プロティアン・キャリアは、「環境の変化に応じて自分自身も変化させる柔軟なキャリア」を意味するキャリア理論の一つです。(アメリカの心理学者ダグラス・ホール提唱)
地位や給与を重視し、いち組織内でのステップアップを中心に考える従来のキャリア像とは異なり、自己成長「自分は何がしたいの?どうなりたいの?」を大事に”主体的”な生き方を問うキャリアづくりを目指します。
プロティアンキャリアと従来のキャリアの違い【表】
プロティアンキャリア | 従来のキャリア |
---|---|
主体は”個人” | 主体は”組織” |
“自由・成長”を重視 | “権力・昇進”を重視 |
“心理的成功”が中心 | “地位・給料”が中心 |
“満足感”が重要 | “組織評価”が重要 |
“何がしたいか”を問う | “何をすべきか”を問う |
社会での市場価値を高める | 組織で生き残る力を高める |
目次
プロティアン・キャリアとは?意味・定義
プロティアン・キャリアとは「環境の変化に応じて自分自身も変化させる柔軟性の高いキャリア形成」を意味しています。
語源はギリシア神話の『Protean(プロティアン)』=思いのままに姿を変える神・プロテウス。これに基づき、プロティアン・キャリアは「変幻自在なキャリア」とも表現されます。
社会環境が目まぐるしく変わり、同じ仕事を続けていくのが難しい現代、プロティアンキャリアが指し示すのは『柔軟に変わる力』です。
・複数の組織に所属する
・いくつもの組織を移動する
一つの組織だけでキャリアを築く時代は終焉を迎えています。複数の組織を自在に移動し、揺るぎない自分のキャリアをつくりあげていく時代がますます近づいているのです。
プロティアン・キャリアを理解しておくことは、将来を生き抜くために欠かせない準備となるでしょう。
プロティアン・キャリアとは正反対の考え方
働き方が大きく見直されている現代ですが、昔から存在する従来の考え方の中には、プロティアン・キャリアと正反対のものがあります。
「一つの会社で一生働くことが正義」
「会社のために尽くすことが美徳」
「転職するのは、負け組である」
このような思い込み・思考癖があると、変化を恐れ、停滞したまま。これからの社会を生き抜くためのキャリア形成ができません。少しでも、このような考え方をしているのであれば、いち早く取り除く努力をしましょう。
プロティアンキャリアと従来のキャリアを比較
プロティアンキャリアと従来考えられてきたキャリアを比較したグラフを作成してみました。違いを比べてみましょう。
プロティアンキャリアと従来のキャリアの違い【表】
プロティアンキャリア | 従来のキャリア |
---|---|
主体は”個人” | 主体は”組織” |
“自由・成長”を重視 | “権力・昇進”を重視 |
“心理的成功”が中心 | “地位・給料”が中心 |
“満足感”が重要 | “組織評価”が重要 |
“何がしたいか”を問う | “何をすべきか”を問う |
社会での市場価値を高める | 組織で生き残る力を高める |
個人を主体として、環境・組織などの外部ではなく、自分自身の内部を大切にしていることがわかります。
プロティアンキャリアに対する世間の評判
プロティアンキャリアに対する世間の声を集めてみました。
プロティアンキャリアに対する感想
プロティアンキャリアに対する感想
プロティアンキャリアに対する感想
プロティアンキャリアを歩みたい願望はある一方で、危機感を感じ、将来への不安を感じている声が見受けられました。特に目立ったのは、「結局、何をするべきかわからない」という声。最初に何をするべきなのでしょうか?
プロティアンキャリアを歩む最初の準備
プロティアンキャリアを形成するのが大事であることを理解したら、まず最初にやっておきたいことを紹介します。
❶キャリアの定義を理解する
❷現状のキャリアを整理する
❸目標(達成事項、ありたい状態)を設定する
上記3点です。まずは「キャリア」とはなんたるかを理解し、現状のキャリアを整理することから始めましょう。キャリアは大きく分けて3つあります。
履歴書に書ける情報「外的キャリア」がある
広義には、価値観・想い・習慣「内的キャリア」を含む
家庭・景気・健康「外部要因」も忘れてはいけない
上記項目の具体的な事例はキャリアって何なの?意味・定義【保存版】内で詳しい解説をしています。
次に目標設定をしてみましょう。目標がない人のほとんどが、目標は「何かを成し遂げること」だと思っているかもしれませんが、違います。「どんな状態の自分が幸せか」を考え、その状態を目指すことを目標とする方法もあります。覚えておきましょう。
以下6つの方法で、目標をつくるための材料は集められます。
①幼少期に夢中になっていたことを思い出す
②長時間できることを考えてみる
③人より簡単にこなせることを考えてみる
④周りに”自分の良いところ”を尋ねてみる
⑤嫌いなこと洗い出してみる
⑥新しいことに挑戦する
各方法の具体的な手順は、目標がない人はダメなの?無気力社会人が知りた”目標の見つけ方”で解説しています。(社会人の自己分析法)
あなたが大切にする職場の特徴を探そう【選ぶだけリスト】
よくある職場の文化をキーワードで並べてみました。
無理!と感じるキーワード
良いかも!と感じるキーワード
プロティアンキャリアを歩むためには、あたなが大事にしているもの・絶対に避けたいものを知っておく必要があります。どちらも選んでみてください。
切磋琢磨
のんびり
バリバリ
じっくり育成
少数精鋭
競争・ライバル
議論
相談
協調
助け合う
非人道的
躍動感
淡々と
規律
華やか
素朴
鬼軍曹
不衛生
親会社からの制約
サークル感
チャレンジ
変化
安定
プロ意識
若い
熟練した
スピード感
丁寧
おおざっぱ
着実
明るい
落ち着いた
固い
まじめ
ユーモア
できなくてもやってみろ
確実生を求める
閉鎖的
官僚的
風通しが良い
穏やかな
プレッシャー
営業成績
個人主義
チームワーク
根性
楽しい
自分の仕事に集中
和気あいあい
責任が大きい
優しい
厳しい
安心
快適
真剣
笑い
改革
効率化
歴史を守る
直感だけで選ぶのがポイントです。一般的な常識に捉われてはいけません。大切なのは「自分がどう感じるか」です。感覚を大事にしてください。
選んだキーワードをさらに深堀りしてみましょう。
どのような状況で感じるのか?
なぜそう思うのか?
頭で映像が浮かぶくらい具体化してみると、あなたがどんな職場で働きたいか、どんな働き方をしたいかが見えてくるかもしれません。
プロティアンキャリアを学べる書籍
プロティアンキャリアを学ぶ上でおすすめの人気書籍を紹介します。
①プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術:15個の質問に答えて自分を知る
➁転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方:個人で稼ぐ力を持つ実践的な方法を解説
書籍を通じて、より専門的、実践的な知識・情報を集めてみましょう。あなたにとってのプロティアンキャリアをがっちり固めてみると、実際の行動を起こしやすくなります。