「目標があるのにモチベーションが続かない」と悩む人は多いでしょう。やる気があるのに行動に移せないのはセルフコントロールがあまいからなのでしょうか。
セルフコントロールとは「自分で自分のモチベーションをコントロールすること」。一流のスポーツ選手はうまくコントロールして、常にハイパフォーマンスができるようにしています。
仕事をするうえでもセルフコントロールは必要不可欠なスキル。コントロールできると、自分の感情や周囲の状況に大きく左右されることなく業務に向かえます。
この記事ではセルフコントロール力が高い人の特徴を知り、セルフコントロール力を高める方法を紹介しています。なりたい理想像を想像しながらセルフコントロール力を高めましょう。
目次
セルフコントロールとは
セルフコントロールとは「誘惑に晒されて、望ましくない衝動、抑えなくてはいけない感情・思考や行動が起こってしまいそうになる場面で、自分自身の反応をより良い方向に変えていくこと」。
仕事において考えると、さまざまな誘惑や周囲の意見に左右されることなく、自分の目標に向かって進むべく自分をコントロールすること、となります。
仕事のモチベーションは、周囲の環境や自分の気分に左右されるものです。気分が良ければ仕事もはかどり、気分が落ち込んでいる時にはなかなか集中できませんよね。
しかし気分に左右されていては安定した業績を上げることはできません。自分の感情をうまくコントロールして業務に集中することが必要となります。
セルフコントロール力は常に安定した仕事をするために必要な力です。
参考:LINK UP TOYO 毎日の習慣でセルフコントロールを簡単に身につける方法を専門家に聞いた
セルフコントロール力を高めるメリット
セルフコントロールを高めると、どんな良いことがあるのでしょうか。
失敗を成功の一歩にできる
セルフコントロールができていると、失敗によって集中力が欠けそうになる自分をうまくコントロールして気持ちを切り替えられ、失敗を成功への一歩とできるのです。
いつまでも失敗に固執し、他の業務に支障をきたすようなことはありません。失敗を真摯に受け止め反省しながらも、再発しないような対策を練り今後につなげようとするでしょう。
目標を達成できる
目標達成への大きな壁となるのが、モチベーション。セルフコントロールができている人は自分の性格、習慣を客観的に把握できているため、モチベーションが下がった状態をどうすれば打開できるか知っています。
・今は時間が必要だから、焦らずゆっくりと向き合う
・今はとにかく行動すればモチベーションが上がる時だ
このように自分の状態を見極めて、モチベーションが下がった状態から迷いなく抜け出せるため、目標に向けてどんどん進めるでしょう。
余裕が生まれる
セルフコントロールができている人は、自分がコントロールできる範囲を知っているため、周囲の目には余裕があるように見えます。過去を思い出したり、未来を予想すると心配になることがありますよね。
しかしセルフコントロールができている人は、「過去や未来を変えるには今に集中するしかない」と知っているため、心配しすぎて不安になることはありません。
不測の事態が起こったとしても、焦って不安にならないよう自身をコントロールできるので、リスクに対して心配し過ぎることはありません。
変えられないものに失望しない
セルフコントロールができている人は「変えられるもの」と「変えられないもの」を分類し認識しているため、「変えられないもの」が変えられないといつまでも心配し続けること、結果として変えられなくて失望することはありません。
例えば過去の出来事は、今から何をしても変えられるものではありません。「あの時こうだったら」と「たられば」の話をしても悲観的になる一方です。しかし今をどう生きるかで、「あの出来事があったおかげで今がある」と印象を変えられます。
セルフコントロールができている人は「変えられないもの」についてはきっぱり変えられないと割り切っているため、失望することはありません。
セルフコントロール力が高い人の特徴
セルフコントロール力が高い人の特徴から、「どうなればセルフコントロール力が高いといえるのか」学んでいきましょう。
完璧主義ではない
セルフコントロールができている人は完璧などあり得ないと考えているため、完璧を求めることはありません。
万が一ミスしても「こんな自分はダメだ」と自分を否定することはなく、ミスを素直に認め再発防止への対策を考えることで前に進んでいくのです。
完璧であるべきと考えていると、ミスを恐れるあまり集中できずかえってミスすることもあるでしょう。何をしてもまだ足りないと不安が募り、精神的なストレスが大きくなってしまうため、目標半ばで諦めてしまうかもしれません。
セルフコントロールができている人は誰にでもミスはあると考えているため、ミスを恐れて不安になることはないのです。
自分の価値観を理解している
セルフコントロールができている人は自分の価値観をよく理解しているため、周囲の評価やウワサに左右されません。
例えば、自分ではこなせないような業務を打診されたとき。セルフコントロールができている人は自分の価値観で考えた結果、自分の目標達成に必要な業務を選んでストレスフリーに仕事をするでしょう。
何を良しとするか、何に達成感を感じるかは人それぞれ。過去の経験から自然と身についている独自の価値観を信じているのでしょう。
セルフコントロールを高める方法
セルフコントロールを高める方法を紹介します。
ネガティブな気持ちを書き出す
セルフコントロールを高めるためにとても重要なことは「ネガティブな自己暗示」を避けること。つい「私には無理だ」と思ってしまうことはありませんか?
そのような時は被害妄想や不安からネガティブに考えてしまうことが多く、実際にそのことが起こるとは限りません。だからこそ解決策が見つからず、どんどん悲観的になってしまいます。
「絶対そんなことはない」「そんなことが起きるなんて最悪」というフレーズが頭に浮かんできたら要注意。ネガティブ思考の始まりかもしれません。紙に書き出して頭の中から取り出しましょう。
書くことで思考を客観視でき、それが事実か心配にすぎないのかを判断できます。ネガティブな思考は紙に書きだし、ポジティブな思考だけを頭に残すようにしてセルフコントロール力を高めましょう。
書き出すことでストレス解消!?感情を紙に吐き出そう!【方法・効果】
感情の波に素直に従う
「どうしてもやる気が起きない」「どうしてもスマホを見たい」という誘惑が非常に強く勝てそうもないと感じたら、一旦その気持ちのまま行動してしまいましょう。
あえて強い欲求に従うことで一定の満足が得られるため、心の負担は軽減し本来しなければならないことに集中できます。
ただし長くても10分。ルールを定めないと強い欲求にずるずる負けてしまう恐れもあるため、タイマーをセットするなど工夫しましょう。
参考:gtdで効率化 セルフコントロールができる人の12の特徴と対処法
HUFFPOST 12 Ways Successful People Stay Productive And In Control
「変えられるもの」と「変えられないもの」を意識する
「変えられるもの」と「変えられないもの」を分類して「変えられるもの」のみに集中していきましょう。「変えられないもの」に固執しているとセルフコントロールは難しくなります。
「変えられるもの」
・自分
・思考(判断する、想像する、認識する、など)
・行動(食べる、歩く、話す、など)
・未来
「変えられないもの」
・他人
・感情(楽しい、悲しい、腹立たしい、など)
・生理反応(頭が痛い、汗をかく、眠い、など)
・過去の出来事
よく「感情をコントロールする」という表現を目にしますよね。しかし感情自体はコントロールできません。思考や行動によって、感情を変えられるのです。
例えばプロテニスプレーヤーの錦織圭選手の試合中の様子から、思考と感情の関係をみていきましょう。錦織選手はミスをしてコートにラケットを打ちつける時がありますが、調子が良くセルフコントロールできている時は、同じミスでも表情を変えません。
感情をコントロールしているように思えますが、実は「起きてしまったミスは過去のもの。変えられない」と認識できているため、感情に表れていないのです。
アプリを利用する
さまざまな誘惑に負けないために、アプリを利用しましょう。
例えば「自分ルール」。 達成したいものを登録し、それができたらポイントがたまっていくアプリです。
誘惑があってもポイントをためようと我慢するため、目標に向かうよう自分をコントロールする力がつきます。たまったポイントは、ご褒美と交換可能です。
あるいは「Studyplus」。社会人でも自己啓発のため勉強する人は多いでしょう。Studyplusは自分の勉強時間を可視化できるだけでなく、同じ目標を持つ仲間と励まし合うことができます。
セルフコントロールできなくなった時、仲間の存在が支えてくれるでしょう。
スマホそのものが誘惑となってしまう場合には「Forest」。設定した時間スマホに触らなければ木が育ちますが、誘惑に負けてスマホに触れてしまうと即、木が枯れてしまう仕組みです。
アプリの力を借りて自分をコントロールする練習することで、セルフコントロールの力が高まり、やがてアプリを使わなくても誘惑に左右されなくなるでしょう。
成果を友人と共有する
セルフコントロールについて友人に話すと、モチベーションを持続しやすくなります。誘惑に負けそうになっても友人に話した以上、達成していないと恥ずかしいと思ってモチベーションを保つことができるのです。
例えば、運動不足解消のため週末にはウォーキングをすると決めたら、ランチで友人にその決意表明をしましょう。次のランチの約束をし、そこで達成状況を報告する予定を立てます。
約束の日までにウォーキングをしていないと友人との約束を破ったような罪悪感が生まれ、誘惑に負けることなくウォーキングを続けることができるでしょう。
友人と一緒に始める
何事も一緒に挑戦する仲間がいると心強いものですね。セルフコントロールの練習も、ぜひ友人と一緒にやってみましょう。
セルフコントロールをするには自分がどういう価値観を持ち、どういう性格の持ち主なのかを捉えるのが最初の一歩。そこからその価値観がぶれないよう練習していきます。
例えば「三日坊主になってしまう」という共通の悩み。
定期的にお互いの進捗状況を確認していると、努力は苦手と思っていたのに友人からは「努力家」と見られていたり、なんでも完璧と思っていた友人が実はだらしない一面を持っていたり、思いがけない発見があるかもしれません。自分の新たな一面を発見することで視野が広がり、自分の理想像をより具体的に考えられるでしょう。
また、他人の評価を気にせず自分の基準で行動したいと考えている時には、友人がぶれないように助けてくれます。ミスしたことを周囲に笑われたと愚痴っても、「周りは気にしない!」とひと言。自分に集中することを思い出させてくれるでしょう。
セルフコントロールができれば一緒に喜ぶ、失敗したら慰めあうなど1人では投げ出してしまうような場面も友人と一緒なら乗り越えていけるでしょう。
まとめ
仕事には不可欠なセルフコントロール力は後から高められる力です。この記事を参考にして、できる方法を試してみてください。