#私のキャリア失敗談Vol.2|人と支えあいながら、私は、私の輝ける場所で。

『みんなのキャリア相談室』新企画#私のキャリア失敗談。これは、さまざまな分野で活躍する方の社会人生活のしくじり・失敗談を紹介する企画です。

 

第2弾の今回は『みんなのキャリア相談室』編集部のみきさんの経験談を紹介します。

目次

「やりたいことができない」この悩みって本当にあるんだ

2020年4月1日、私は株式会社エージェントに入社しました。もともと半年前からインターンとして働いていたのであまり不安はなく、新しい生活に期待で胸を膨らませていました。

 

新卒として入社して誰もが気になるのが、配属。

 

「インターンしていた部署だろう」と勝手に思い込み、安心しきって私は全くドキドキしていませんでした。

 

その部署は、主にオウンドメディアを運営する部署。大学で広告学を学び、広告・メディアに携わりたいと就職活動していた私にとっては、絶好の部署でした。

 

2週間の研修が終わり、いよいよ配属発表。

 

発表されたのは、全く違う部署でした。新型ウィルスの影響で、出社できず各部署が新卒対応できるような状態ではないため、新卒全員が同じ部署に配属され、在宅でテレアポをすることになったのです。

 

目の前が真っ白になりました。電話が大嫌いな私。自分の声が最大のコンプレックスなのに、声だけで勝負なんてできない。

 

「やりたいことばかりできるのが仕事じゃない」「この状況だからしょうがない。仕事があるだけでも感謝」そう頭では分かっていても、納得するまでに時間がかかりました。

 

「メディアなら在宅ワークできるじゃん」「私だけ、配属変えてよ」そんな気持ちを押し殺すのに必死。

 

「やりたいことができない」記事を書いていて社会人によくある悩みだと知っていたけど、その悩みを自分が抱えるとは思いませんでした。

 

ただその後、その配属は応急処置であって、1・2か月後には本配属が正式に発表されると聞き「いずれさらにテレアポは社会人生活で必要となる。わずかな我慢だ。頑張ろう」そう覚悟し、挑みました。

「社会の理不尽さってこういうことなんだ」

しかし、そう前向きになれていたのは一瞬。

 

初日からクライアントに電話口で怒鳴られたのです。理由は全く分かりません。HPを見て、番号も自動入力で電話をかけているのにも関わらず「うちにHPなんてねぇ。二度と電話かけてくんじゃねぇこの野郎」と名乗っただけで、怒鳴られました。

 

社会の理不尽さに圧倒され、そこから怖くて電話がかけられなくなりました

 

でも、これは仕事。次の日も、その次の日もテレアポです。なんとか勇気を出し深呼吸しながら1社ずつテレアポしました。

 

業務中「すぐに病気になる方法はないか」「家のWi-Fiがおかしくならないか」ずーっと考えていました。

 

今だから言うと、電話で話すのが怖くて、相手が出る前にきったこともあります。(上司にみられませんように)

 

朝は辛くて、起きられなくなりました。自然と涙が流れるなんてことも。「辞めたら楽になるのかな」と考えたこともありました。

 

福島から上京して、この仕事をする意味が見出せなくなりました。

 

「ダサい自分」には、なりたくない

そこから3か月、私は変わらず株式会社エージェントにいます。コロナが少し落ち着き、希望部署に配属になり、3か月前には考えられないほど毎日生き生きと仕事をしています。

 

なぜ私が、「辞めたい」と思うほどのテレアポ期間を乗り越えられたのか。

 

1つは、「ダサい自分」になりたくなかったから。

 

私はドラマ・映画が大好きです。その影響で、自分の人生は自分が主演の映画だと思っています。笑われても構いません。私の人生です。

 

そして私の頭の中には、「オーシャンズ8」や「プラダを着た悪魔」に出てくるような理想のヒロイン像があります。いつも辛いことがあると、自分がここで逃げたらこの映画のストーリーはどうなるんだろう、観客はどう思うんだろうと考えるのです。

 

その時も、判断軸はそれでした。「ここで逃げたらどうなるんだろう」と考えたのです。

 

逃げたら、まず生活が苦しくなります。私を会社に紹介してくれた先輩の顔に泥を塗ることにもなります。インターンで積み上げた信頼や期待もすべて無くなります。

 

友達にもなんて言ったら良いか分からず、しばらく会えないでしょう。あと少しで掴めそうだった夢への切符も掴めなくなります。そして、何より私が私を嫌いになります

 

それだけはなによりも嫌でした。わたしはカッコいいヒロインで居たかったのです。

 

もう1つの理由が、支えてくれる人がいたから

 

インターンをしていたため、有難いことに入社時には既に心を開いて話せる先輩や上司が、私はいました。

 

その方たちが、テレアポの日々の中で「最近どう?」と声をかけてくれて、それに私は救われました。

 

「正直、めちゃくちゃ辛いです」「全く結果出せてません」素直に話すと、「辛いよね。私だったら絶対嫌」と共感してくれる方や、「そんなことで有我、へこたれんの?(笑)」と軽くあしらってくれる方などさまざまな反応をしてくれる方がいました。

 

それが救いでした。

 

「私の感情はおかしくないんだ」という安心感と、「私はこんなことでへこたれません」と負けず嫌い精神から頑張ることができたのです。

私には、私の輝ける場所がある

入社後すぐの「会社辞めたい」期を振り返ると、本当に有難い期間だったなと今は思えます。

 

その期間でテレアポのやり方やビジネスマナー、社会の理不尽さ、仕事があることへの感謝、お金を稼ぐことの大変さなどたくさんの大切なことを学ぶことができました。

 

そして、人にはそれぞれ強み弱みがあることを身をもって知ることができました。

 

正直、私はやはりテレアポが苦手です。

 

学生時代はわりとなんでもある程度こなせてしまうタイプだったので、テレアポ期は毎日成果を上げているテレアポが得意な同期と比較しては落ち込んでいました。

 

1か月やればその子に追いつけるかと思っていたけれど、結局差は埋まらず。

 

でも今は、それで良いと思えます。「私はテレアポが絶対に無理」とは言いません。これからも必要あれば、もちろんやります。けど、私よりテレアポが上手い人はたくさんいます。

 

それで良いのです。私には、私の強みがあります。実際、私は今テレアポが得意な子にはできないことをやっている自信があります。

 

弱みを伸ばすことも怠ってはいけませんが、それでも私は足りない部分があります。

 

足りない部分は人に頼り、相手が足りない部分は自分が補い、私は周りの人と支えあいながら働いていきます。

 

私は、私の輝ける場所で生きていきます。

 

 

 

このエッセイを書いたのは・・・・

みき

福島県出身。1997年生まれ。株式会社エージェント入社1年目、みき。『みんなのキャリア相談室』の運営・ライター業務・SNS運用を担当。

 

・Twitter:@miki_ariga

・note:https://note.com/toymk04

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