キャリアサバイバルとは、「個人のキャリアを考える際には、環境(時代の変化)・組織ニーズを分析することが重要である」ことを提唱したエドガー・H・シャインのキャリア理論です。
キャリアサバイバルを理解すると、自分の譲れない価値観を重視するだけでは、順調なキャリアは歩めないことがわかります。「今の時代はどんな能力・スキルを求めているのか?」「勤務する会社からはどんな役割を任され、どんな成果が期待されているか?」をきちんと理解しておきましょう。
目次
キャリアサバイバルとは?意味・定義
キャリアサバイバルとは、個人が理想のキャリアを歩むためには、環境(時代の変化)・組織ニーズに合わせて「どう生き残るか?」を見極めなければならないことを提唱した理論です。
別表現をすると、個人の価値観・欲求(どう生きたいか?どう働きたいか?)と、環境(時代の変化)・組織ニーズに適応して「どう生き残るか?」の2つのバランスを取ることが、理想のキャリア形成には欠かせないことを意味します。
※仕事(キャリア)において”譲れない個人の価値観・欲求”を「キャリア・アンカー」と呼びます。
キャリアサバイバルで考慮すべき環境・組織ニーズの具体例
キャリアサバイバルの考え方で重視される”環境・組織ニーズ”とは一体何を指すのでしょうか?具体例を挙げてみました。
環境・組織ニーズの例
現在特に問題視されている社会問題は?
現在需要が伸びている人材の特徴(性格・スキル・能力)は?
現在注目されているサービス・企業は?
現代的とされる働き方は?
会社が抱える重要課題は?
会社から任されている役割は?
会社から期待されている成果は?
会社が求めている人材の特徴は?
会社がこれから抱えるであろう問題は?
これらの質問に対する答えは、あなたが理想とするキャリアを歩むために欠かせない情報になります。
キャリアサバイバルを考える上でチェックすべき項目
キャリアサバイバルを提唱したエドガー・H・シャインは、キャリアサバイバルにおいて「自分の職務を定期的にチェックすべき」だと解説しています。
具体的には、以下項目を理解していることが重要です。
❶他者からの期待と自分の職務との関連性
❷職務における中心的な利害関係者
❸中心的な利害関係者からの期待
❹今後、現在の仕事環境で起こり得る変化
❺上記4つが職務に対して持っている意味
参考書籍:キャリア・サバイバル―職務と役割の戦略的プラニング
もう少し簡単な形に変えてみると以下のようになるでしょう。
・上司、周りのメンバーからはどのような期待がされているだろうか?
・その期待に応えるためには、どのように仕事に取り組むべきだろうか?
・仕事における重要人物はだれだろうか?得意先?直属の上司?社長?
・重要人物は自分に対して、どのような期待を持っているだろうか?
・それに応えるためには、何をするべきだろうか?改善すべきことはないだろうか?
・今後どのような変化が起きそうか?部署変更?メンバーの辞職、昇進?得意先の変更?
個人の価値観・欲求(どう生きたいか?どう働きたいか?)とは別に、上記のような内容を常日頃考えておかないと、現代に生き残るキャリアを歩むことはできません。
キャリアサバイバルでは「個人と外部のバランス」がカギを握る
キャリアサバイバルの考え方では、「個人と外部のバランス」を取ることが大切です。
個人の価値観・欲求
どう生きたいか?どう働きたいか?
外部のニーズ
環境(時代の変化)・組織ニーズ、どう生き残るか?
個人の価値観・欲求だけを考えるのではなく、また、外部のニーズだけに振り回されることのないキャリア戦略を立てましょう。