「公務員、辞めたいな」と思った時、人に相談するとまず言われるのは「もったいないよ!」という言葉。しかしベンチャー企業に勤めた友人が生き生きとしているのに比べ、自分は激務で心も体もボロボロ。
「毎日同じことの繰り返し」
「古い規則に縛られ、もう疲れた」
本当に公務員を辞めるのは「もったいない」のでしょうか。
この記事では、公務員を辞めたくなる理由、公務員を辞めるメリットとデメリットを明らかにしています。あなたの人生の大きな選択の判断材料にぜひ参考にしてください。
目次
公務員を辞めたくなる理由
なぜ公務員を辞めたいと思ったのでしょうか。漠然と「辞めたいなぁ」との気持ちをもう少し深堀してみましょう。次のような理由の中に当てはまるものがあるかもしれません。
モチベーションが上がらない
公務員は職務内容も給与体制も年功序列。言われた通りの仕事をして入ればOK。どんなにスキルがあってもいきなり大きな仕事が任されることはありません。
業務改善しようとしても「そんな必要はない」と却下されてしまうことも。変化を求めず、責任を取らされることを恐れる職場の雰囲気ではモチベーションは上がりません。
理不尽なことが多い
公務員の職場は規則や古くからの慣習が残りがち。営利を追求する必要がなく、ライバル社も存在しないため、仕事のやり方も昔の非効率のままになっている部分も多いでしょう。
トップダウンでの仕事も多く、仕事に疑問を抱いても「そういう決まりだから」と納得するしかないのです。
残業・転勤が多い
公務員は労働基準法の対象外です。時間外労働が制限されていないため、深夜までの残業や連続した休日出勤など、過酷な労働環境になる可能性があります。
中には災害時にプライベートより公務を優先せざるを得ない職務もあるでしょう。
数年ごとに異動が行われるため、転居を繰り返す可能性もあります。
収入に満足できない
公務員の初任給は民間企業より低め。令和元年度の大学卒の初任給で比べると民間企業の平均は210,200円、国家公務員の場合は総合職で186,700円、一般職では182,200円となっています。
公務員の給与は民間企業の平均と大きく違わないように定められているので、キャリア全体で見れば民間企業と大きな差はありませんが、20代のうちは同世代の友人より収入が低いかもしれません。(参考:(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給|厚生労働省、国家公務員の初任給の変遷(行政職俸給表(一)))
市民への対応が難しい
公務員は多種多様な市民に対応しなければなりません。理不尽なクレームに対して民間企業であれば営業妨害として訴えることができますが、国民への奉仕を活動目的としている公務員はそうはいきません。
どんなにひどい態度を取られても決して感情的にならず冷静な対処が求められるのです。
公務員を辞めるメリット
次に公務員を辞めるメリットをみていきましょう。
やりがいを感じられるようになる
民間企業に転職するとやりたいように働けます。公務員では却下されてしまうような提案も民間企業なら歓迎されるでしょう。逆に会社に利益をもたらさないような仕事をしていれば容赦なく評価は下げられてしまいます。
良くも悪くも仕事に対する評価が実感できることがモチベーションを上げる原動力となるでしょう。やりがいを感じられるようになり、仕事が楽しくなっていきます。
働き方を選べる
公務員を辞めると勤務時間や勤務形態を自由に選べます。公務員では週末を休みにしたいと思っても休日出勤のある部署に配属されてしまえば従うしかありません。
民間企業であれば時差出勤やリモートワークなど多様な勤務形態の選択肢があるので、自分のライフプランに合わせた働き方が選べるでしょう。
労働基準法に守られる
民間企業に対しては労働基準法が適用されるので、時間外労働が制限されます。過酷な労働環境になる可能性が低くなるのです。
残業や休日出勤をした場合でもそれに見合った報酬を受け取れるので満足できるでしょう。
収入が上がる可能性がある
民間企業に転職することで年収が上がる可能性もあります。転職する業界・業種によっては最初から給与水準が高い可能性がありますし、一時的に減給となってもスキルが評価され飛躍的に収入が上がる可能性もあるのです。
公務員と異なり副業も可能となり、努力次第で年収を上げられるようになるでしょう。
視野が広がる
民間企業に勤めると世界が広がったと感じることもあるでしょう。会社の利益をあげるためには世の中の流れに敏感である必要があります。
自分の仕事や業界だけでなく世の中全般に対して興味が広がり、情報収集を努めたり、勉強を始めたりするようになるでしょう。自分のスキルを評価されるための努力によって視野が広がっていくのです。
公務員を辞めるデメリット
次に公務員を辞めるデメリットもみていきましょう。
安定を手放すことになる
一番のデメリットは安定を手放すこと。民間企業では業績は景気に左右されることも多く、社の方針で勤務形態の変更や解雇を言い渡されるリスクもあります。
その点公務員は倒産や解雇などのリスクとは無縁の職種。問題を起こさなければ定年まで職を失うこともなく、継続的に安定した収入が見込めます。
公務員を辞めるということは突然収入がゼロになるリスクと隣り合わせになるということなのです。
社会的信用がなくなる
社会的信用を失うことも公務員を辞めるデメリット。例えば住宅や車など高額な買い物をする際に利用するローンの借入枠に影響が出ます。
どんなに大企業であっても倒産や解雇のリスクがあることに変わりはないので公務員と同じ社会的信用は得られません。
民間企業に馴染めない可能性がある
民間企業の働き方に簡単になじめない人もいるかもしれません。国民に奉仕する公務員と社の利益を追求する民間企業の社員では働き方に違いがあります。言われたとおりに仕事をしているだけでは民間企業では務まりません。
担当者としての責務は公務員の時より大きく感じ、ストレスとなる可能性があります。
公務員から民間企業に転職するコツ
公務員から民間企業への転職を成功させるコツを紹介します。
強みを明確にする
民間企業では即戦力としてのスキルが求められるため、自分の強みを明確にアピールする必要があります。
・役所の手続きについて豊富な知識がある
・理不尽なクレームに対して相手第一主義貫き対処できる
・ストレス耐性がある
このように民間企業とは異なる環境で働いてきたからこそ身につけた強みを探しましょう。希望する業種に役立つ資格を取得しておくことも強みの1つになるかもしれません。
志望動機を明確にする
転職するときには明確な志望動機が重要。特に公務員からの転職では「安定」を手放す理由が採用側のもっとも知りたいこと。倒産や解雇のリスクを背負ってでもその企業に勤めたい理由をまとめておきましょう。
・やりがいを感じたい
・自分の企画を実現させたい
公務員を経験したからこそ民間企業の魅力を語れるのではないでしょうか。自分のライフプランにその企業がどうしても必要だと積極的にアピールしましょう。
転職エージェントを利用する
初めて民間企業を目指した転職活動をするなら転職エージェントを利用しましょう。試験の合格を目指す公務員の就職活動とは異なるので自分1人では大変、無駄な時間と労力を使いかねません。
転職エージェントを利用すれば、書類の書き方や面接における自分のアピールポイントの効果的な伝え方など転職のコツやポイントを専門家に教えてもらえます。自分に合った民間企業を選ぶ、協力なサポーターとなってくれるでしょう。
転職エージェントの利用は無料。ぜひ積極的に利用してみてください。
転職エージェントとは?メリット・注意点・選び方【使った方が良いの?】
転職後の生活のために貯金する
公務員は雇用保険の対象外のため失業手当の給付はなく、公務員を辞めれば転職後の最初の給料日までは収入が一切なくなります。そのためその期間の生活が困らないために余裕を持って貯金をしておきましょう。
まとめ
「公務員を辞める=もったいない」という意見は一度横に置いて、自分にとって公務員という仕事がどういうものか、よく考えてみましょう。
公務員と民間企業、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分のライフプラン、キャリアプランに照らし合わせて、決めるべきです。民間企業に転職した後再び公務員に戻る選択肢もない訳ではありません。
仕事を選ぶのはあなたの自由です。何事も自分の糧になると信じて一歩を踏み出しましょう。
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