短期間で転職を繰り返している人を「ジョブホッパー」と言います。
かつては転職回数が多いことが不利だとされておりジョブホッパーは良くない印象でしたが、キャリアアップのために転職する人が増えてきたことでその価値観も変わってきました。
転職回数が多いことが必ずしも悪いイメージではなくなり、ジョブホッパーも転職を成功させられるようになってきたのです。
今回はジョブホッパーと呼ばれる転職回数が多い人でも転職を成功させられるポイントを紹介します。面接でのアピールポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
ジョブホッパーとは
ジョブホッパーの意味を詳しく知らず、自分もジョブホッパーに当てはまるのではないかと不安に思っている人も多いはず。
まずは「ジョブホッパー」とはどういう人を指すのか理解しましょう。
ジョブホッパーの意味
ジョブホッパーとは「ジョブ=仕事」を「ホッピング=転々とする」人のことを意味します。すなわち短期間で転職を繰り返している人がジョブホッパーです。
ジョブホッパーに明確な定義はありませんが、一般的には以下の条件に当てはまるとジョブホッパーだとされています。
最長3年ほどで転職している
20代で3回以上の転職歴がある
30代以上では5回以上の転職歴がある
この他にも転職のたびに職種が変わったり、転職によって給料が下がってしまったりすることもジョブホッパーの特徴です。
キャリアビルダーとの違い
ジョブホッパーと似た言葉に「キャリアビルダー」があります。キャリアビルダーとは「キャリア=仕事の経験」を「ビルド=構築する」人のこと。
ジョブホッパーもキャリアビルダーも転職回数が多い人のことを意味しますが、この2つには明確な違いがあります。
キャリアビルダーは自身のキャリアアップのため計画的に転職するため職種に一貫性があり、転職を重ねるごとに昇給・昇進をして着実にキャリアアップをしていることが特徴です。
一方のジョブホッパーは職種の違う仕事に転職したり、「社風が合わない」「仕事がきつい」など曖昧な理由で転職したりする人のことを指します。
そのため、なかなかキャリアアップが難しいとされているのです。
ジョブホッパーが転職に不利だと思われている理由
「転職回数が多いと転職に不利」と言われています。
着実にキャリアを重ねているキャリアビルダーは選考で良い印象を持たれる一方、ジョブホッパーは冷たい目で見られてしまうこともあるのです。
なぜジョブホッパーが良い印象を持たれないのでしょうか。
「忍耐力がなく、すぐ辞めてしまう」印象を持たれる
ジョブホッパーは行き当たりばったりで転職を繰り返しているイメージから、「うちで採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまいます。
採用担当としては、せっかく採用コストをかけるならその分長く働いて会社に貢献してくれる人を採用したいと思うもの。長く働いてくれるかどうかはこれまでのその人の経験から判断するしかありません。
短期でいくつもの会社を点々しているとなると、「少し嫌なことがあったら逃げ出してしまうのではないか」「気難しいタイプなのではないか」と疑ってしまうのです。
終身雇用や年功序列の考え方が根強い会社では、ジョブホッパーであるだけで足切りされてしまう可能性もあります。
実績・スキルが身についていないと思われる
仕事に必要なスキルを身につけたり、実績となる大きな仕事を経験したりするためにはある程度の期間が必要です。
しかしジョブホッパーは短期間で転職しているため、仕事をしっかり理解し会社に貢献できるほどの経験・スキルが身についていないのではないかと判断されてしまいます。
中途採用では即戦力を求められるため、明確な実績や経験、スキルがないと内定を勝ち取るこが難しいのです。
成功しているジョブホッパーがやっていること
「ジョブホッパーになってしまったから、お先まっくら」そんなことはありません。ジョブホッパーでも成功している人はいます。
そのような人たちは、どんなことをしているのでしょうか?成功しているジョブホッパーがやっていることを紹介します。
キャリアプランを設計する
ジョブホッパーはキャリアに一貫性ありません。そのままではスキルが身につかず、給与・キャリアアップも難しいでしょう。
次の転職に向けてまずは「これからどうなりたいか」というキャリアプランを明確に設計しましょう。ジョブホッパーからキャリアビルダーを目指すのです。
さまざまな仕事を経験してきたからこそ、自分がどんな仕事なら実力を発揮できるのかが理解できるはず。今までの経験を無駄にせず、キャリアの棚卸しをして将来像を描きましょう。
今までキャリアプランを考えたことがない人にとっては難しい作業かもしれないので、転職エージェントに相談することも一つの手です。
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徹底的に自己分析をする
ジョブホッパーは自己分析が足りないため、転職を繰り返してしまう傾向にあります。
自分のことを理解できていないことにより、自分に合っていない職種を選んでしまったり興味のない業界に進んでしまったりするのです。
まずは徹底的に自己分析をして、自分自身を理解しましょう。自分の得意・不得意や長所・短所、好きなことや興味のある分野を洗い出します。
自己分析やキャリアの棚卸しなどを経ると、自分の職歴の一貫性が見えてくるでしょう。
例えば、接客業や小売業で転職してきた人は「人とコミュニケーションを取ることが得意」だという共通項が見つかるはずです。職種や業界が異なっても、軸となっている部分はきっとあります。
一貫性や共通項を見つけることで、転職する際には職種や職場環境などを選択する際の参考になります。採用選考時のアピールにも活かすことができるでしょう。
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まずは経験や実績を積む
中途採用で重視されるのは「即戦力」になるか。短期間での転職でも、専門性の高いスキルを持つ人や大きな実績を作った人は、高く評価してもらえます。
今の仕事でまだまだ経験が足りないのであれば、経験を積んでから転職を考えましょう。
現職とは異なる職種や業界に興味があっても、現職でのスキルや実績は活かすことができます。まずは今の会社でスキルを磨きましょう。
現職で経験を積んでいくことで仕事が楽しくなり、転職する必要がなくなるかもしれません。もし今の職場でスキルアップが難しいと思うなら、副業として取り組むのもおすすめです。
ジョブホッパーの選考でのアピールポイント
ジョブホッパーであることは採用で不利になる可能性がありますが、適切にアピールすることで印象を変えることができます。
では、どのようにアピールをしたらいいのでしょうか。選考でアピールするポイントを紹介します。
豊富な経験
さまざまな職種や業界を経験してきたことは、決して無駄ではありません。短期間でもそれぞれの仕事で得ているものがあるはずです。
豊富な経験を積み、さまざまなスキルが身についたことはアピールポイントになります。
「A社での○○という経験を活かして、B社では□□の実績を作ることができました。」など、自身の経験が活かされたエピソードを伝えることが効果的。
幅広い経験をしてきたからこそ、仕事に活かせるものがたくさんあるとアピールしてください。
意味のある転職理由
転職活動では退職理由を尋ねられることも少なくありません。「仕事が楽しくなかった」「上司が厳しかった」などといった転職理由では「また同じような理由で辞めるのではないか」と思われてしまいます。
計画的に転職したということをアピールするために、転職理由を整理しておきましょう。例えば販売職と営業職で転職を重ねている場合は、「よりお客様の役に立ちたいと考えて営業職に転職したいと思った」といった理由があるはずです。
明確な転職理由を整理しておき、今なぜ転職したいのかを話せるようにしておきましょう。もちろん、転職理由で嘘をつくことは良くありません。面接時にバレなくても、入社後にミスマッチが起きてしまったり信用を失ってしまったりする可能性があります。
明確な転職理由を見つけることができなかった場合は、正直にその理由を伝え、その問題を改善するためにどのような行動を取ったのかを伝えましょう。上司への相談など、状況を改善するために努力した姿勢を示すことが大事です。
もしそれもできないまま辞めてしまったのであれば、今後同じようなことが起きたらどういう行動をするかを考えて伝えましょう。
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熱意や意欲
ジョブホッパーは、採用しても長続きしないのではないかと思われがちです。いくら経験をアピールしても熱意が伝わらなければ採用してもらうのは難しくなってしまうでしょう。
そのため「御社では長く働いてキャリアを積みたい」と誠心誠意熱意を伝えることが大事です。
また、転職先でどのような仕事をしたいかといった意欲的な姿勢を示しましょう。
例えば「A社での○○という経験と、B社での○○の実績は、御社での□□という仕事にきっと活かせるはずです。」と具体的に伝えることができれば、企業側も「これからの仕事のことを真剣に考えている」と理解してもらえるはずです。
熱意や意欲はきっと伝わります。ポジティブな姿勢でアピールしてください。
まとめ
ジョブホッパーだからと言って、自身のキャリアを諦める必要はありません。また、ジョブホッパーはマイナスイメージだからと転職回数が増えることを恐れ自分の理想のキャリアを諦めるのはもったいないこと。
キャリアプラン作りや自己分析で自分について理解し、工夫することで、逆にそれが強みとしてアピールできるようになります。
まずは自分としっかり向き合うことから始めてみましょう。
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