休み方改革ってなに?目的・必要性・実践方法を紹介【休みはズルじゃない】

休み方改革

あなたは「休み方改革」、行っていますか?

 

「働き過ぎは良くない」と知っていても、働き過ぎることに慣れていて休み方が分からない人もいるのではないでしょうか?もしかしたら自分が働き過ぎていると気づいていない人もいるかもしれません。

 

しかし過労は精神的にも身体的にも負担をかけ、最悪の場合それが原因で病気になってしまうこともあります。近年では国や企業も日本の会社員の休み方を問題視しはじめ、「休み方改革」を行っています。

 

働き方と同じくらい「休み方」も大事なこと。「休み方改革」を取り入れ、自分自身の働き方を見直してみましょう。

 

国も動き始めている「休み方改革」について紹介します。

目次

休み方改革とは

「働き方改革」という言葉は良く耳にしますが、「休み方改革」とは一体なんなのでしょうか?

休み方改革とは、ゴールデンウィークやシルバーウィーク、学生の長期休暇など、同じ時期に集中する休暇の見直しや、有給休暇の取得促進など、官民一体となって休暇を取得しやすい環境をつくる取り組みのこと。(引用:Work×IT 休み方改革を進めるには? 事例や働き方改革との違い、助成金について

日本の有給取得率の低さや、過労死や少子化などの問題の改善するために政府が「働き方」と表裏一体の「休み方」も見直す必要があると始めたのです。

 

休み方改革の目的

・体調回復

・仕事の効率アップ

・ストレス解消

・家族や趣味の時間の増加

・クリエイティビティの発揮

 

「働き方改革」と混同してしまうかもしれませんが、働き方改革は多様な働き方を可能にする社会を目指す取り組み。一方で休み方改革は正しく休み、仕事のモチベーションを保つことでより生産性をあげようという取り組みです。

 

休み方改革が導入された背景には、休みを取ることに対する日本人の積極性のなさが挙げられます。

 

総合旅行サイト、エクスペディア・ジャパンが行った2018年の有給休暇の国際比較調査では、日本人の有給休暇取得率は50%で3年連続世界最下位という結果になりました。

 

(出典:We♡Expedia【世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018】 日本の有休取得率、有休取得日数、ともに世界最下位 「有給休暇の取得に罪悪感がある」と考える日本人は世界最多! 「上司が有給休暇の取得に協力的」と考える日本人は世界最少!

 

また同じ調査で、長期休暇を取得しない割合も世界一となりました。

 

(出典:We♡Expedia【世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018】 日本の有休取得率、有休取得日数、ともに世界最下位 「有給休暇の取得に罪悪感がある」と考える日本人は世界最多! 「上司が有給休暇の取得に協力的」と考える日本人は世界最少!

 

さらに有給休暇の取得に罪悪感があるかどうかについての質問では、日本人の58%が「ある」と答え、これも世界で最も多い割合です。

 

(出典:We♡Expedia【世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018】 日本の有休取得率、有休取得日数、ともに世界最下位 「有給休暇の取得に罪悪感がある」と考える日本人は世界最多! 「上司が有給休暇の取得に協力的」と考える日本人は世界最少!

 

数字で見ると、日本人の休みに対する積極性の無さは明らかですね。

休み方改革が必要な理由

休み方改革にはどのようなメリットがあるのでしょうか?休み方改革が必要な理由を紹介します。

休み=ズルではないと理解してもらうため

従業員がきちんと有給休暇を取得し、休息・リフレッシュできる環境を整えることで、積極的に休みを取らない日本の労働者に「休むことは悪ではない」という考え方を植え付けることができます。

 

慢性的な人手不足やそれによる業務過多、また幼いころの「皆勤賞」といった文化により、日本では「休まないことは素晴らしい」という風潮があります。

 

それにより、特に会社では「自分が休んだら周りに迷惑をかけてしまう」「定時で帰るなんて責任感がない」のような考えが浸透しているのでしょう。

 

しかし「休む=ズル」ではありません。休むことによってストレスが軽減されて頭がリフレッシュし、仕事の生産性をあげることができます。仕事と休みのメリハリをつけることで、新たなアイデアの創出も期待できるのです。

 

息抜きの重要性

仕事の属人化防止のため

休み方改革では、仕事の属人化も防ぐことができます。

 

属人化とは特定の社員が業務を担当することにより、その人がいないと内容や進め方がわからなくなってしまう状態のこと。属人化に陥っている日本の企業も少なくありません。

 

そこに休み方改革を導入し、誰が長期間の休みを取っても仕事を回していける体制の構築することで、属人化を改善させていくことができます。誰が行っても業務の生産性を安定させることができるようになるでしょう。

過労死や少子化などの社会問題解決のため

休むことを促進することで、ストレスや過労による従業員の退職・休職などを減らす効果が期待でき、最悪のケースである過労死も防ぐことができるようになるのです。

 

また、少子化の原因は子育て世代が仕事に追われ、ゆとりがないことだとも言われています。十分な休みを取れる環境を整備し、ゆとりをもたらすことで少子化問題の解決にも繋がっていくはずです。

多様な人材を受け入れるため

休み方改革は、多様性の尊重への一歩でもあります。休める環境が整っていないと、「休まなくても働けるほど体力に自信がある」「仕事が最優先」「育児や介護などを分担しない」など、働ける人材が偏ってしまうのです。

 

しかし休み方改革を行うと、さまざまな事情を持つ人が集まります。いろいろなニーズに応えられる上、サービス向上にも繋がるでしょう。

 

近年ではCMや製品・サービス内容が炎上し、会社のイメージ・業績悪化も珍しくありません。休み方改革により多様な人材を受け入れていれば、これまでの偏見に気づき炎上による業績悪化も防げるでしょう。

休み方改革への国の取り組み

国としても、「仕事休もっ化計画」として、さまざまな取り組みを行っていると知っていますか?ニュースにならないと、なかなか気づくのが難しいですよね。

・プラスワン休暇

土日や祝日の前後に有給を取得し、連休を作ること

・キッズウィーク

地域ごとに長期休暇の時期を分散して、家族で過ごすまとまった時間を作ること

・プレミアムフライデー

月末の金曜は通常より早めに退勤すること

中には初めて聞く取り組みもあるでしょう。実際、「プレミアムフライデー」の公式サイトは1月以降更新がありません。

 

改めて、国が取り組みを始めても企業や個人が使っていかないと意味がない、ということでしょうか。

企業の休み方改革へのステップ

「使わないと意味がない」とはいえ、企業は休むことによる損害や他の制度との兼ね合いもあり、すぐに取り入れるのは難しいでしょう。

 

そこで、休み方改革へのステップを紹介します。すぐに制度導入を控えて組織の課題分析を行い、失敗を少なくしましょう。

社内調査

まずは社内調査を行い、現状を把握しましょう。これを行わずに「あの企業はこれで成功したらしい」と制度だけ取り入れると、「全然変わらない」「むしろ業績が悪化した」のような事態に陥ってしまいます。その場合、休み方改革がいけないのではなく、その企業の課題に合ってないのです。

 

残業時間や有給取得率などの定量的なデータだけでなく、「なぜ休みづらいと感じるのか?」など社内風土までとことん調べ上げましょう。本質的な課題が見えてくるはずです。

 

仕組み・制度作り

社内調査で課題が明確になったら、それを元に「何をすれば解決できるのか」を考えてみましょう。つまり、制度や仕組みづくりです。

 

・厚生労働省 改善事例集を参考にする

他の企業の取り組みを参考にする

・現在の制度が使われていない理由を調べる

 

このような情報を参考にして、より企業の課題に合った解決策を提示しましょう。

環境整備

制度を作ったからといって、解決しないのが休み方改革の難しいところ。固定観念や文化などがあり、なかなか利用に一歩踏み出せない人も多いでしょう。そのため、環境整備まで休み方改革の一環として行うべきです。

 

・職責者/全メンバーに研修を行う
・社内報やポスターで呼びかける
・社長からメッセージを出してもらう
・定期的にアンケートを行う

 

例えばこのようなことを行い、休み方改革が当たり前になるような環境を作りましょう。数日~数か月では変わらないかもしれませんが、大事な取り組みです。

見直し・修正

実際運営してみると、うまくいかないことや失敗もあるでしょう。それにいち早く気づき、修正することが何よりも大事です。

 

・どんな人に一番利用されている/されていないか?
・利用にあたりどんな懸念点があるか?
・そもそも必要としている人はいなかったのか?

 

このようなことをアンケートを実施するなどして調べましょう。取り組みに磨きがかかるはずです。

個人でできる休み方改革

休み方改革は決して企業側だけが行うものではありません。個人で今すぐできることもあるのです。会社が動き出すにはどうしても時間がかかってしまうため、まずは自分自身の休み方改革をしてみませんか?

自分の会社の有給休暇について詳しく知る

積極的に休みを取るために、自分の会社の有給休暇の制度やその他の休みの取り方がないかどうかなどを確認しましょう。

 

先ほど述べたように有給休暇について曖昧な企業がまだまだ存在するのが現状。休むことに関しても受動的にならずに、どのような規則があり手続きが必要なのか事前に知っておくことが大切です。あなたが質問することで、企業側が曖昧な部分を明確にしなければと考えるきっかけになるかもしれません。

休みを有意義にする

新しく休みを取らなくても、今ある土日や祝日などの休日を充実させることで、あなた自身の休みに対する意識を変えられます。休みに対する意識を変えれば、休むメリットを体感できるので積極的に休めるようになるのです。

 

例えば休みの日、ベッドで1日ダラダラ過ごすとしても、考え方1つで充実したものにすることができます。何も考えずにダラダラしてしまうと、「休みを無駄にした」と嫌な気持ちで1日が終わってしまいますよね。

 

しかし疲れを取るために「今日は休むぞ!」とダラダラすれば、「しっかり休んだから、明日からまた頑張ろう」と前向きな気持ちで1日を締めくくることができるのです。

 

休日に自分なりの意味付けをして全力で休日を楽しむことで、休日と仕事のメリハリをはっきりとつけることができるようになります。平日から「次に休みはどんな休みにしようか」と考えることで、「それに向けてやるぞ」とモチベーションも上がるでしょう。

関連今の生活に疲れた時は「何もしない」|お金がかからない疲労回復法

自分がいつ休んでもいいような仕事のやり方をする

自分がいつ休んでも会社に迷惑をかけないような仕事のやり方に変えていきましょう。休みを取りづらいのは、休むことで会社に迷惑をかけるのが嫌だから。迷惑がかからないような体制を自分自身で整えていけばいいのです。

 

例えば情報共有を定期的に部署内やチームメイトと行い、「今自分が何に取り組んでいるのか」「目的は何か」などを共有しておきます。そうすればメンバーはその業務の目的ややり方をあなたと同じように理解でき、あなたが休む時も簡単にやってほしいことを頼むだけでスムーズに引き継ぐことができるのです。

 

マニュアルなどを自分で作成してくのもオススメ。引継ぎに便利なだけでなく、マニュアルを作ることで自分の取り組み方を改めて見直すことができ生産性をあげることも期待できます。

 

また業務の締め切りを自分なりに決め直すことで、仕事の時短になり休みを取りやすくなります。上司に「水曜日までね」と言われても、自分では「火曜日までに終わらせる」と締め切りを決めてみましょう。自分で締め切りを決めることで、やらされている仕事から自分でやると決めた仕事になり、仕事の質やスピードが向上するのです。

 

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休み方を変えたら、仕事の評価も上がり、人生も変わった。誰もが簡単にできる「休み方改革」のすすめ – Morebiz

海外の休み方を参考にしてみよう!

まだまだ休み方改革が順調にいっているとは言い難い日本社会。海外の事例を参考にしてみましょう。

 

国によっては、「労働時間が長い=仕事ができない思われる文化」「一日6時間労働の定着」など、日本での”常識”と大きく違うこともあります。

 

より生産性を高める新たなアイデアが浮かんでくるでしょう。

 

詳しくはこちらの記事をチェック

まとめ

休み方改革で大切なのは、「会社のためでなく、自分のために休む」ということ。自分が「どうしてもこの仕事で成果を出したい」と思うときは仕事に打ち込み、余裕ができたり調子が悪くなったりしたら休めばいいのです。自分に合った休み方を見つけて、ワークライフバランスを整えましょう。

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