「本当にそう思ってるの?とまた言われてしまった・・・」
「恥ずかしくて素直に自分の感情を表に出せない」
このように表現力のなさに悩んでいる人は多いはず。
たしかに「和」を大切にする日本人は他の国の人たちと比べ、表現力が低いと言われています。しかし、表現力は日々の心がけで高められる力です。
表現力で自分の考えや感情をまっすぐ相手に届けられるようになると、周囲の人から信頼されるようになったり、良好な人間関係が築けるようになったりさまざまなメリットがあります。
今回は、そんな表現力を身につけるメリットと鍛える方法を紹介しましょう。
グローバル化によって国境関係なくコミュニケーションを取る必要性が高まっている今、言語よりも私たちが身につけるべきは表現力かもしれません。自分の考えや感情をまっすぐ相手に伝えられるように、ぜひ参考にしてください。
目次
表現力とは自分の考えや思いを言語や表情、絵画などで表現する力
表現力とは、自分の考えや思いを言語や表情、絵画や造形などを通して表現する力のことです。社内のプレゼン、面接など日常のあらゆる場面で表現力は問われるスキルでしょう。
ただ事実を伝えるだけでは相手の心を動かすことはできません。表情や声、相手によって適切な言葉を選んで伝えることで、相手に耳を傾けてもらえます。
最近では、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準「学習指導要領」に「表現力を育むこと」が取り入れられ幼少時代から身につけておきたい能力の1つに挙げられているほど、重要な能力の1つです。
表現力を鍛えるメリット5つ
表現力を鍛えることによって具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。表現力を鍛えるメリット5つを紹介します。
コミュニケーションが円滑になる
表現力によって自分の考えや感情が正確に伝えられるようになると、人とのコミュニケーションが円滑になります。「そんなつもりで言ってないのに・・・」と思うことが減るのです。
例えば、上司から飲み会に誘われて「どうしても外せない用事があっていけません。申し訳ないですが、またの機会にぜひ行ってください!」と断る場合。
表現力があると、謝罪と誘ってくれたことに対する感謝の気持ちを前面に表現できるので、上司は断られても悪い気はしません。「仕方ない。また誘おう」という気持ちになるでしょう。
一方、表現力が低いと伝えたいことが相手に伝わらないだけでなく、誤解されてしまうことがあります。
意見を求められたとき、自分の考えはあるのにそれを伝えられなければ「何も考えていない人だ」と思われてしまうでしょう。
プレゼントされてとても嬉しいのに、その気持ちを上手く表現できなければ「そんなに喜んでもらえなかった。プレゼント選び失敗したかな・・・」と相手を悲しませたり、「せっかく喜ぶと思ったのに!」と怒らせたりしてしまうかもしれません。
仕事をする上で重要な人とのコミュニケーションを円滑に行うために、表現力は非常に大切なのです。
プレゼンテーションに強くなる
表現力がある人は自分が伝えたいことを言葉や身振り手振り、声の大きさで相手に伝えることが得意です。そのため聞く人の関心を集めるプレゼンテーション能力があります。
「自分」のプレゼンテーションという意味で、自己紹介も得意。インパクトのある話や笑いを誘う話で相手に「自分はこういう人」と印象付けることができるでしょう。
メールなどの文章作成が早くなる
表現力が高い人は、語彙力が豊富で少しの言葉のニュアンスの違いで相手への印象が大きく変化することを知っています。
そのため、場面・状況に合わせた適切な文章を作成することができるのです。また常日頃から行っているため、表現力が低い人に比べ作成スピードも早いでしょう。
自分に自信を持てる
表現力は自信にも繋がります。
感情や考えを上手く表現できないと「本当はこう思っているのに…」ともやもやするもの。そのもやもやが溜まっていくと、自分自身を上手く表現できない自分に嫌悪感を抱き、自信を失ってしまいます。
自分を適切に周りに表現できるということは、自分自身を理解し認められているということなのです。
信頼される
「しっかり自分の意見がある人だ」
「どう思っているかわかるから安心できる人だ」
表現力があると思いや考えを率直に周りに伝えられるため、このように周りの人から信頼されるようになります。何を考えているかわからない人には不信感を抱きますよね。
表現力を鍛える方法6選
表現力を鍛えることでさまざまなメリットがありますが、どうすれば表現力は鍛えられるのでしょうか。表現力を鍛える方法を5つ紹介します。
自分の気持ちを知る
自分はどう感じ、どんな風に考えているかを理解しているからこそ、相手に伝えられます。普段から自分の気持ちにふたをしてしまっていると、自分の気持ちがどんなものかわからなくなりますよね。
そんな方は普段から主語に「私は」をつけて、自分の考えや感情を掴む練習をしてみましょう。
「私は」こんなこともできないのと言われると悲しい
「私は」仕事を褒められて嬉しい
「私は」話していると楽しいと言われるととても嬉しく感じる
このように、だんだんと自分の気持ちが明確になります。自分の気持ちが明確になることで、相手にも考えや感情を正確に伝えられるようになるのです。
幅広いジャンルの本を読む
本を読むと、言葉での表現をたくさん学べます。小説やエッセイ、ビジネス書、絵本など、ひとつのジャンルに絞らず幅広く読んでみましょう。
その本を読んでほしい人や作者の世界観によって、同じ日本語でも表現方法は大きく変わります。
夏目漱石、宮沢賢治など近代文学と呼ばれる昔の作品もおすすめです。今とまた違う美しい日本の表現方法を学ぶことができるでしょう。
幅広いジャンルの本を読むことで語彙力を高め、視野を広げましょう。
英会話を学ぶ
英会話を学ぶこともおすすめです。日本語と比べ、英語は抑揚やジェスチャーが重要な要素。
日本語以外に英語という言語としての表現力が身につくだけでなく、表情やボディランゲージなど非言語も同時に身につけられるのです。
教室に通わずともビデオ通話でネイティブの先生から直接英会話レッスンを手軽に受けられるサービスも増えているので、ぜひ活用してみてください。
感じたことや考えを言葉にする練習をする
自分の感じたこと、考えを言語化して表現する練習をしてみましょう。特にSNSやブログで発信する方法がおすすめです。
ただノートに書くだけだと、その表現が伝わりやすいのかわかりません。SNSやブログなら「いいね」やコメントから自分のその表現の評価を確認することができます。
まずは自分がおすすめしたいと思う食べ物やアイテムを、見た人が「食べたい!」「欲しい!」となるように考えて投稿してみましょう。
文章で練習するうちに、自然とオフラインで話すときもできるようになっているはずです。
たくさんの人と交流する
たくさんの人と交流することで表現力に磨きがかかります。表現方法は人によってさまざま。さまざまな国、年齢の人と積極的に関って表現方法の視野を広げ、良いと思ったものはどんどん取り入れて行きましょう。
また表現力を身につけるには、相手に合わせた表現を考えられるようになるのも大切なポイントです。さまざまな人の価値観や考えを学び、「どの人・状況にはどんな表現が良いのか」見極められるようになりましょう。
鏡の前で練習する
表現力を高めるには、表情も大切。表情を豊かにするために鏡の前で練習してみましょう。顔の筋肉は動かさないと固くなります。自分では笑顔のつもりでも、硬い表情になっているかもしれません。
どんな笑顔だと親しみやすいのか。逆に口角を下げて不機嫌そうな顔にしたとき、どう見えるのか。いろいろな表情をして観察してみてください。
また、目を見開いてみたりぎゅっと閉じたりして、顔の筋肉を動かしてみましょう。それ続けることで、筋肉が柔らかくなり表情が豊かになります。
まとめ
表現力を鍛える近道は、繰り返し表現することです。最初は、周りの視線や結果を気にしてしまい表現することを怖いと感じてしまうかもしれません。
しかし、自分の感情・考えを直接知れるのは自分だけ。人とコミュニケーションを取るうえで誤解やズレは必ず起きるものです。あなたも相手も悪いわけではありません。
まずは勇気をだして「表現するのが怖い」という気持ちを、周りの人に表現するのもいいかもしれません。
最初は怖いかと思いますが、繰り返すことであなたの表現力は磨かれます。一歩ずつ進んでいきましょう。