資格取得やスキルの習得など、独学で勉強に取り組む人も多いですが、独学での勉強は強い意志が必要。継続できず、途中で挫折してしまうケースも少なくないようです。
独学に潜む落とし穴にはまらず、効率的に学習するにはどのようなコツが必要なのでしょうか。知っておきたい独学のコツを紹介します。
目次
独学のメリット
学習には、独学に限らず、通信講座やスクールへの通学など複数の方法があります。そんな中、多くの人が独学を選択するのは、独学に大きなメリットがあるから。
他の学習法には無い独学のメリットを解説します。
自分のペースで学習できる
自分で学習スケジュールや進行ペースを自由に決められるのは独学ならではのメリット。通信・通学講座は有効期間が決められていることが多く、それに併せて学習を進めざるを得ません。
時間に融通が利きにくい社会人はやりづらさを感じることもあるでしょう。その点、独学は自分の生活リズムを保ちながら、無理なく学習できるのは良いですよね。
コストがかからない
独学は通信・通学講座などに比べコストが抑えられることがほとんど。講座は独自の教材や専門講師を用意しているため、その分費用も高額なことが多いのです。通いの場合、交通費もかかるでしょう。
一方、独学は基本的に市販のテキストや筆記用具のみでの学習なので、低コスト。通信・通学講座と独学で、数十万単位の費用の差が出ることもあります。
自分のスキルに合わせてカスタマイズできる
学習を進めていくと「この分野は得意」「この分野は苦手」といった自分のスキルが見えてくるでしょう。独学であれば自分のスキルや習得状況に合わせた学習が可能。苦手分野に徹底して時間をかけるなどカスタマイズができます。
一方の通信・通学講座は、個人に合わせた学習内容になっているわけではありません。あらかじめ決められた項目に沿って学習を進めていく講座が大半です。
資格・スキルによっては1対1で講師がつき自分の能力に合わせた学習ができるものもありますが、多くは費用が上がります。
費用や進行ペースを気にせず自分に合った学習ができるのは独学の大きなメリットと言えるでしょう。
独学の落とし穴
メリットに惹かれ独学を試みるも、独学の落とし穴にはまり、目標達成前に離脱してしまう人も。気を付けたい独学の落とし穴を解説します。
モチベーションの維持が難しい
独学で安定した学習を継続していくにはモチベーションの維持が重要です。しかしうまく進んでいるときもつまずいたときも、自分1人の環境はモチベーションが保ちにくいもの。
気持ちが乗らなければ簡単にやめられる点も、悪い方に働いてしまいます。結果、モチベーションが保てず途中で挫折してしまうことに。
「絶対にやりきる」という強い意志がなければ、独学は成功し難いと言えます。
正しく学習できているかがわからない
独学は通信・通学講座のように講師がいるわけでないため、自身の判断で学習を進めなければなりません。間違った理解をしていたり非効率な学習をしていたりしても、気づかずに突っ走ってしまう可能性もあります。
自分の学習法は正しいのかという不安は自信喪失につながり、学習への意欲を低減させてしまうこともあるでしょう。
独学のコツ
独学の落とし穴を知ると独学に不安を感じてしまうかもしれませんが、コツを掴めばデメリットも払拭できます。独学のコツを知ったうえで、今後の学習方法を検討しましょう。
スケジュールと目標を明確に定める
独学ではだらだらと学習し、結果飽きて挫折してしまうケースが多いもの。しっかり学習を進行するには「いつまでに何をするか」を明確にすることが大切です。
「1年後の試験で合格する」という大枠の目標だけでなく、「今月中にこのテキストを読み終える」など、細かい区切りでスケジュールと目標を立てていきましょう。
ここで役立つのが「SMARTの法則」。「具体性」「計量性」「達成可能性」「関連性」「期限」を明確に定めることでやるべきことを具体化する方法です。目指すべきゴールがはっきりするとより意欲も高まります。
Specific(具体性):具体的な目標を立てる
例:「英検2級に合格する」など
Measurable(計量性):数値で表す
例:「英検2級に合格するため単語を50個覚える」など
Achievable(達成可能性):現実的に達成できる目標を建てる
例:「単語を1日2個までなら覚えることが可能なので1日2個覚える」など
Relevant(関連性):最終目的に合致した目標を立てる
例:「英検2級合格に必須の英単語を覚える」など
Time-bound(期限):期限を明確に決める
例:「英検2級合格に必須の英単語を1日2個、25日で50個覚える」など
日常に組み込む
毎日少しずつでも学習を進められるよう、日常生活の中に学習を組み込みましょう。
・通勤の電車の中でテキストを読み進める
・入浴時間を使って単語を3つ覚える
このように日課の中に学習を組み込めば、その学習も習慣化し継続しやすくなります。独学で何よりも難しいのが継続すること。苦痛を感じずに継続できる方法を見つけましょう。
進行を目に見える形で表す
「自分はこれだけ頑張っている」「これだけ進めている」というのを目に見える形で記録していくと、モチベーションアップにつながります。
幼い頃、お手伝いをしたらカレンダーにシールを貼る、なんてことをした経験ありませんか?これがまさに目に見える形の記録。「これだけ今日まで頑張ったのだから明日も頑張ろう」という気持ちになりますよね。
15分勉強したら1マス塗りつぶしドット絵を完成させていく、なんて方法も良いかもしれません。具体的な項目ごとの進行状況を記録するガントチャートを作成するのもおすすめ。
「jooto」「Redmine」など無料でガントチャートを作れるツールもあるので活用してみてはいかがでしょうか。
仲間を見つける
同じく独学で頑張っている仲間を見つけるのもおすすめ。孤独感から解放され学習に前向きになれます。それだけでなく、効率的な勉強法などの情報交換もでき、一石二鳥。
身近に仲間がいなければ、SNSで探してみてもよいでしょう。
InstagramやTwitterでは、勉強専用アカウントを作成しハッシュタグに勉強している資格名を入れて配信したり、逆にハッシュタグ検索したりして勉強仲間を見つける人も増えています。
また、学習アプリ「Studyplus(スタディプラス)」など、同じ学習をしている人同士で意見交換ができるアプリもおすすめです。
勉強したことをアウトプットする
学んだことを定期的にアウトプットすると、スケジュール感や目標の達成度を客観的に分析しやすくなります。おすすめはブログやTwitterなどに学習記録を書き込んでいくこと。
・今日の進行状況(テキスト名やページ数など)
・今日学習した項目や内容
・今日の反省点
このように毎回書き込む項目を決めておくと後からでも見返しやすく、進み具合を振り返りやすいです。
また、学んだ内容を理解し、人に伝わるようまとめて文章に落とし込むのは、理解を深めるよいトレーニングになります。「仲間を見つける」で紹介した、独学仲間を見つけるのにも役立つでしょう。
スマホと距離をとる
SNSやアプリの利用がおすすめと記載しましたが、スマホにかかりきりにならないように注意が必要です。スマホの使い過ぎは眼精疲労を招き集中力が低下するなど学習に悪影響。
適度にスマホと距離をとりたところですが、ついついスマホを手にしてしまう人は1日のスマホ使用時間などがわかる「スクリーンタイム」や通信・着信を一時的にできなくする「おやすみモード」などを利用してみましょう。
スクリーンタイムで一定時間を超えたらおやすみモードに切り替えれば、スマホの利用時間は一定時間で済みますね。
また、スマホをしまう箱をつくり決めた時間以外は箱から出さない、つい見てしまうSNSはホーム画面に置かない、など工夫して上手にスマホと学習のバランスをとりましょう。
デジタルウェルビーイングとは|スマホとの心地よい距離を知ろう【実践方法】
まとめ
独学は自分との闘い。心が折れそうになってしまうこともあるでしょう。しかし、独学に成功すれば、大きな自信につながります。さらに次のステップに進もうという意欲も湧いてくるはず。
独学を極めることができれば、やる気次第でどんどん自分の価値を高められます。諦める前に、独学のコツを把握してぜひ挑戦してみてください。