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沸き起こる感情は、起こった出来事が引き起こしているのではない。出来事に対する”受け止め方”が引き起こしている。
これが、ABC理論の基本的な考え方です。言い換えると、同じ出来事に遭遇しても、人によって受け止め方は変わり、ポジティブにもネガティブにも変わるということ。
大したことではないのに、過剰に悪い解釈を持ってしまい、自分を責めてしまう。不快になってしまうことはありませんか?
ABC理論をきちんと理解しておくと、いざという時にメンタル面が強くなります。シンプルだが、奥が深い。ABC理論を活用し、仕事・対人コミュニケーションの不満を解消してみましょう。
目次
ABC理論の「ABC」は”出来事”・”受け止め方”・”感情”
ABC理論の「ABC」が意味するのはA:出来事、B:受け止め方、C:感情です。
A[Acrivating event]:出来事
遭遇する出来事、100%コントロールは不可能
B[Belief]:受け止め方
出来事をどう受け止めるか、自分の意志のもとに生まれる
C[Consequence]:感情
結果として生まれる感情、気持ち
上記ABCをもとに”人間が行う基本的な心理の働きを解説している”のが、ABC理論です。
ABC理論は”受け止め方の重要性”を説いている
ABC理論の基本概念は、
何か出来事に直面したときに芽生える”感情”は、その”出来事自体”が生み出すというよりも、”自分自身の受け止め方”が引き起こす
というものです。出来事はコントロールしずらいが、受け止め方さえ変えることができれば、メンタルへの負担は軽減される。望ましい状況へ向かうためにはまず、「自分自身の受け止め方を理解し、改善していく」ことがポイントになります。
ABC理論の起源:臨床心理学者アルバート・エリスが1955年に提唱した「論理療法」の中心概念として登場
ABC理論で解説される「受け止め方」とは
ABC理論で説明される「受け止め方」には、様々な表現があります。
・解釈
・信念
・思い込み
・固定概念
・観念
・捉え方
・決めつけ
・受け取り方
本来は、Belief(直訳:信念)と表現されますが、ABC理論を理解する上では、「出来事に対して、個人が、瞬発的に抱くもの」であれば、どんな表現で考えても問題はありません。
ABC理論がわかる具体的な事例
ABC理論が提唱する「受け止めの重要性」を、もっと具体的にイメージできる事例を挙げてみます。状況別に、《解釈》《感情》が異なるAさんと、Bさんの違いを見ていきましょう。
【パターン①】上司の期待
Aさんの場合
《出来事》
やる気満々の新入り上司に高すぎる目標設定をされた
《解釈》
大らかで前向きな姿勢
《感情》
ぐんと成長できるチャンスかもしれない。限界へ挑戦してみよう!
Bさんの場合
《出来事》
やる気満々の新入り上司に高すぎる目標設定をされた
《解釈》
尖りのある後ろ向きな思い込み
《感情》
何もわかっていない。こき使われるだけだ。なんでこんなやつが…
【パターン②】ハプニング
Aさんの場合
《出来事》
弟がお気に入りの服にジュースをこぼした。
《解釈》
大らかで前向きな姿勢
《感情》
誰だってミスはあるよね。自分の置いてた場所が悪かったかもだし。洗濯すれば取れるかも。取れなくても、もっと素敵な服探しができる。弟にも失敗を受け入れる寛大さを学んでくれたら。
Bさんの場合
《出来事》
弟がお気に入りの服にジュースをこぼした。
《解釈》
尖りのある後ろ向きな思い込み
《感情》
なんでこいつはいらんことばっかするんだ。存在が嫌い。憎い。もう一生話さない!
【パターン③】上司の文句
Aさんの場合
《出来事》
部長から口うるさく過剰な文句を言われる。
《解釈》
大らかで前向きな姿勢
《感情》
ストレス溜まってるのかな、家庭が上手くいってないのかも。かわいそう、でも仕方ない。大事なとこ以外は聞いているフリだな。
Bさんの場合
《出来事》
部長から口うるさく過剰な文句を言われる。
《解釈》
後ろ向きな思い込み
《感情》
私のどこが悪いんだろう。わからない。存在が気にくわないのかな。もう逃げたい。いやだ。
ABC理論は”無意識の後悔”を減らす
人によって受け止め方が異なるのは、当たり前とは言えば、当たり前。それでも、普段から意識的に行動しておくべき理由は、誰もが無意識に「出来事と感情を結びつけてしまう」からです。
【出来事】→【感情】
「悲しい」「辛い」と、ネガティブな感情を抱いてしまったとき、人は「こんなことしなければ…」「あの人がいなければ…」「あんなことが起こらなければ…」とコントロール不可能な出来事に思い悩み、後悔し続けてしまいます。
しかしそんなときも、自分の気持ちに意識を向け、「自分にとって得になる受け止め方ってなんだろう?」と考えられる人は、前向きな姿勢でいられるでしょう。
長い目で見ると、そういった一つ一つの積み重なりが、その人の運命・生き方を良い方向に導いていくはずです。
【出来事】→【感情】
ではなく、
【出来事】→【受け止め方】→【感情】
であることを常に意識しておきましょう。
ABC理論に「DE」を加えたABCDE理論
ABC理論の「ABC」に「DE」を加え、ABCDE理論と解説されることもあります。
「DE」が意味するのはD:非合理的な信念に対する反論、E:効果的な信念や人生哲学。
D[Dispute]
:非合理的な信念に対する反論
不安定な心理状態を生み出す、非合理的な信念に対する反論
非合理に正当な反論をするタコさん
E[Effective New Belief]
:効果的な信念や人生哲学
不安定な心理状態を未然に防ぐことができる、基本的な考え方
効果的な信念を持ったキリンさん
両方の能力を上げるためには、自分と他者の感情を正しく認識し、適切なコントロールができる能力、“EQ”を鍛えましょう。EQが高いとされる人の特徴は以下の通りです。
・観察力が高い
・上手に言葉を選ぶ
・気遣いができる
・聴く力が高い
・相談しやすい
・相手を尊重している
・自分の長所/短所を把握している
・逆境に強い
・他人のせいにしない
・想いやりがある
EQを高める7つの方法は、以下の関連記事をご覧ください。
関連ABC理論の活用には「思い込み癖」改善が必要
ABC理論を実生活に活用するのは、簡単なことではありません。特に克服が難しいのは、反射的に生まれてしまう「思い込み」。固定概念とも表現できるでしょう。
思い込みが激しいと、自己嫌悪の癖ができ、自信がなくなり、自分らしさを失ってしまいます。本来の自分をなくしてしまえば、「受け止め方」うんぬんの話ではなくなることもあるはず。
そこで、思い込み手放すために「今すぐ始められる小さな習慣・趣味・心構え」を紹介します。
映画鑑賞
読書
初対面の人と出会う
人間観察
なぜ思い込み解消に役立つのか?どうやって行うのが効果的か?を詳しく解説した関連記事をご覧ください。
関連思い込みをなくす最短ルート|明日試せる”自分らしさ”奪還のコツ・自滅癖の克服方法ABC理論をさらに理解できる名言
ABC理論の考え方をさらに深く理解できる名言を探してみました。
事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
ニーチェ
『何を幸福と考え、また不幸として考えるか。その考え方が幸不幸の分かれ目なのである』
D,カーネギー
『幸福は人格である』
三木清
『事柄に起こってはならぬ。事柄はわれわれがいくら怒っても意に介さない。』
モンテーニュ
『人はものごとをではなく、それをどう見るかに思いわずらうのである。』
エピクテトス
『幸せは歩いてこない だから歩いていくんだね』
365歩のマーチ
『マイナスの面が大きければ大きいほど、逆にそれと反対の最高に膨れ上がったものを感じるわけだ』
岡本太郎
何ごとも、受け取り方次第です。気に留まった名言をメモしておくのはいかがでしょうか。ふとした瞬間に自分を見つめ直すきっかけとなるはずです。
関連:名言を行動に変える方法
- ①誰かに教える
- ②オリジナル名言に変える
- ③好きなアニメ・漫画から探す
- ④スマホでリマインダー設定する
- ⑤カレンダーの予定に入れる
- ⑥壁紙に設定する
- ⑦SNSプロフィールに記載する
- ⑧紙に書いて貼り付ける
ABC理論の別解釈「あたりまえのことを、バカになってちゃんとやる」
本記事で紹介した心理学でのABC理論ではなく、
「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」
と解釈されることがあります。これは、小宮 一慶さん(経営コンサルタント )著作『あたりまえのことをバカになってちゃんとやる』で紹介される「仕事も人生もABCが大事」という考え方に由来するものです。
誤解されることもありますが、仕事のABCと、心理学のABC理論とは、全くの別モノであることを理解しておきましょう。
まとめ
何ごとも、受け止め方次第。抱く感情は、自分の意志で変えられる。シンプルで当たり前に聞こえるABC理論の考え方は、物事の本質をとらえています。
しかし、受け止め方を変えるのは、簡単なことではありません。それでも、常日頃、意識しておきましょう。
特に、落ち込んでいるとき、怒りが収まらないときなど、ネガティブな心理状態のとき。ABC理論を思い出すことが、少しずつ普段の自分を取り戻すためのきっかけとなるかもしれません。
【出来事】→【感情】
ではなく、
【出来事】→【受け止め方】→【感情】