「職場と自宅の往復だけの日々でいいのかな…」
「同じような日々の繰り返しに飽きた」
日常に新しい何かを取り入れてみたい、と考えることはありませんか?
そんな方におすすめなのが、居心地の良いサードプレイスを持つことです。近年日本でも話題になっているサードプレイスは、リフレッシュ効果や新しい価値観との出会いなど、さまざまなメリットがあるもの。
この記事では、サードプレイスの意味や特徴、見つける方法を紹介します。日常で簡単に取り入れられるものなので、ぜひ参考にして取り入れてみてください。
目次
サードプレイスとは
サードプレイスとは、長い時間を過ごす自宅や職場とは別に、居心地よくリラックスして過ごせる場所を指します。
ファーストプレイス(第一の場所)
・・・自宅、家庭
セカンドプレイス(第二の場所)
・・・自宅以外で社会生活を送る職場や学校
サードプレイス(第三の場所)
・・・リラックスして楽しめる場所、職場から自宅に帰る前に立ち寄って休息できる場所
ファーストプレイスである自宅やセカンドプレイスである職場・学校では、社会的な役割を理解して行動しなくてはならない場面が多々あります。
一方、サードプレイスは一個人として義務や上下関係に関係なく、自分のことに集中できる場所。サードプレイスの存在は、ストレス解消や新しい出会い、仕事やプライベートのモチベーションアップに繋がるのです。
代表的なサードプレイスの例としては「イギリスのパブ」や「ウィーンのカフェ」などがよく挙げられます。
サードプレイスがライフスタイルに重要な役割を持つと提唱したのは、アメリカの都市社会学者レイ・オルデンバーグです。
アメリカの都市部は、車での移動が一般的ですが、レイ・オルデンバーグは多くの人が自宅と職場を車で行き来するだけの生活を送っている様子をみて「本当にこれでいいのか?」と疑問に思い、サードプレイスは生まれました。
自宅と職場の往復だけでなく、第三の息抜きできる場所で過ごすことがストレス社会を生き抜く現代人に必要だとレイ・オルデンバーグは唱えているのです。
サードプレイスの8つの特徴
サードプレイスを効果あるものにするには、8つの特徴があるとされています。
・中立性
・社会的平等性の担保
・会話が中心に存在する
・利便性がある
・常連の存在
・謙虚な姿勢が好まれる
・遊び心がある
・感情の共有
8つの特徴について詳しく解説していきます。
中立的である
サードプレイスを求める人たちは、職場や家庭で求められる自分の役割から解放されて、自分らしく快適に過ごせる空間を求めているもの。
思想や思考は、人によってさまざま。サードプレイスは、どんな考えや立場だとしても受け入れられ、居心地よく過ごせる場所である必要があります。
社会的平等性の担保
サードプレイスは職場や学校とは異なり、年齢や性別、職業、肩書きなど、その人を表す社会的な立場に関係なく全ての人が平等です。
誰もが同じように発言や行動する権利があるからこそ、ストレスフリーに人とのコミュニケーションを楽しむことができ、新しい人や考え方との出会いに期待できるのです。
会話が中心に存在する
サードプレイスは気軽な会話を楽しむことができる場所。
ディスカッションや深刻な話ではなく、今日起こった他愛もないできごとや笑えるジョークなど明るい話題で楽しく過ごせるのです。
そのような場所だからこそ、多くの人が集まりリラックスできる場所が出来上がるのでしょう。
利便性があり、開放的な設備
サードプレイスは、できるだけ多くの人が気軽に集まれるように、アクセスに便利な場所であることが大切。
また誰でも気軽に足を踏み入れられるように中が覗ける大きな窓があったりする解放的な場所であることも必要です。
常連の存在
サードプレイスには、常連の存在が欠かせません。「またここに来たい」と思わせる雰囲気は、常連がいるからこそ作り上げられてきた暖かな空間なのです。
その空間を作った常連は決して内輪だけで盛り上がるのではなく、新しく訪れる人を歓迎してくれるので、多くの人がその空間に魅了されてあつまってきます。
常連が新しい人を拒む排他的な空間は良いサードプレイスとは言えません。
謙虚な姿勢が好まれる
サードプレイスでは自分の話をするだけではなく、相手の話にも耳を傾ける謙虚な姿勢が好まれます。
どの組織でも言えることですが利己的な態度をとっていると「あの人がいるからここにはもう来たくない。」と、コミュニティの崩壊にもなりかねません。
自宅と職場・学校の往復だけでは出会えないようなさまざまな境遇の人がいることを理解して、コミュニケーションしましょう。
遊び心がある
「一緒に参加したい!」と思わせるほど明るくて活発な集まりこそ、サードプレイスにぴったりです。
楽しさがあるからこそメンバー同士がお互いを思いやる、親切心が自然と沸き起こり、人々はリラックスできます。サードプレイスは遊び心がある快適な空間なので、多くの人を惹きつけるのです。
感情の共有
サードプレイスには、「第二の家」と親しみを込めて呼ぶ人もいるほど、家族のような温かい雰囲気が漂っています。それは、同じ空間で同じ時間を過ごし、交流を深めることで感情を分かち合っているから。
良いサードプレイスは家族のような安心感ある空間で、やすらぎのひとときが過ごせるでしょう。
サードプレイスのメリット
心置きなく楽しめるサードプレイスを持つと、心が満たされてプライベートや仕事に良い影響を与えます。
具体的にどのようなメリットがサードプレイスにあるのか見ていきましょう。
心が満たされる
サードプレイスで人と会話したり、同じ趣味の時間を過ごしたりすると、人と繋がる温かさを感じられ心が満たされます。
職場・学校と自宅を往復するだけの日々では、なかなか友人や家族に会えず寂しさを感じるはず。
自己成長のために自分自身を振り返ったり、瞑想したりといい面もあるので、決して1人の時間が悪いわけではありません。しかし、「ひとりぼっちだ」と必要以上に悲観的になってしまうと精神的にも悪い影響を及ぼす可能性も。
理解のあるメンバーと過ごし、自分がどのような人間なのかという存在を再認識することで、自己肯定感も高められるのです。
新しい価値観に出会える
サードプレイスには、さまざまな境遇のメンバーが集まります。自分の生活範囲とは異なる環境の人とコミュニケーションをとることで、新しい価値観に出会えるのです。
他の人の身に起こった出来事や意見を聞くことで、インスピレーションや刺激が得られ、職場や学校ではない、学びの機会となるでしょう。ビジネスに繋がる出会いやアイデアが生まれることもあるはずです。
仕事・勉学のモチベーションアップになる
仕事を終えて自宅に帰るまでの間に、明るく居心地の良いサードプレイスに立ち寄ってリフレッシュするとポジティブな感情で満たされます。
職場では、肩書きや立場、自分に与えられた課題にプレッシャーを感じる場面が多いですよね。サードプレイスは、そういったプレッシャーやストレスから開放され、前向きなマインドに持ち直すことができるのです。
思い切り楽しんで脳も心もすっきりさせると、「また頑張ろう!」というやる気が回復してきます。
サードプレイスを見つける方法
どうすれば自分に合ったサードプレイスを見つけられるのでしょうか?ポジティブなマインドを生み出せるサードプレイスの見つける方法を紹介します。
サードプレイスを見つけるのは、そう難しくはありません。あなたが居心地が良いと感じたら、どのような場所も、サードプレイスになり得ます。
サードプレイスに大切なのは、コミュニケーションや活動を通してリフレッシュできる空間であることなのです。
習いごとをはじめる
同じ趣味の人たちが集まる習い事の場は、共通の話題があるので会話が弾みます。
料理や手芸、楽器の演奏など、好きなことだったはずなのに忙しくて続けられなかった趣味を、仕事に慣れ「サードプレイスを探したい」と余裕が出てきたこの機会にプロに習ってみてはいかがでしょうか。
時間が決まっている習いごとならスケジュールが立てやすくて良いですよね。
「新しいことを始めたい」という方は、習いごとやカルチャーセンター、社会人サークルをウェブで検索してみるのがオススメ。知らない世界に思い切って飛び込むと、「これもできるようになった!」と自身の成長のチャンスにも繋がります。
また語学や勉強会、セミナーなら、ビジネスに役立つスキルが得られるでしょう。
趣味がない大人必見『超簡単』趣味探し|全100種のおすすめ趣味一覧
お気に入りのお店に通う
わざわざサードプレイスとして利用する場所を探さなくても、普段何気なく行きたくなってしまう場所やお店に通ってみてはいかがでしょうか。
カフェや飲食店、ジムなどその場所の雰囲気を知っているからこそ、ゆっくりと落ち着いて過ごせるのです。
気になるお店に通い、勇気を出して店員やよく見かける他の常連さんに話しかけてみると新たな価値観と出会えるかもしれません。
美容室やエステなどのサロンに行く
見た目に変化が起こると心もウキウキと明るい気分になれますよね。
サロンは利用する人の体質や悩み、要望を聞きながら施術するので、自然と会話も増えるはず。日々多くのお客さんとコミュニケーションをとっているため、スタッフが自然体で話しやすい雰囲気をつくってくれます。
また、ほとんどのサロンがゆっくり過ごしてもらおうと空間づくりに気をつけています。身なりを整えながら居心地の良い空間で過ごすことで、心も晴れ晴れするでしょう。
具体的な日本のサードプレイスの例
海外ではパブやカフェなど、サードプレイスとして利用されている場所を冒頭で紹介しましたが、日本ではどのような取り組みを行われているのでしょうか。
日本のサードプレイスの例を紹介します。
カフェやバーなどの飲食店
地域に根付くカフェやバーなどの飲食店は人が集まりやすく、地元の交流が盛んに行われています。
例えばテレビドラマや映画の中で、主人公がいきつけのバーで店主や上司・後輩と会話しているシーンをイメージするとわかりやすいかもしれません。
自分にとって落ち着く空間は心がオープンになりやすく、他愛のない会話から仕事やプライベートの相談まで、話しやすい雰囲気になるのです。
ジムやヨガスタジオなど体を動かす場所
筋トレやヨガなど、体を動かすジムやスタジオも普段のストレスを発散するサードプレイスとして利用されています。
ストレスを抱えて心身の緊張状態が続くと自律神経が乱れてしまいますが、体を動かすと副交感神経が優性になり、体と心が落ち着いてくるのです。
24時間運営しているジムもあり、夜間や週末は学生や社会人で溢れかえっています。
銭湯・サウナ
地域に根付く銭湯やサウナは、幅広い年齢層が集まっています。健康志向な20〜30代の若い世代にも今、サウナが浸透していて、各地域にあるサウナに巡って体をととのえている人がいるほど。
家の近くにある銭湯やサウナなら、会社終わりや休みの日でも通いやすいのがポイント。また、回数券やポイント制度など何度も足を運びたくなる制度もあります。
サードプレイスを設ける職場
近年では、職場に仕事をする空間と切り離された休息できるスペースを設けている会社があります。
大きなクッションやソファがあったり、飲み物が提供されている場所や快適な家具が設置されていたり、社内でゆっくりとくつろいで気分転換できる場所がつくられているのです。
サードプレイスの特徴である落ち着いた雰囲気なら心をオープンにしやすいので、相談や1on1などで利用すると、有意義な話し合いができるでしょう。
また、リラックスできるだけでなく部署の垣根を超えたコミュニケーションが交わされることで、社内の活性化にも繋がるはずです。