仕事をし始めるとを必ず耳にする「生産性」の言葉。
「もっと効率的に仕事を終わらせたいなぁ」
「どうして仕事がなかなか進められないんだろう」
「あの同僚は自分より早く帰っているのに成績がいい・・・羨ましい」
このような悩みを解決させるために必要な生産性の向上。
働き方改革や在宅勤務・テレワークの浸透もあって、会社で「長い」時間働くよりも「短い」時間で同じ成果をあげられることがより重要な時代となりました。個人からだけではなく、企業から見ても従業員の生産性向上はこれからの命題なのです。
本記事では生産性の意味やメリット、そして具体的なアクションプランをご紹介します。
目次
生産性とは
そもそも生産性とは何でしょうか。
生産性はずばり、
アウトプット(産出量)÷インプット(投入量)
で表現できます。
産出量は仕事で得ること、生み出すことができた成果。
製造業で言えば商品や部品、オフィスワークで言えば資料やデータ、営業で言えば商談件数や受注件数を指すでしょう。
投入量はそのために投資したもの、上記の例で言えば素材や製造機、費用、人件費、所要時間などが挙げられます。
つまり生産性とは「どれだけの投資でどれだけ生み出せたか」という意味なのです。
シンプルな表現で例をあげると「10枚の資料を作成する(産出量)のに1時間かかる(投入量)人」と「10枚の資料を作成する(産出量)のに3時間かかる(投入量)人」では生産性は3倍違うということになります。
同じような文脈で業務効率化という言葉も使われますが、それは「インプット(投入量)を下げて同じ成果を上げられる=今より短い時間で同じ業務量を完遂できること」を指します。
業務効率化は生産性向上の一つと言えるのです。
生産性を上げるメリット
実際に生産性を上げると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主な3つのメリットを紹介します。
時間に余裕ができる
生産性が高いということは同じ成果を上げるための必要な時間が短くなるということです。突き詰めていけば、今より短い時間で今より大きい成果を上げられることができるようになります。
例えば、1つの企画を承認されるまで3日かかっていた人が1日で2つの企画承認まで終わらせられるようになるイメージです。
そうするとまた新しい時間が生まれ、プライベートで友人や家族と過ごせる時間が増えたり、より期待の大きい仕事を任されたりするようになります。
余計な仕事をしなくて済む
生産性を上げるには仕事におけるより本質的な部分を捉えることが重要になります。
「短い時間で高い成果を」という意識があれば、仕事を任された時に「この業務も一緒に任されたけど、省いても問題ないな」と気づけるようになるので、言われたことをただやるだけの指示待ち状態から脱却できるのです。
受動的な状態から主体的な状態になると周囲からも「生産性が高い人」というイメージがつき、そもそも余計な仕事は振られない好循環につながるでしょう。
サボれる
意外かもしれませんが、筆者の身の回りで生産性が高い人はほぼ100%サボるのが上手です。
なぜかというと「いつまでに何を終わらせればいいか」を完璧に理解している、つまり「抜きどころ」がわかっているから。
サボるというと良い印象を持たれない方も多いかもしれません。しかし、サボりが上手というのは、自分で自分の時間がコントロールできることなのです。
具体的には、どうしても気分が乗らない日は単純作業しかやらない、プライベートな用事がある時は早めに仕事を終わらせる、昼寝で体力を回復できるなどのさまざまな工夫をしています。。
生産性が高いと聞くと一日中ひたすら仕事をしている「仕事大好き人間」を想像するかもしれませんが、自分でメリハリをつけた働き方ができる人になれるのです。
効率を上げるには”サボりたい”が大事!?効率化する7つの方法
個人でできる生産性を向上させる方法5選
ここからは皆さんも意識すれば、一人で実行できる生産性を高める方法について5つご紹介します。
実行の前にアウトラインを確認する
仕事における一番の無駄は「やり直し」です。
上司から仕事を任され、言われたままにやって報告したら「あーこれ言うの忘れてた、ここやり直しといて」なんて経験ありませんか?
生産性が高い人はそんな無駄は起きません。なぜなら実行する前にアウトライン=大枠、大要を確認してから実行するからです。
実際の作業や実行の前に大枠で承認を得ておくことでやり直しのリスクが軽減できます。それだけでなく「あれ?それならこの部分いらないですよね?」と確認することもできるでしょう。
まずやるべきなのは「目的」と「制約条件」を依頼元に聞くこと。
「目的」
ゴールがわからないまま走り始めるのは危険です。
依頼されたら何も考えずに「はい、やります!」と言う人は使われる立場から抜け出すことはできません。目的を確認することで自分の意見やアイデアを付け加えたり、価値を提供することができます。
例
「このデータまとめといて」→「いつの会議(商談)で利用されるんですか?」
→「来週の本部長の報告」→「それなら前回のデータとの比較も一緒にしますね」
「制約条件」
どんな仕事もある程度「制約条件」があります。もう少し噛み砕くと「ルール」でもいいです。「ここまではやっていい」「それはしちゃダメ」というのがあるのかどうか取り掛かる前に確認しましょう。
例「年度末の新しい施策の案を考えといて」→「利用できる予算はどれくらいですか?」
→「〇〇万円くらいかな、費用対効果によるけど」→「先月は単価が〇〇円だったのでそれくらいなら大丈夫そうですね」
100点を目指さない
生産性が低い人の特徴として一人で黙々悩んで止まるという傾向があります。
ただ、自分一人で悩んで100点の答えを出そうとしても大体どこかで失敗するもの。ルールが決まった仕事を除き、ほとんどの仕事に100点満点というものは存在しないからです。
一人で悩んで悩んで1週間後に提出するよりも、「6割くらいできてればいいや」という気持ちを3日で提出し、意見を貰い修正してまた1日後に提出するとした方が、よりスムーズかつクオリティの高いものが仕上げられます。
また、これを繰り返していくと上司の好みや嗜好がわかったり、「あ、これくらいを求められているな」という感覚を掴めたりするようになるでしょう。
野球で例えれば一人で黙々と素振りを始めるよりも、バッターボックスに立つ回数を増やしたり、フォームを色々な人に見てもらったりした方が上達が早いのと一緒です。
時間を区切る
冒頭に記載した通り、これからは「残業する=評価される」ではなく「早く終わらせている=生産性が高い=評価される」時代です。その分、時間に対する意識がより求められます。
そんな中で重要なのがどれだけ集中して仕事ができるかです。しかし人間、長い時間集中することはできないもの。そこで集中と休憩を上手く挟んでいくことがオススメです。
具体的には25分集中して、5分休憩するというサイクルを繰り返していきます。
これは起業家兼作家のフランチェスコ・シリオ氏が考案したポモドーロ・テクニックというもの。このテクニックを取り入れると、「まずは25分だけ頑張る!」と集中できるようになるはずです。
集中力が続かないのはなぜ?デスクで今すぐできる7つの対処法【スイッチをONに】
作業に専念する時間を設ける
先ほどの通り、生産性向上には集中が重要ですが、もっとも集中力を阻害するものがあります。それはスマホです。
電話やメール、チャット、プッシュ通知と24時間通知が飛んできます。正直、作業を行う上では非常に邪魔な存在です。
そのため、資料を作る、コードを書く、データを分析するなどの集中したい作業の時間はスマホを遠くに置くようにしましょう。
はじめは「上司や取引先からの電話に取れなかったらどうしよう」と不安かもしれませんが、よっぽどのことがない限りは大丈夫です。
むしろ定着化させることで「あいつは集中させた方が良い仕事をする」と思わせたら皆さんの勝ち。連絡が遅れても「集中しているんだろう」と思ってもらえるかもしれません。
もし心配な場合は事前に「これから〇時まで集中タイム入ります」と伝えておくのもおすすめ。自分の時間は自分で守るようにしていきましょう。
デジタルウェルビーイングとは|スマホとの心地よい距離を知ろう【実践方法】
不要な会議は参加しない
時間の拘束で影響が大きいものといえば会議も挙げられます。とりあえず1時間で設定された会議で中身があるのは後半30分、みたいなことも皆さんご経験あるんじゃないでしょうか。そんな会議は出る必要ありません。
筆者の身近でもっとも尊敬する方は「〜について、という会議は出ない」というポリシーを持っています。なぜなら会議=議論(意見交換)or意思決定を行う場なのに「〜について」というタイトルはおかしいからとのことです。
まさに目から鱗でした。もちろん上司に「こんな件名の会議には出ません!」なんて言えないので本当に全部でないというのも難しいとは思いますが、意識として持つだけでも素晴らしいと思います。
会議だけではなく、そもそも目的不明瞭なものには極力関わらないことが重要です。ゴールがないのに走ってる人を生産性が高いとは言えません。
これを読んだあなただけでもこれから会議を設定する際は「〜について」「〜定例会」ではないタイトル・説明を加え、目的を明確にしてセットするようにしてもらえれば幸いです。
他の予定を入れてしまったり、他のメンバ―に参加してもらうようにしたりしましょう。
まとめ
在宅勤務やテレワーク、副業解禁と働き方が変わったこの時代において「生産性」は非常に重要な要素です。
その一方で「生産性ばかり気にしていちゃ人間性にかける」なんて時代錯誤な声もまだまだあります。しかし、仕事せずに居残って残業している人が評価される時代はもうやめにしませんか?
この記事が生産性を高めようと思うきっかけになれば幸いです。
「仕事を正確にさっさと終わらせて早く家に帰る」生産性の高い人が素晴らしい社会を作る立場になることを祈っています。