心の知能指数と呼ばれる「EQ」とは、自分と他者の感情を正しく認識し、適切なコントロールができる能力のことです。
心理学者ダニエル・ゴールマンの著作『EQ こころの知能指数 』から一躍注目を浴びるようになり、現在では企業の採用・教育に活用されるほど、一般的な言葉となりました。
日常生活で抱える大半の悩みには、”人”が絡んでいることもあり、EQは「誰もが一生をかけて向上をさせていくべき能力」かもしれません。本記事では、そんな「EQ」に関わる情報を以下の順で解説していきます。
「EQ」とは|意味・捉われ方
「EQ」が低い人の特徴一覧
「EQ」が高い人の特徴一覧
「EQ」を高める具体的な方法
「EQ」を正しく理解することで、
抱えている悩みの原因
対人関係における大切なこと
対人スキルの改善点
など、いまの自分に必要な気づきが得られるかもしれません。
目次
「EQ」とは|意味・捉われ方
「EQ」とは、ひと言でまとめると「自分と他者の感情を正しく認識し、適切なコントロールができる能力」のことです。
しかし「EQ」という言葉は、明確に定義されていません。また、感情コントロールではなく、感情表現の技術の側面を含む場合もあるようです。
この場合の感情表現は言葉・行動・表情などでしょう。つまり、「EQ」とは、「自分と他者の感情を正しく認識し、適切なコントロールができる能力」であり、且つ「それを踏まえて適切に表現できる能力」であるとも言えるのです。
「EQ」が低い人の特徴一覧
それでは、「EQ」が低いとされる人の特徴を一覧で紹介します。
・自己中心的な言動/行動が多い
・すぐ怒る
・協調性に欠けている
・謙虚さが欠けている
・権限を振りかざす
・平気で人を傷付ける
・人目を気にしなすぎる
・許す行為ができない
・愚痴/悪口が多い
すべての特徴に共通するのは「他人に迷惑をかけていて、自覚できていない。もしくは、それを問題視していないこと」です。
一覧を踏まえ、「EQ」は、いわゆる「人間力」と言い換えることができるのではないでしょうか。
「EQ」が高い人の特徴一覧
一方で、「EQ」が高いとされる人の特徴を一覧で紹介していきます。
・観察力が高い
・上手に言葉を選ぶ
・気遣いができる
・聴く力が高い
・相談しやすい
・相手を尊重している
・自分の長所/短所を把握している
・逆境に強い
・他人のせいにしない
・想いやりがある
相手の感情を読み取る力が優れていると、
「何をしたら喜ぶのか?」
「何をしたら悲しむのか?」
上記質問のように、相手の要求を素早く認識することができるのです。
行動はもちろん、ちょっとした仕草・表情、一つ一つの言葉選び、タイミングなどありとあらゆる要素を工夫し、状況に合わせた適切なことができるので、「尊敬される人」である可能性が高いです。
「EQ」を高める7つの具体的な方法
それでは、上記の特徴を踏まえ、「EQ」を高める具体的な方法を紹介していきます。
・聴く姿勢を意識する
・相手の良い部分を認める習慣を持つ
・1日の行動と感情を書き出す
・嘘をつかない
・感謝したことを思い出す
・幸せを感じるモノ/コトに触れる
・許しが「人間的な成長」につながることを理解する
簡単に始められて、効果を実感しやすい3つを厳選して解説してきます。自分に合った方法を実際に試してみましょう。
聴く姿勢を意識する
これまでよりも話を聴く姿勢を大事にしましょう。相手の感情を理解するためには、相手の想いを言葉で直接聞くことが有効な手段になります。
聴く際には、以下のようなことを考え、相手への興味/関心を持ちましょう。
「相手がどんな気持ちを持っているのだろう?」
「どんな言葉をかけてあげられるだろう?」
「かけるべきでない言葉はなんだろう?」
「聴くだけがベストかもしれない」
また、聴く姿勢に関する細かい部分では、
・適切な相槌
・理解を表す反復
・適度に相手の目を見る
なども取り入れてみましょう。
相手への興味/関心が湧かないときはどうすれば良いの?
という疑問を持つ人も多いでしょう。仕事上、付き合わなければならないと感じてしまう相手もいるはずです。
その際は、
「無理に興味/関心を持とうとしない」
ことが重要です。
それよりも、「興味/関心のない人」とも良好な人間関係を築ける人こそ「EQ」の高い人であり、自身の人間的成長につながる一歩である。と考え、相手との対話を大切にしましょう。
真摯な態度を見せられれば、相手が心を開き、「興味/関心が湧く」新たな一面を見れる可能性もあるはずです。
相手の良い部分を認める習慣をつける
相手の良い部分を見つけ、それを認める習慣をつけましょう。無理に相手を褒める必要はありません。
「あの人のこういう部分が素敵だな」
「あの人のこういう部分は真似したいな」
など、周りの人が持っているポジティブな特徴に目を向けることが大切です。
人との信頼を生むためには互いの「尊敬度」が重要になります。
尊敬されることはもちろん大切ですが、大前提として「相手を尊敬している」ことが、互いの素直な感情表現に結び付くでしょう。
「EQ」の高い人は、「相手の素直な感情表現を引き出せる、良い関係がつくれる」特徴を持っているとも言えるのです。
1日の行動と感情を書き出す
自分の行動と、その都度感じていた感情を書き出してみる方法もおすすめです。
行動と感情は結び付いているので、「なぜこの行動が、この気持ちを生んだのか」を客観的に分析することができます。
例えば、上司から理不尽に業務を振られた際に、「なぜ私だけに業務を振るんですか?」とイライラを言葉にしてしまったとします。その場合、
「なんで自分だけ?」と強く反感の言葉を発してしまう→「怒った」
とメモをし、冷静に「怒りの原因」を客観的に分析してみましょう。
よくよく考えると、
「周りのメンバーも必死に業務をしていた」
「振られた業務は5分で終わるものだった」
「頑張ればスキルアップにつながる業務だった」
「本来の業務に余裕がなかった」
「上司も一杯一杯で、頼み方が雑になってしまっていた」
など、その時に起きていたあらゆる情景を想像できるかもしれません。事実でなくても構いません。
次に同じ状況を迎えたとき、「多くの視点」から物事を捉えることができれば、感情コントロール力と感情表現力は高まり、「EQ」が向上していると実感できるはずです。
まとめ
「EQ」の低い人が持つ特徴は以下の通りです。
・自己中心的な言動/行動が多い
・すぐ怒る
・協調性に欠けている
・謙虚さが欠けている
・権限を振りかざす
・平気で人を傷付ける
・人目を気にしなすぎる
・許す行為ができない
・愚痴/悪口が多い
反対に、「EQ」の高い人には以下のような特徴がありました。
・観察力が高い
・上手に言葉を選ぶ
・気遣いができる
・聴く力が高い
・相談しやすい
・相手を尊重している
・自分の長所/短所を把握している
・逆境に強い
・他人のせいにしない
・想いやりがある
以下のような強みも持っているはずです。
・相手の素直な感情表現を引き出せる、良い関係がつくれる
・興味/関心のない人とも良好な人間関係を築ける
最後に、「EQ」を高める効果的な方法は、以下の3つです。
「EQ」を高める効果的な方法
- 聴く姿勢を意識する
- 相手の良い部分を認める習慣をつける
- 1日の行動と感情を書き出す
「やってみたい!」「やれそう!」と思った方法から、少しずつ試してみましょう。「EQ」を高めて、対人関係の悩みを克服すれば、よりよい人生が待っているはずです。