今の仕事にやりがいがない
そもそも仕事にやりがいって必要?
仕事に慣れてくるとこんな悩みを抱える人が多いのではないでしょうか。仕事にやりがいを見出せないことに焦りを感じる人もいるかもしれません。
「やりがいがなくても仕事はできる」との声もありますが、やりがいを持つと自信がつく、明日が楽しみになるなど大きなメリットがあるのです。
この記事ではやりがいの意味、メリットを解説。やりがいを見つける方法も紹介しています。
目次
そもそもやりがいとは?
やりがいとは「自分の行為に対する期待どおりの価値」のこと。
・自分の行為が周囲にどういう影響を与えているか
・自分の行為によって自分は周囲からどのような評価を得ているのか
・自分の行為で得られるもの何か
・今の自分の行為は自分の将来にどのように繋がるか
このような観点から自分の行為に対して充足感を得られると「やりがいがある」と感じるのです。
やりがいを感じるには3つの要素があります。
評価
評価には「他人からの評価」と「自分自身の評価」の2つがあります。
・「丁寧な仕事だった」と評価される
・「安心して任せられる」と信用される
・「諦めずによく頑張った」と自分で思う
このようにどちらか、あるいは両方の評価が得られるとやりがいを感じるのです。
報酬
自分の行為に対する報酬は給料だけではありません。
・ありがとうと感謝された
・商談成立の件数が増えた
・積極的にコミュニケーションを取ることで人脈が広がった
金銭以外の目に見えないものも報酬に含まれ、期待通りもしくはそれ以上の報酬が得られるとやりがいを感じます。
将来
・今の仕事でさまざまなスキルを身につける→5年後には起業する
・丁寧な接客で顧客の満足度を上げる→地域で売上1番の営業マンになる
現在の自分が将来の理想の自分に繋がっていると実感できると、やりがいを感じます。
1つの要素がやりがいに繋がっている人も、3つの要素全てがやりがいに繋がっている人もいるでしょう。また「3つの要素のどの要素を重視するか」は人それぞれ。
「何にやりがいを感じるか」には個性が現れるのです。他の人がやりがいを感じていることに対して自分はそうではなくても不思議ではありません。
仕事にやりがいを見出してバリバリと仕事をしている人が周囲にいても、自分と比較して焦ったり不安を感じたりする必要は全くないのです。
やりがいを感じる瞬間
やりがいを感じる瞬間とは、自分がやったことに対して期待した、あるいは期待以上の結果が返ってきた時。
自分にとって簡単すぎる仕事に感謝されるよりも、苦労してやり遂げた仕事に感謝された方がやりがいは感じやすくなります。
では具体的にやりがいを感じる瞬間を見ていきましょう。
感謝の言葉を伝えられた
感謝の言葉を伝えられたときにやりがいを感じる人は多いでしょう。
・顧客のクレームに迅速に対応したら感謝された
・部下にアドバイスをしたら「そのおかげで仕事が上手くいきました」と喜んでくれた
エンドユーザーや上司、部下、同僚からの感謝の言葉が自分の行為に対する「報酬」となり、やりがいを感じるのです。自分が誰かの役に立っていると感じられ、「自己評価」も得られるでしょう。
達成感を感じた
達成感を感じた時にもやりがいは感じられるでしょう。
・仕事上のノルマを達成する
・目標を突破する
このように目標に向かって多少の苦労はあっても諦めることなく、最後まで成し遂げると大きな満足感が得られます。周囲からもよくやったと褒められるでしょう。
周囲と自分の両方から「評価」が得られ、苦労を分かち合った人からはねぎらいや感謝の言葉という「報酬」を得ることができます。
成し遂げたことが自信となり、将来の理想像に1歩近づいたと実感できるでしょう。
責任者に任命された
責任を持つ立場を任されるとやりがいを感じます。例え小さなグループのリーダーであっても決定権が自分にあるというのは誇らしいものですね。
「任せて大丈夫」と「評価」されたことが大きなやりがいになります。今までの仕事に対する姿勢や成果に対する「報酬」と感じるかもしれません。
責任者としてこの仕事が成功すれば、さらに大きな仕事を任される可能性も感じられ、「将来」への夢も膨らむでしょう。
成長を感じた
「自分は成長した」と実感することもやりがいに繋がります。例えば、同じ仕事でも今までより早く終わらせることができたり、ミスがなくなったりするのは仕事ができるようになった証拠。
先輩や上司に「自分自身で考えられるようになった」と褒められると嬉しいですよね。
「自己評価」やほめ言葉による「報酬」がやりがいとなっているのです。
楽しいと感じている
単純に仕事が楽しいと感じる気持ちがやりがいになる場合もあります。
・仕事の内容に興味があり、常に新鮮な気持ちで取り組むことができる
・仕事で関わる人とのコミュニケーションが楽しい
このように全般的に仕事に対してポジティブな感情になっているとその気持ち自体が「報酬」となり、「自己評価」も常に高い状態になるのです。
辛いことがあっても「成長するチャンス」と前向きな姿勢で乗り越えられるでしょう。
やりがいを持つ必要性
やりがいについて不必要だという意見もありますが、やりがいを持つことには次のようなメリットがあるのです。
幸福度が高くなる
幸福度とは「幸せを感じる度合い」のこと。やりがいを持つと「幸せだな」と感じることが多くなり、毎日が楽しくなります。
例えば、「ありがとう」の言葉を聞くことがやりがいになっている人は、些細な「ありがとう」も嬉しいはず。仕事の取引先の人に感謝されるのも、電車で席を譲って感謝されるのも同様に嬉しく感じるでしょう。
感謝の気持ちにやりがいを感じているとそれ以外のことには寛容な気持ちになれることも。少しくらい職場の人間関係がぎくしゃくしても顧客からの「ありがとう」の言葉で嫌な気持ちは吹き飛んでしまうでしょう。
前向きになれる
やりがいは仕事のモチベーションの1つ。困難な局面に直面しても何とかやりきろうという前向きな姿勢が生まれます。
苦労の先には大きな達成感があると分かっているので、辛いことも逃げ出さずチャレンジできるのでしょう。
誇りを持てる
やりがいを持っているとその仕事に誇りを持てます。やりがいのある仕事をしていることが自信になり、集中して仕事に打ち込めるので不安な気持ちがありません。
誇りを持っていると自己肯定感が高まるので毎日の生活が充実します。
ストレスが少ない
やりがいを持つとストレスを軽減できます。ストレスは理想と現実のギャップによって生まれるもの。やりがいを持っているとそのギャップに不安を感じることなく、前向きに取り組めます。
仕事が思いがけず忙しくなった時「こんなハズではない」と戸惑っていると不安な気持ちからストレスは大きなものに。
どんなに忙しくなっても成し遂げることにやりがいを感じていれば大きなストレスを回避できるのです。
やりがいの見つけ方
何にやりがいを見出すかは人によって異なるため、自分で自分なりのやりがいを見つける必要があります。
おすすめのやりがいの見つけ方を紹介しますので「やりがいなんて見つけられない」という人はぜひ参考にしてください。
自分にとって楽しいことを知る
やりがいを見つけるには「自分を知る」必要があります。ノートに「自分が楽しいと感じること」をまず50個書き出しましょう。
好きなこと
得意なこと
嬉しいこと
書き出すときは仕事上のことだけではなく、全ての時間を思い出してください。
書き出した内容があなたにとってのやりがいの要素です。さらに書き出した項目を「評価」「報酬」「将来」に分類してみると、自分が求めているものが分かりやすくなるでしょう。
これまでの経験を振り返る
今までの人生で嬉しいと感じた瞬間を思い出しましょう。楽しいと感じることを50個書き出した後に続けて書いてみるのがおすすめ。
楽しい気持ちになっている状態であれば嬉しい瞬間は思い出しやすくなります。ノートに書き出すと何度でも見返すこともできるので、やりがいを感じなくなった時いつでも活用できます。
・幼稚園の頃1人で留守番ができたと褒められた
・マラソン大会で完走できた
その中には「嬉しいと感じる原因となった行動」と「どうして嬉しいと感じたか」が含まれているはず。アナロジー思考でその両方を今の仕事や趣味に応用すればやりがいを見つけることができます。
高校時代に長距離走が苦手だったけれど100mずつ距離を伸ばしていったら最終的に10㎞も走れてすがすがしい気持ちでゴールできたことが自信になった人は、仕事でその経験を活かせるはず。
コツコツと地道な作業も投げ出すことなく丁寧にこなすことが出来、大きな成果を上げられるでしょう。
当事者意識を持つ
「自分がやっている」という当事者意識を持つとやりがいを見つけられやすくなります。やりがいは自分がある程度の労力をかけてこそ感じられるもの。
「自分がやっている」と責任感を持った行動がやりがいに繋がるのです。例えば指示された業務をただこなしているだけではやりがいは見い出せません。
他人に頼まれた仕事は、もしミスになっても責任をとらなくて済み、仕事の内容や背景について自分の頭で考えることが少なくなるので楽かも知れません。
しかしそこにやりがいは見つけられないでしょう。頼まれた仕事でも「自分の仕事」。責任を持ってやり遂げることでやりがいを持てるのです。
背伸びした目標を立てる
やりがいを持つために目標を立てる時には現状でクリアできるものではなく、少し負荷がかかる「背伸びした目標」がおすすめ。
・金曜日が締切の仕事を水曜日に仕上げる
・成約10件を指示されたけれど自分では15件を目指す
このように与えられた目標に少し自分で負荷をかけてみましょう。出来て当たり前と自分で感じている仕事を成し遂げても達成感は小さいもの。
「出来ないかもしれない」と思うくらいの目標を成し遂げると大きな達成感になり、やりがいに繋がります。
仕事以外の目標に目を向ける
仕事に対するやりがいは仕事の内容である必要はありません。例えば体を鍛えてバランスのとれた筋肉を身に付けることを人生の目標にしている人。
残業や休日出勤で仕事以外の時間が少なくなると残念に思いますよね。そのような人にとっては効率よく仕事をこなし勤務時間内できっちり終わらせることこそが仕事に対するやりがい。
仕事以外の目標を叶えることが仕事のモチベーションになり、期待以上にスムーズに仕事が終わらせられた時には大きなやりがいを感じるでしょう。
異動・転職を視野に入れる
どうしても今の仕事にやりがいを見いだせない場合、異動や転職を視野に入れるという選択肢もあります。
やりがいがないと仕事に対するモチベーションは下がる一方。職場環境や給与の条件に満足していても、やりがいがない仕事は続けるのは難しいかもしれません。
やりがいが見つけられないなと感じたら、まずは自分の人脈を活用して社内外の仕事やポジションについて情報を集めてみましょう。
自己分析によって自分が何に対して一番やりがいを感じているかを見つけ、それにあった部署や仕事を探すと良いでしょう。
まとめ
高い給料がもらえる
人から感謝される
ビジネススキルを身に付けられる
定時にきっちり仕事を終えられる
仕事に対するやりがいは人それぞれ。人と比べるものではありません。またやりがい自体に良いも悪いも、大きいも小さいもないのです。
「自分が嬉しいと感じるときはどんな時だろう」
このことを真剣に考えてみましょう。自分でできる「自分を幸せにする方法」、それが「やりがい」です。