仕事がうまくいかないと悩みますね。
「どうしてこんなダメダメなんだろう」
「もっと仕事ができるようになりたいけれど、どうすればよいのかわからない」
自分に自信が持てない人におすすめなのがアファメーションです。
アファメーションとは「肯定的な自己暗示」のこと。「どうしてこんなにダメなんだろう」の代わりに「自分は頑張ってる!」と自分に言い聞かせるのです。
「言い聞かせるだけ?」と思われるかもしれませんが、アファメーションのもたらす効果は絶大です。アファメーションを続ければ、自己効力感が高まり、自分に自信を持てるようになっていきます。
この記事ではアファメーションの効果を詳しく解説。やり方も細かく説明しています。読み終わったら、すぐ試してみてください。やる気が湧いてきますよ。
目次
アファメーションとは
アファメーション(affirmation)とは「自分に対する肯定的な宣言」のこと。宣言することで、理想の状態やなりたい自分に近づける技法です。
・気分が落ち込んでやる気が起きない
・本番前の手の震えが止まらない
・自信が持てない
このような気分や状況をできるだけ速く打破したい時に役立ちます。
何をする時もたくさんの言葉を使っていますよね。直接話す時、そして考える時も常に言葉を使っています。その時使う言葉によって思考が左右され、ネガティブ思考にもポジティブ思考にもなるのです。
アファメーションを上手に利用すると、ネガティブ思考をポジティブ思考に切り替えやすくなるため、何事にも前向きな姿勢で臨めます。
前向きな姿勢があれば不安を感じても諦めず挑戦し続けるので、成果も上がりやすくなるのです。
アファメーションの効果
アファメーションの効果を具体的に見ていきましょう。
自己受容できる
アファメーションにより自己受容できるようになります。
自己受容とはありのままの自分を受け入れること。自己受容はストレス耐性を身につける土台となるもので、困難な状況に直面した時にまず必要な心構えです。
誰でも自分のネガティブな部分は認めたくないもの。「そんな自分はダメ、直さなきゃ」と否定してしまうとかえってそのダメな部分に気持ちが集中してしまって、不安が増してしまいます。
そこで「そういう部分も良しとしよう!」とアファメーションを使うと、否定せずに受け入れられるようになり自己受容が実現するのです。
Let It Go!ありのままの自分を受け入れて!自己受容の意味と方法
引き寄せの効果がある
アファメーションは引き寄せにも効果的。引き寄せとは意識しなくても自分にとって大切なものや必要なものに関する情報を集めることができること。
脳には「特に重要だと思う情報を選択して取り入れるフィルターの役割(RAS)」があると言われています。占いで「今日のラッキーカラーは紫」とあると、紫色がよく目に留まるのはこの仕組みのおかげ。
例えばアファメーションで「私は積極的に発言できる」と意識すると、この仕組みによって自分の周囲に発言できる機会が引き寄せられ、実現しやすくなるのです。
ピグマリオン効果・ゴーレム効果が期待できる
アファメーションはピグマリオン効果を期待することもゴーレム効果を引き起こすこともできます。
ピグマリオン効果とは他者から期待されることで成果が上がる効果のこと。「期待しているから」という上司のひと言でやる気が倍増し、難しい課題もクリアできるのはピグマリオン効果のおかげ。
アファメーションを使えば上司の言葉ではなく、自分自身でこの効果を上げ、成果を生み出せます。
逆にこの上司のひと言が大きなプレッシャーになることもありますね。その場合はアファメーションでゴーレム効果を引き出しましょう。
ゴーレム効果はピグマリオン効果の逆。他者からの期待が感じられないことでやる気を失ってしまうことです。
一般的に陥らない方が良いとされているゴーレム効果ですが、逆に効果的に使うこともできます。
例えば上司の言葉にプレッシャーを感じてしまった時。すかさず「自分はそんなに期待されていない」とアファメーションすることでゴーレム効果が生まれ、プレッシャーを小さくできます。
アファメーションを活用すれば、最大限のスキルが活かせる心理状態にできるのです。
プラシーボ効果
アファメーションにはプラシーボ効果もあります。プラシーボ(placebo)とは偽薬のこと。実際に行わなくても行ったと思い込むことで、気分が和らいだり達成感を感じたりする現象がプラシーボ効果です。
例えば「私は今周囲の人から信頼されている」とアファメーションすると、仮に信頼されていなくても自信を失うことなく業務に取り組めます。
自信を持って前向きに取り組んだ結果、業績が上がり、本当に信頼を得られるようになるでしょう。
自己効力感が高まる
自己効力感とは「自分にはできる力があると感じている感情」のこと。自己効力感を高める要素の1つに言語的説得があり、アファメーションによってこの言語的説得が実現できるのです。
周囲に「君ならできる!」と何度も言われると本当にできるような気持ちになった経験を持つ人は少なくないでしょう。人の言葉によって「自分にはできる力がある」と思えるようになるのです。
アファメーションによって自分自身でこの言語的説得が可能となり、自己効力感を高められるでしょう。
【自己効力感とは】自己効力感を高めるメリット・方法|自己肯定感との違いも
アファメーションのやり方
具体的にアファメーションをどのようにやればよいか、その方法を紹介します。
アファメーションのやり方は決して難しくありません。たったの3ステップで完了です。
Step1.目標を設定する
Step2.手段を決める
Step3.実行する
それぞれのステップを細かくみていきましょう。
Step1.目標を設定する
まず目標を設定します。
・身につけたいビジネススキル
プレゼンで緊張しない/商談を成功させる/海外の客人を接待する
・理想の自分の姿
誰とでもコミュニケーションが取れる/自信を持つ/ポジティブになる
このように「能力に関する目標」でも「存在に関する目標」でもOKです。
Step2.言葉を決める
アファメーションの一番大切なステップである「言葉を決める」。目標に近づくために自分に言い聞かせる言葉を決めます。
・目標「商談を成功させる」
→言葉「私の商談能力は素晴らしい」
・目標「海外の客人を接待する」
→言葉「私はどんな国の人とでもコミュニケーションがとれる」
・目標「やる気を出す」
→言葉「私は今日一日楽しく過ごす」
・目標「プレゼンで緊張しない」
→言葉「私は来週月曜のプレゼンで堂々と話し、成功させる」
言葉によっては逆効果になる可能性もあります。「肯定」と「現実+α」がポイント。目標に近づくためのキーワードを簡潔にまとめましょう。
Step3.実行する
言葉を決めたらあとは自分に言い聞かせるだけ。毎日無理なく続けられる方法を選び、さっそくやってみましょう。言い聞かせる主な方法を紹介します。
1.言う
一番手軽にできる方法です。「つぶやく」「叫ぶ」「口パク」どれもOK。
・上司に報告する前に緊張してしまったとき「ゆっくり話せばOK」と言い聞かせる
・締め切りに間に合わないかもしれないと焦ったとき「大丈夫、できる」つぶやく
・週末の山登り、山頂から「できるぞ~!」と叫んでみる
緊張や焦りを感じた直後につぶやいたり、休日に開放的な環境の中で叫んでみたりすることで自分の心に語りかけられるでしょう。
2.書く
書くという運動機能によって脳内に取り込んでいきます。「紙にペンで書く」「スマホやPCに打つ」どちらもOK。
1枚の紙に文字の大きさを小→大に変えて、何回も書くのも効果的。色を変えたり、飾り文字を使うのもよいでしょう。
PCやよく使うサイトに使用するパスワードをアファメーションの言葉の一部にするのも1つのアイデアです。
3.貼りだす
頻繁に視野に入れることで意識することもできます。洗面台の鏡や部屋の入口、トイレの壁など家の中の目につきやすいところに貼りましょう。書いたものを画像にしてスマホのロック画面にするのもOK。
人に見られても差しさわりなければPCのスクリーンセーバーにしても良いかもしれません。
4.他人に言ってもらう
周囲に協力してもらう方法もあり。アファメーションは毎日続けることが効果的なので、できるだけ頻繁に会う人が適任です。「自分に会ったらこの言葉を言ってください」と協力してもらいましょう。
しかし難しいお願いになりかねないので気心知れた関係の人がよいかもしれません。
アファメーションのポイント・注意点
アファメーションは大きな効果が期待できる反面、間違えて実行してしまうと逆効果になってしまう危険も。アファメーションを行う際のポイントそして注意点をみていきましょう。
セルフコンパッションを心がける
アファメーションが効果的になるようにセルフコンパッションを心がけましょう。セルフコンパッションとは自分を愛おしく思い、大切にする気持ちのことです。
アファメーションは自分に肯定的な宣言をすること。セルフコンパッションで自分に対する思いやりがあれば効果的に宣言が心に響きます。
またセルフコンパッションが身につくと自分に対する優しさだけでなく、他人に対する思いやりも持てるように。他人を非難することで自分を肯定するような間違ったアファメーションを回避できるのです。
【セルフコンパッションとは】自分を思いやる心でストレス軽減!意味・効果・高める方法
肯定的な表現にする
アファメーションに使う言葉は肯定的な表現にしましょう。
・NG「苦手な仕事も頑張っている」
⇒OK「どんな仕事も頑張っている」
・NG「辛いことも耐えている」
⇒OK「どんなことも楽しめている」
肯定的な内容だけでなく「苦手」や「辛い」といったネガティブ表現が脳に刻まれ、不安になってしまうのです。
「今、ここ」の表現にする
アファメーションは「今、ここ」の状況を表現する言葉にしましょう。そうすることで今まさに自分の身に起きている、と感じやすくなります。
現在形「~する」「~だ」や現在進行形「~しつつある」「~している」を使いましょう。
・NG「幸せだった」「幸せになるだろう」
⇒OK「今、幸せを感じている」「幸せになりつつある」
ただし、未来の目標を意識づけたい時は「私は来年4月、〇〇を任されている」と具体的な時と一緒に未来を表す表現でもOKです。
自分を許可する表現にする
「~してもよい」という表現もアファメーションには有効。誰もが無意識に自分のポリシーとして思い込んでいるマインドセットを持っています。
例えば「辛いことから逃げてはいけない」「人に頼るのはよくない」などのマインドセットは成長過程で身につけてきた信念のようなもの。このマインドセットが強いとアファメーションを繰り返してもなかなか思考が変化していきません。
思い込んだマインドセットをしなやかにするには「~してもよい」と自分に許可するアファメーションが効果的なのです。
「楽しい時間を選んでもよい」
「人の力を借りてもよい」
このようなアファメーションによって少しずつ変わっていきます。
現状+αの表現にする
目標に近づくためのアファメーションですが、現実離れしているアファメーションは逆効果。「そんなことできるはずがない」や「どうせ自分には難しい」といった否定の言葉生まれ、思考がそれてしまいます。
現実からかけ離れた目標を設定するのは危険です。言葉だけにならないように、目標達成のための努力が実行できる現状より少し先の目標がおすすめです。
アファメーションには成功を近づける効果がありますが、アファメーションだけでは成功できないことを理解しておきましょう。アファメーションとともに目標達成に向かって行動することが大切です。
まとめ
口に出さなくても頭の中でいろいろなことをつぶやいていますよね。アファメーションはそのつぶやきを意識的にポジティブにするもの。
物事の捉え方は決して1つではありません。見方、考え方を工夫して、ポジティブな側面を見つける習慣をつけましょう。