込みが激しい上司には、不幸話を自慢げに話したがるタイプがいます。
自信がないんだ、褒めてくれ!
「乗り越えた自分を褒めてほしい!」、承認欲求丸出しですが、奥底に眠る叫びを感じ取るのが先決です。
楽観的過ぎる
思い込みが激しい上司には、楽観的過ぎるタイプがいます。
なんとかなるだろ!あとは任せたよ
別に気にしなくてよいよ、Aさんのせいだし
見方によっては、ネガティブタイプよりやっかいかもしれません。自己責任の欠片もなく、他人に責任を押し付ける癖があります。不注意なんて日常茶飯事。当然、上司の素質はありません。
根本的に「自分は悪くない」と、無意識に思い込が癖があるのです。
自慢話が多い
思い込みが激しい上司には、自慢話をマシンガンのように挟みたがるタイプがいます。
私が20代の頃は寝る間も惜しんで働いていたぞ
前社では、営業1位だった
学生時代の苦労を乗り越えた
嫌味のない上司もいますが、明らかに承認欲求を満たすための上司には要注意。
興味ない、前も聞いた、表情がウザい、我慢ならないのが本音でしょう。「部下から賞賛されたい」本音を隠せない人間であることを理解しておくのが大切です。
思いこみが激しくなった原因3個
思い込みが激しくなった根本的な原因のうち、代表的なものを3個紹介します。思い浮かぶ上司はどれに当てはまりますか?
挫折経験が足りない
挫折経験が足りない上司は、「失敗」から学ぶ習慣がありません。「間違える」ことを極端に恐れます。
「正しい」部下の意見を受け入れないのは、自分が「間違っていた」状態をつくりたくないから。感情的に怒るのは、自分の正しさを部下に知らしめたいから。自慢話をするのも、自分に有利なパワーバランスを維持するため。
思い込みが激しい上司に苛立ちそうになったときには、
失敗が怖いんだな。かわいそう。自分の弱さを守りたい表情だ。
諸にダメージを受けず自己防衛をするためにも、上記のような受け止め方をするはどうでしょうか。
年功序列の文化が染みついている
年齢の離れている上司、前職の社歴が長い上司に要注意。いまの会社では考えられないような「社歴=権力」の文化が染みついてしまっているタイプもいます。
このタイプの上司は、自分の定めたルールのみで部下を徹底管理する精神が強め。コミュニケーションが上手くいかないときは、
前職の当たり前に染まっちゃっているな。
正しいかどうかではなく、この視点を持つことは、状況を冷静に受け止めるきっかけにもなるでしょう。
自信がない
思い込みが激しい上司の根底にあるのは「自分に自信がない」場合が多いです。
『挫折経験が足りない』で説明しましたが、「失敗」を乗り越える自信がないのです。周りの意見・アドバイスを受け入れることは、自分の考えを否定し、「自分の失敗をつくること」だと思い込んでおり、それが最大の恥だと捉えます。
一方、頼れる上司は、いつでも自信満々!というわけではありません。失敗を受け入れる度胸があるため、周りの意見・アドバイスを取り入れる姿勢を忘れません。
この違いを知っておきましょう。思い込みの激しい上司から理不尽をくらった際、自分を責め過ぎてはいけません。
この人は自分に自信がないんだな…。
と冷静な視点を取り入れましょう。少しずつですが、気持ちが楽になるはずです。
上司の思い込み癖を冷静に分析する習慣をつくろう
繰り返しになりますが、上司の思い込み癖を分析する習慣は、自分を責め過ぎない防衛力を鍛えることにつながります。
何か理不尽なことが起きたら、上司の「挫折不足」「前職の当たり前」「自信のなさ」を感じ取るようにしましょう。簡単ではありませんが、継続は力なりです。少しずつ試してみてください。
「自分に全く否がない」わけではない?自助努力も忘れてはいけない
思い込みが激しい上司の理不尽さを前に、「自分を責め過ぎない」方法を解説してきました。ただ一点注意があります。全て上司が悪いわけではありません。
自助努力(他に依存せず、自分の力で困難を乗り越える努力)が必要な状況もあるということです。冷静に状況を受け入れることができたら、次のステップは状況改善に向けた行動を始めること。
自分がもう少しハキハキと話したら何かが変わるかも
上司のことをもっと周りの人にも聞いてみようかな
弱気な表情を見せないようにしないとな
文句の言いようがない徹底準備をしてみようかな
他部署のDさんに相談できるかも
小さくても自分が起こせる行動は見つかるはず。動き出す勇気が生まれたら、できる範囲で始めてみましょう。コツコツと挑戦を続ければ、見違えるほどの成長を遂げているはずです。
フォロワーシップを磨こう
フォロワーシップとは、チームで成果を上げるために“自律的・主体的な働きかけ”のことです。
フォロワーシップ”が組織に与える影響力は8-9割。残り1-2割がリーダーの影響力
※米国カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査
例えば、フォロワーシップが発揮される行動には以下のようなものが挙げられます。
意見・アイデアを積極的に伝える
雑務でもきちんとこなす
報連相を怠らない
上司が完璧でないことを理解している
上司の最終決定を支持する
前向きな姿勢を貫く
チームの未来を考えている
フォロワーシップを理解しておけば、上司に問題があることを嘆きすぎることなく「自分自身が磨きをかけるべきこと」に集中することができます。成長を望むならば、絶対に知っておきたい言葉です。
関連ABC理論を知っておこう
沸き起こる感情は、起こった出来事が引き起こしているのではない。出来事に対する”受け止め方”が引き起こしている。これを提唱しているのが「ABC理論」です。
ABC理論を理解していれば、どんなときでも”自分の気持ち”に意識を向け、「自分にとって得になる受け止め方ってなんだろう?」と考えられる人に近づけるでしょう。
思い込みが激しい上司の理不尽さに、振り回されないための防具となるはずです。
自己肯定感を高めよう
自己肯定感が低すぎると無意識に自己否定してしまい、冷静さを失います。当然、相手に意見を伝える勇気も持てません。何事にも自分を傷つけてしまう思考回路に自動変換してしまうのです。
自己肯定感を高めることは、思い込みの激しい上司に振り回されないための土台作りと言えるでしょう。自己肯定感を高める方法を7つ紹介します。
①自己肯定感が下がっていることを認識する
②長所と短所は、表裏一体
③嫌な人から距離を取る
④人間関係の法則を知る
⑤小さな成功体験を積む
⑥考えていることを紙に書き出す
⑦褒められたら感謝を伝える
挑戦しやすい方法を探してみてください。
まとめ
思いこみが激しい上司の心理・特徴と、各タイプごとの対策を紹介しました。
忘れてはいけないのが、「双方に歩み寄れるポイント」があること。しかし、そう簡単には見つかりません。まずは状況を受け入れる「冷静な視点」を手に入れましょう。
冷静な視点は、上司の思い込みタイプを見極め、原因を分析する習慣をつくることから始められます。