逆算思考ができる人は、いつでも仕事の全体像(目的・プロセス・結果)を想定しています。一方、逆算思考ができない人は、仕事の大事なポイントを抑えられていいないことが多く、時間のロス・ミスの連発は日常茶飯事です。
周りと同じ環境で、同じ仕事をしていても、圧倒的に高い成果を出せる。そんな仕事ができる人の共通点、「逆算思考力」をするための5つのポイントをまとめてみました。
目次
逆算思考のやり方【5大原則】
逆算思考のするために必要な5つの原則は以下の通りです。
①目的を意識し続ける
②5W2Hで整理する
③スピード・正確さ・量の優先順位をつける
④必要なモノだけ持つ
⑤躊躇せず頼る
順番に解説していきます。
①目的を意識し続ける
逆算思考ができる人は、仕事の目的を忘れません。意識し続けています。
「これは何のために必要なの?」
「誰が求めているの?」
「いつ使うの?」
任された仕事の目的を、正確に理解しているので、これだけは外せない”重要ポイント”を抑えて成果を出すことができます。
目的意識を持って逆算思考ができている人の具体例を挙げてみます。
逆算思考が得意で気の利く部下Aさんがいました。上司から役員会議の資料を白黒コピーしてほしい。と頼まれたところ、「このままコピーすると字が潰れてしまうかもしれません。あと白黒コピーしてしまうと、2ページ目にあるこの図のカラー部分が見えなくなってしまいます。データから直接印刷して調整いたしますので、データの格納先教えて頂けますでしょうか?」その後見やすい状態に整えられた資料には、ページ番号も付いていました。Aさんは「役員会議で参加者全員が会議の概要を知るための資料である」という目的から逆算したのです。
指示通りに動だけの”受動的な働き方”と、逆算思考は相反するものでしょう。逆算思考には、与えられた情報を元に目的を汲み取り、自ら考え、実行する”能動的な働き方”が求められるのです。
逆算思考を体現している人は”自立”も”自律”もしている?
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仕事の目的を確かめるためには、与えられた情報をもとに5W2Hで整理するのがオススメです。外せない重要ポイントが導き出せるでしょう。
Why[なぜ?]
目的・理由を明確化:無駄な仕事をせず、効率的に進められる
What[何を?]
仕事内容、依頼内容を明確化:抜け漏れがなくなる
When[いつ?]
納期、必要日を明確化:計画的に進められる
Who[誰が?]
誰に向けてか、誰とやるかを明確化:大事なポイントを把握する
Where[どこで?]
成果をどこで使うのか、を明確化:大事なポイントを把握する
How[どうやって?]
方法・手段を明確化:優先的にやるべきことが整理できる
How muchh[いくらで?]
費用を明確化:予算を考慮した進め方ができる
5W2Hで整理すると、逆算思考に欠かせない“仕事の全体像把握”が可能になります。
仕事は基本的に、早く仕上げる方が評価されます。すぐに取り掛かりたくなるのも無理はありません。それでも、経験値が足りない場合は、最適なアプローチがすぐに浮かばないもの。「仕事の整理」から始める方が、最終的なスピードも成果も上がります。
③スピード、正確さ、量の優先順位をつける
目的意識を忘れない、5W2Hで仕事を整理する。続いて、逆算思考に大切なのは、スピード、正確さ、量の優先順位付けです。
質にこだわりすぎて過大に時間を使ってしまう。スピードを重視したら、ミスだらけ。量を意識したら、意味のない無駄が発生。なんて経験はありませんか?
例を挙げてみます。
・社外文書の作成
ビジネスマナーに沿った体裁が整っているべき。
・営業リストの作成
量が求められる傾向が多い。
上司がいる場合は、基本的に”スピード”は重視すべきでしょう。早く仕上げてFBをもらう方が効率的だからです。
それでも、仕事の目的に合わせて重視すべきものを把握しておきましょう。
この仕事は特に、”正確さ”を重視すべきだろう
この仕事は特に、”スピード”を重視すべきだろう
この仕事は特に、”量”を重視すべきだろう
逆算思考ができる人は、スピード、正確さ、量、3つの重要度を加味して仕事を進めています。ゆえに、過不足の少ない、求められている成果を出せるのです。
④必要なモノだけ持つ
職場のデスクに、1ヶ月以上使ってないモノはありませんか?PC内では、どうでしょう?不要なブックマーク、ファイルはありませんか?
逆算力のある人は、常に「今取り組んでいる仕事に必要なモノだけ」を揃えます。仕事の全体像が見えているため、不要なモノが時間を奪うと理解しているからです。
「いつか使うかもしれない」という言い訳は、基本NG。仕事に関係のない不要物は、その都度捨てていきましょう。捨てるか判断するためにも、絶えず目的を把握しておかなければいけません。
⑤躊躇せず頼る
自分だけで仕事がこなせる人はそうそういません。新人であれば、なおさらです。逆算のできる人は、自分の持っていないスキル、経験、情報を持つ社員を知っています。そして、取り組んでいる仕事に合わせて、適切な人を選び、臆せず頼ります。
それが成果を出すための最短コースだと知っているからです。
しかし、周りの人を頼るためには、助けてあげたい人でいる必要があります。図々しい人にならないためには、謙虚さ、素直さ、真剣さが欠かせません。
職場で好かれる人の特徴は以下の7つ。意識してみましょう。
感謝を伝える
聴く力が高い
素直で嘘をつかない
清潔感がある
遠慮しすぎない
挨拶ができる
人のせいにしない
職場で嫌われる人の特徴は以下10個です。注意しましょう。
人の話を聞かない
常に上から目線
否定的な反応が多い
相手によって態度が変わる
清潔感がない
敬語が使えない
すぐ怒る
人の時間を大切にしない
不平不満ばかり話す
挨拶をしない
逆算思考ができる人が周りを頼ることができるのは、”助けてあげたい”と思われる信頼のある人だからでしょう。普段の習慣・癖をより良く改善することも大切です。
逆算ができる人とできない人の違い
逆算思考ができる人の特徴は以下6つです。
仕事の効率が良い
ミスが少ない
高いアウトプットを出す
出世が早い
信頼される
やる気がある
無駄がなくスピーディに、高い成果を上げられる社員は評価されます。評価されると出世も早い。周りからの信頼度もグングン上がっていきます。仕事もやりやすくなるでしょう。
仕事が上手くいき、役職UPに伴い給料も上がれば、やる気が上がらないはずがありません。逆算思考は、仕事が上手くいくために欠かせないスキルであることは明白です。
目標・ゴールを自ら設定する
任された仕事だけでなく、自分自身のキャリア・人生の目標・ゴールを考えておくのも大切です。
①進むべき方向がわかる
(選択への後悔・迷い・不安が減る)
②有意義に時間を使える
(無駄に感じる時間を減らせる)
③達成感を味わえるようになる
(成長感のない日々から脱出できる)
④行動力が磨かれる
(何もしてない後悔が減る)
⑤前向きな気持ちを持ちやすい
(ネガティブ思考が減る)
(目標・ゴールを持つメリット5つ)
目標は必ずしも何かを「達成」をする必要はなく、自分が「ありたい状態」でも構いません。自分らしい目標を見つける6つの方法は以下。
①幼少期に夢中になっていたことを思い出す
②長時間できることを考えてみる
③人より簡単にこなせることを考えてみる
④周りに”自分の良いところ”を尋ねてみる
⑤嫌いなこと洗い出してみる
⑥新しいことに挑戦する
また、実際に目標を立てる際には以下4点に注意しましょう。
①”成長感”を重視しよう
②”目的”と”手段”を分けて考えよう
③周りの人と比べ過ぎない
④SMARTの法則を心がける
すべての項目のさらなる解説・具体例は以下の関連記事をご覧ください。
関連逆算思考はゴルフに学ぼう
逆算思考を忘れがちなときは、ゴルフを思い出しましょう。
ゴルフコースには、決められた位置にゴールの穴があります。1打目は2打目に、2打目は3打目に。連続する動作の全ては、できるだけ少ない打数でゴールの穴に入れること。
途中でゴールの存在を忘れ、あらぬ方向に打つことは、まずあり得ません。まさに逆算思考ありきのスポーツです。
しかし、仕事になるとどうでしょう。今取り組んでいる仕事のゴールはどんな状態になったとき?そのためには何が必要?無駄なことはしてない?
ゴルフに習い、まずはゴールを定めましょう。目的を絶対に忘れないこと。目的を把握するためにも仕事を5W2Hで整理すること。
スピード、正確さ、量を見極め、過不足のない最短アプローチをしていきましょう。
さらに、不要なモノを捨て、無駄な時間を減らすこと。最後に、臆することなく周りを頼りましょう。
①目的を意識し続ける
②5W2Hで整理する
③スピード・正確さ・量の優先順位をつける
④必要なモノだけ持つ
⑤躊躇せず頼る
5つの原則を続けていけば、着々と逆算思考力が研ぎ澄まされていくはずです。
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