頭の中にある思考を書き出し、視覚化するノート法が「マインドマップ」。
考えを書き出すだけでも脳内が整理されるものですが、さらに「見える化」することにより、ビジネスにおいても想像以上の効果をもたらします。
今回は、マインドマップの具体的な効果や書き方、マインドマップ作成に役立つおすすめのツール・アプリを紹介します。
目次
マインドマップとは
マインドマップとは、主題となるテーマを中心に関連する言葉や情報を放射線状に書き出した図を言います。考えがまとまらず整理したいときやアイディア出しをしたいときに使う人が多く、アイディアマップと呼ばれることも。
マインドマップの作成に必要なものは紙とペンだけ。
メインとなる主題を紙の中央に記載し、その主題に関連する言葉や情報、感情などを放射状に書き込んでいきます。作成していく中でひとつの情報が別の情報につながり、その展開の中で新たな発想が生まれるといった思考の広がりを目指すのです。
マインドマップに似た思考は古代からあったと言われています。ただ、その時点ではまだ思考として存在しているだけで、「マインドマップ」という言葉が生まれたのは1970年代。
イギリスの作家、トニー・ブザンが「マインドマップ」の言葉をTVや著書で広めたとされています。また、近年は日本のメディアで活躍するメンタリストDaiGo氏が自身のYoutubeチャンネルで紹介し注目を集めました。
マインドマップの効果
主題から放射状に情報を書き込み、思考を広げていくマインドマップ。作成することでどのような効果をもたらすのでしょうか。
理解力が向上する
マインドマップでは主題に関する情報やアイディアを文章でなく簡単なキーワードで書き表していきます。そのため、複雑な内容もすっきりとまとまり、視覚的に捉えられるようになるのです。
文章だと頭に入ってこない複雑な問題も、目で見える形にすっきりまとめることで理解しやすくなるでしょう。
発想を広げやすくなる
マインドマップで主題となるテーマから連想ゲームのように関連するものをつなげていくうちに、今までになかった発想にたどり着くことも。
特にマインドマップは、ものごとを箇条書きでリストアップするような方法でなく、連想できる要素をつなげて放射状に描いていきます。
この描き方が「〇〇と言えば、△△」といった想像を広げるときの考え方に似ているため、想像力を広げ、イマジネーションの向上効果があるとされているのです。
プレゼン資料を効率的に作れる
マインドマップはプレゼン資料作りにも活用できます。プレゼンの原稿を作成する際、頭の中ではなんとなく構成ができていても、いざ文章にすると伝えたいことが多すぎてまとまりがなくなってしまうのはよくあること。
マインドマップを利用すれば全体を俯瞰することができ、常に全体を見ながら構成を組み立てられます。全体の構成が決まれば、あとは細部を付け足していくだけ。プレゼン資料作りがグッと効率的になるでしょう。
マインドマップの書き方
マインドマップは中心に置く主題さえ決まっていればすぐに作成できます。以下で、マインドマップの基本的な書き方を紹介します。
Step1.テーマを中心に書き出す
マインドマップを作る際は、まず主題となるテーマを紙の中心に書き出します。今議題に挙がっているテーマや問題点、学びたいことを文字にし、中心に配置しましょう。
主題は絞り過ぎないのがコツ。例えば、「新しいWebビジネス」のように、広い範囲で主題を捉えたほうが、そこからの広がりも大きくなります。
Step2.テーマからブランチを広げる
主題を書き出したら、そこから枝(ブランチ)を伸ばします。
「新しいWebビジネス」を主題とした場合、「動画」「SNS」といった具合に、主題から思い浮かぶ言葉や関連キーワードを書き込み、ブランチでつないでいきます。
必ずしも文字で書かなければいけないわけではなく、絵や図で書いてもかまいません。
Step3.さらにブランチを広げる
その後は、各関連キーワードからさらに関連するものを追記し、ブランチでつなげていきます。
基本はこれの繰り返し。こうして連想できる要素を広げていくことで、これまで考えていなかったようなアイディアにたどり着くことができるのです。
マインドマップを書くときのポイント
理解力・発想力を高めるマインドマップは、学習やビジネスの効率化に最適。さらにマインドマップの効果を高めるためのポイントも知っておきましょう。
ブランチは可能な限り書き出す
関連要素のブランチは可能な限り書き出すようにしましょう。
マインドマップは想像力を発揮し関連要素を広げることで、新しい発想を生み出すもの。ときに、枝分かれしたブランチの組み合わせで新しいアイディアが生まれることもあります。
枝分かれしたブランチが多いほど組み合わせも多くなり、斬新なアイディアが生まれる可能性も高くなるのです。多くのブランチを書き込めるよう、用紙も大きめのものを用意しましょう。
色を使う
マインドマップを作成する際は、できるだけカラーで作るようにしましょう。色は視覚に情報を与え、その情報の大半は脳で処理されます。つまり、色は脳に刺激を与えるということ。
脳は刺激を与えられるほど活性化し、頭の働きもよくなります。新たな発想にもつながりやすいでしょう。また、見やすさといった点でも色分けは役立ちます。
重要な要素は目立つ色にしたり似通った要素は同じ色でまとめたりすればマップ内も整理され、より理解力向上につながるはずです。
否定せず自由な発想で書く
固定概念にとらわれず自由な発想で書くことが、マインドマップの効果を得るための最大のポイント。
「どうせ実現できない」「あり得ない」といった否定や固定概念が入ると思考もそこから先に進まなくなってしまいます。まずは、とにかく思いついたものを書き出してみましょう。
そうすることで、新たな発想や思いもしなかったアイディアにつながっていくのです。
マインドマップを書くためのおすすめツール・アプリ
マインドマップの作成には、紙に手書きする方法のほかに、ツールやアプリを使って作成する方法があります。手書きの手間が省けるほか、データとして保存でき、必要なときにすぐ取り出せる利点も。
特におすすめのマインドマップ作成ツール&アプリをご紹介します。
FreeMind
パソコンでマインドマップを作成するための無料ソフトウェア。パソコンにインストールして使用します。基本操作が充実しており、マウス操作で簡単にマインドマップを作成できる点が好評。
作成したマインドマップのPDF変換、PNG変換も無料でできます。ソフト の使用にはJavaが必要ですが、それがクリアできればWindowsでもMacでも使用可能です。
xmind
同じくインストールして使用するタイプのツールで広く知られているのがxmindです。無料版と買い切りの有料版(税込12,799円)がありますが、基本的には無料でも問題なく作成できます。
シンプルな操作と画面でクセが無く、初心者でも使いやすいでしょう。有料版はガントチャートや共有機能などさらに便利な機能がプラス。ビジネスで日常的に利用するのであれば、有料版が快適かもしれません。
MindMeister
ソフトのインストール不要、ブラウザ上でマインドマップを作成できるのがMindMeister。Googleと連携しているので、Googleアカウントを持っていれば新規ユーザー登録も必要ありません。
作成したマップをGoogleドライブに保存することも可能。さらには、Googleコンタクトやメールアドレスからほかの人と共同編集することもできます。Googleユーザーには大変利便性の高いツールです。
SimpleMind
こちらはマインドマップを作成できるスマホアプリです。
その名のとおり、操作やUIのシンプルさが特徴で、長押しやドラッグ&ドロップといった基本的なスマホ操作で簡単にマインドマップの作成が可能。新しいアプリに不安な人も取り入れやすいでしょう。
こちらも無料版と有料版(980円)があります。有料版はファルダ作成やGoogleドライブなどのクラウド連携が可能になり作成したマップを管理しやすくなるほか、カラーやアイコンも豊富に。
無料版を試して操作に慣れたのち、有料版に切り替える人も多いようです。
MindNode
マインドマップ作成アプリの中でも知名度が高いのがMindNode 。iPhoneやiPad、Macでマインドマップを作成できるアプリです。機能はそれほど多くありませんが、その分シンプルかつ動作が軽いのが特徴。
入力を簡略化できるショートカットキーも好評です。思いついたときにササっと作成するにはMindNodeが1番便利という声も。多忙なビジネスパーソンにおすすめのアプリです。
まとめ
マインドマップというと一見難しそうに感じますが、やることは主題からつながるものを書き出していくだけ。その繰り返しが脳を活性化させ、新たな発想・アイディアを生み出します。
近年は、場所を選ばず思い立ったときにマインドマップを作れるツールやアプリも充実し、より手軽に作れるようになりました。
仕事中はもちろん、ちょっとした移動時間や空き時間をマインドマップの作成にあててみると、仕事の能率も大幅に変わるかもしれません。