「職場に独り言が多い人がいて、仕事に集中できない・・・」と悩む人もいるのではないでしょうか。
独り言はポジティブな言葉を繰り返すことでネガティブな気持ちを打ち消せる効果もありますが、大きい声や頻繁な独り言は周りの人にとっては迷惑ですよね。
独り言を言ってしまう原因と、独り言が多い人の対処法を紹介します。
目次
独り言が多くなってしまうのは心のSOSかも
独り言には人それぞれに原因があり、適度な独り言は誰にでもあるしょうがないことだと言えるでしょう。
常に独り言が多い人ならば、もともとマイペースで周りのことを気にしない人の可能性もあります。しかしその独り言が周りの迷惑になるほど多くなってしまうのは、心のSOSかもしれません。
以前はそんなことなかったのに最近独り言が増えた人は、日々のストレスに心が耐え切れず、言葉としてそれが漏れている可能性があります。統合失調症やうつ病などの精神疾患にかかっているかもしれません。
特にネガティブな言葉や攻撃的な言葉ばかり言うようになったら要注意。幻聴や幻覚へのリアクションの場合もあります。「最近悩んでいることある?」と優しく声をかけてあげましょう。
なぜ人は独り言を言うのか
そもそも、なぜ人は独り言を言ってしまうのでしょうか。
気持ちを落ち着かせるため
「大丈夫!」「よし!」と不安や緊張を落ちつかせるために人は独り言を言います。
探し物をするときや間違いがないか確認するとき「○○、OK。○○、OK・・」と声を出した経験はありませんか?
人は不安状態になると脳で退行現象が起こり、脳内だけでは考えがまとまらなくなってしまいます。そこで独り言をいうと脳が活性化し、頭が整理され気持ちが落ち着くのです。
(参考:NHK 2019年8月30日放送「チコちゃんに叱られる!」 探し物をしているときに独り言を言うのはなぜ?→子どもに戻っちゃうから。退行現象の一種で独り言によって脳が活性化し、探し物が見つかりやすくなる。)
孤独を感じているため
「誰かと話したい」という気持ちから独り言が出ることもあります。
「あれ?」「おかしいなぁ・・・」「どうしたんだろう」と声を出すのは、誰かに「どうしたの?」と話しかけてもらいたいからなのです。会話がなくてなんとなく寂しいときや疎外感を感じるとき、このような独り言が増える傾向にあります。
また「これでいいのかな?」と1人では不安で、誰かに自分の行動を認めてもらいたくて独り言がでることも。
1人暮らしなどで人と話す機会が少ないと独り言が多くなる傾向にあるのは、このためでしょう。自分の声を聴くことで落ち着くという人もいるようです。
物事を深く理解しようとするため
メールの文章を声に出して確認したり、重要な資料を声に出して読み上げたりするタイプの人もいますよね。その独り言は物事を深く理解するためのものです。
学生の時、国語や英語でよく音読の宿題が出されていませんでしたか?声に出すことで発想力や記憶力、理解力が向上するのです。
(参考:STUDY HACKER 音読の効果とやり方を丁寧に解説。テキストの選び方・おすすめの本は?【保存版】)
声に出してしっかりと記憶にとどめようとしているんですね。
自分の世界に入ってしまっている
心の中で喋っていたつもりが、無意識に口に出してしまうタイプの人もいます。
PCの前でマウスを動かしながら「ここをこうして、ここはこうして・・・」と、今やっていることに夢中になりすぎて心の声が漏れてしまっているのです。
独り言がうるさい人への対処法
独り言がうるさい人への対処法を紹介します。
「独り言やめてください」と直接注意するのはとても勇気のいることですよね。相手を傷つけてしまう可能性もあります。
また独り言の多くは無意識的に行われているため直接言っても治らないかもしれません。「直接注意する」は最後の手段にして、その前に他の対処法を試してみましょう。
耳栓をする
耳栓やイヤホンをして、独り言をシャットアウトしましょう。根本的解決にはなりませんが簡単に取り組むことができるので、応急処置としておススメの方法です。
「集中したいので」などと言って、業務中に耳栓やイヤホンをすることを上司や先輩に許可してもらいましょう。電話応対などがあって、ずっとは着けていられない人は「ここぞ」と言うときだけ着けるのもいいですね。
独り言をする人から離れる
もし耳栓やイヤホンがダメなら、席を変えてもらったり、集中したいときは空いている会議室にこもったりしましょう。
この方法も根本的な解決にはならないかもしれませんが、比較的簡単に取り組むことができます。
上司に許可を取るときに、「○○さんの独り言がうるさくて」と相談してみるのも良いですね。会社としてなにか対処をしてくれるかもしれません。
声をかける
「大丈夫?」「最近独り言多いけどなんか悩んでる?」などと独り言が多い人に声をかけてあげましょう。積極的に話を聞いてあげるのも良いですね。
独り言はストレスや孤独感が原因の場合が多いので、声をかけてもらうことで安心でき自然と独り言は減っていくはずです。またその声掛けによって「心配させてしまうほど独り言が多いんだ。気を付けよう」と思ってもらえることもあります。
「独り言がうるさいです」とストレートに注意せず、相手に寄り添い、心配している気持ちを1番に伝えましょう。
日ごろからコミュニケーションを増やす
一番良いのは、独り言が多くなるほどストレスが溜まる前に対処できること。それには日頃からコミュニケーションを増やし、周りが気づく機会を作りましょう。自分1人だと「今は頑張らなければ」と無視しやすいのです。
人によっては飲み会が苦手なこともあるため、業務時間内でとれる方法が良いでしょう。続けていくと業務でも連携が取れやすくなり、生産性も上がるかもしれません。
独り言の他にもサインが出ていないかチェックしよう
もしかして、独り言が多い以外にも限界を示すサインは出ていませんか?見逃すと、自律神経の乱れや病気の発症など、取り返しがつかない事態になることも。
以下のサインが出ていたら要注意。
・些細なことでイライラするようになった
・睡眠のサイクルが変化してきた
・仕事の達成感が感じられない
・笑顔を作ることがつらい
・身体がだるい、疲れがとれない
・姿勢を正していることがつらい
・体重が極端に増減する
・動悸がしたり、息苦しくなったりする
・血圧が高くなった
・体温調節がうまくできない
・わけもなく涙が出ることがある
すぐに適切な対処をしましょう。
まとめ
独り言が多くなってしまうのには人それぞれ原因があります。原因があるということは解決できるということ。
独り言が多い人を邪魔者扱いせずに寄り添い、一緒に解決方法を考えてみてください。
みんなが働きやすい環境をつくっていけるはずです。