「イマイチ場が盛り上がらなかった」
「友人の相談に上手に返せたかな?」
相手の気持ちを汲み取れず、このような悩みや不安を抱えた経験はありませんか?
そんな悩みを解決するスキルが「共感力」です。共感力は、円滑なコミュニケーションが取れて、良好な人間関係を築くために重要なスキル。
他人の気持ちに寄り添える共感力があれば、相手に安心感を与えられる上に、自分の主張も正しく伝えやすくなるのです。
この記事では、共感力のメリットや身につける方法、注意点を紹介します。
仕事やプライベートなどさまざまな場面で活かせる能力なので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
共感力とは
共感力とは、相手の気持ちを汲み取って同調する力のこと。相手の意見や感情に共感し、寄り添うことを指します。
例えば、あなたの周りにこんな人はいませんか?
・初対面でもすぐに打ち解けられる友人
・悩みを相談すると的確なアドバイスをくれる上司
・映画を観て自分のことのように泣いたり怒ったりする恋人
・クライアントに頼られている営業マン
これらは、共感力が高い人の特徴と言えます。相手の心情を理解できるからこそ、相手の立場に合わせたアクションが取れるので、良好な人間関係の構築できるのです。
さらに、自分と重ねて相手との共通点がわかった上で発言できるので、意見を正確に伝えられるのもポイント。反対に共感力が低いと、利己的で思いやりのない印象を持たれてしまう可能性があるのです。
また、SNSやインターネットで個人の発信が活発な昨今では、共感されるほど支持を集め、成功につながると共感力は注目されています。
オンライン・オフライン関係なく良好なコミュニケーションのために、共感力は身につけたい能力だと言えるでしょう。
共感力を身につけるメリット
相手の気持ちを自分と重ねて寄り添うことができる共感力は、ビジネスやプライベートで役立ちます。共感力を身につけるとどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
円滑なコミュニケーションがとれる
共感力が高い人は、相手の話に耳を傾けながら相手の気持ちや言いたいことを自分自身に重ねて理解しています。
その結果、相手の考えを先回りできるので、相手やその場に合った適切な言葉をかけたり、行動ができたりするのです。
多くの人が集まる場面でも積極的に会話を回せるので、盛り上げ役としても活躍できるでしょう。
良好な人間関係を築くことができる
自分のことを理解してくれる相手なら、悩みごとも安心して相談できますよね。
共感力が高いと何事も自分のことのように考えてコミュニケーションするので、相手も自然と心を開きやすい環境にすることができます。
例えば、涙ぐむほど辛いことがあった時、その相談をしているとき相手も一緒に涙ぐんでくれたら嬉しいですよね。
相手に寄り添って会話が展開できるために「優しい人だ」との印象を与えられ、良好な人間関係が構築できるのです。
また、自分自身が聞き上手になると、どんどんと話が広がり会話の中で知識や新たな気づきを得られます。知らなかった世界が広がり、あなたの人生も豊かになるでしょう。
プレゼンや交渉が上手になる
共感力はビジネスにおいて成功に導くキーポイントとなります。
例えば、営業活動でクライアントの要望を汲み取る力は重要なスキルです。共感力が高いと相手の需要に寄り添った提案ができることから、交渉が成立しやすくなると言えるでしょう。
さらに、どのような言葉をかけると相手が喜んでくれるのか自然とわかるので、企画のプレゼンや社内コミュニケーションもスムーズに進められる可能性があるのです。
共感力の身につけ方
共感力が良好的な人間関係の形成に共感力は大切な能力だとわかりましたが、共感力はどのように身につけることができるのでしょうか。
ここからは共感力を高めるためのトレーニング法を紹介します。共感力を身につけるのに特別な才能や厳しい訓練は必要ありません。
日常生活で意識してできることばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
相手の話をよく聞く
共感力を身につけるためには、ズバリ相手の話にしっかりと耳を傾けましょう。
共感するためには、話をしっかり聞いて相手の気持ちをまず知ることが大切です。相手を理解するために、話の流れや表情をよく観察して相手の気持ちに寄り添ってみましょう。
相手の話に対し「私はこう思うな」と感じる部分もあるかもしれませんが、主役は話をしている相手。
「今、相手はどのような気持ちなんだろう」「相手は何を考えているんだろう」と、相手について知りたいという目線をもって、会話することを心がけてみてくださいね。
相手の言葉を繰り返して話す
そもそも相手のことをよく知るには、相手に自分のことを話してもらう必要があります。
話しやすい雰囲気づくりには、「バックトラッキング」という相手の言葉をオウム返ししながら会話する方法がおすすめです。
バックトラッキングとは、心理カウンセラーなどのプロが使う話を聴くスキルのひとつ。「話をちゃんと聞いてくれてるな」という肯定的な安心感を与えられ、心を開いてくるというものです。
一言一句同じ言葉を返す必要はありません。
相手:「昨日観た映画、おもしろかったよ!主人公が強かったんだ。」
あなた:「おもしろかったんだ!主人公強いんだね。」
このような形で、感情や事実を繰り返すと効果的です。また、要約しながら会話をバックトラッキングすることは、相手の話の内容を整理する役割も果たします。
本や映画で登場人物の気持ちを読み取る
本や映画で登場人物の喜びや痛みを感じることも、共感力を高める効果があります。
自分が同じような経験をしたからこそ、相手の気持ちがわかるようになるもの。自分以外の他の人の視線を通して思考や感情を読み取ることは、まるで自分が体験したような経験の引き出しとなるのです。
とくに読書が最も効果的とされていて、本を読んでいるときの脳の動きは、自分が経験したときと同じような脳の動きをしていると言われています。
物語の中で「この人物はどんな気持ちなんだろう」「その後この人物はどうなったんだろう」と登場人物になったつもりで考えてみましょう。
自分ひとりでは気づかなかった気持ちを知る助けとなります。
高すぎても・・・共感力を身につけるときの注意点
良いところばかりに見える共感力ですが、高すぎるとストレスや疲れが溜まってしまうことも多くなります。
人のことだけでなく、「わたしはどのような気持ち、考えなのか」と自分自身と向き合うバランスを保つことも大切なのです。
ここでは、共感力を身につけるときに注意しておきたいポイントを紹介します。
ネガティブな感情に左右されない
相手の気持ちに寄り添うと喜びの感情だけでなく、相手の悲しみや痛みといったネガティブな感情も共鳴します。
人の喜怒哀楽を理解してあげられるからこそ優しく接することができるのですが、気遣いで疲れてしまう可能性も考えられるのです。
ストレスや疲れを溜めないために、自分だけのために使う時間を確保しましょう。趣味や読書、マッサージをするなど、このときだけは他人のことを少し忘れて、自分だけの時間を過ごすようにしてください。
人生を左右する意思決定は、本人に決めてもらうようにする
共感力が高いと相談や話し相手になる機会が多く、相談者が決断すべき大きな選択を迫られるかもしれません。
今後の人生を左右するような意思決定は、本人に決めてもらうように促しましょう。相談した本人の意思決定する機会を奪ってしまうと、今後もあなたを頼ってたちまち考えることやめてしまう可能性があります。
本当に大切に想う相手であれば、すべて答えを口に出すのではなく、本人が決めるように気づきを与えて意思決定できるように導きましょう。
自分と他人の境界線を意識する
周りの考えに同調してしまうので、意見を求められたときに自分の考えではなく、他人の考えだったということが起きてしまう可能性があります。
人に合わせて主張が変わって見えてしまい、「人に合わせてばかりで周囲に流されている人だ」と印象をもたれてしまうかもしれません。
また、悩みごとの相談を周りの人に聞き回って、かえってアドバイスに溺れてしまった、なんてことも起こりえます。
自分で思考し、行動することは成長や自信にも繋がります。自分は自分、他人は他人、と分けて考えるようにしましょう。
他人に流されず自己を確立するためには、自分と他人の境界線を意識することが大切です。