「都会の生活に疲れた…」「地元のように自然がある所で子育てをしたい」と考える人もいるでしょう。
しかし「地元だと求人が少なすぎる」「出来ればほどよく町が栄えていてほしい」などの悩みや不安もあり、なかなか踏み切れないですよね。
そこでおすすめなのがJターン転職です。
今回はJターン転職のメリット・デメリットを理由とともに紹介します。後悔しないための4つのコツも紹介するので、Jターン転職は自分にあっているのか、今がそのタイミングなのか、など判断材料としてぜひご覧ください。
目次
Jターン転職とは
Jターン転職とは地方に生まれ育った人が都会に就職して、その後出身地に近い地方都市の企業に転職すること。
例えば、新潟県の佐渡市に生まれ育った人が東京に就職して移住し、その後、新潟県の中でも比較的発展している新潟市に就職して移住する場合、これはJターン転職に当てはまります。
「Iターン」「Uターン」「Oターン」との違い
Jターンの他にもIターン、Uターン、Oターンと呼ばれるものがあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
・Iターン:都会で生まれ育った人が、地方の企業に転職して移住すること
・Uターン:地方に生まれ育った人が都会に就職して移住し、再び出身地である地方の企業に転職して移住すること
「都会に疲れた。地元が恋しい・・・」Uターン転職のメリット/デメリット・成功させるコツ
・Oターン:Uターン(地方→都会→地方)の後、もう一度都会に戻って転職して移住すること
Jターン転職がおすすめな人
どのような想いがある人にIターン転職がおすすめか、簡単にまとめてみました。
・都会での生活に疲れた人
・地元に戻りたいけど、都会の便利さも捨てきれない人
・今よりも自然豊かな所で子育てをしたい人
・ライフスタイルを一変してみたい人
都会とは異なる環境を求めている一方で都会の便利さも捨てきれず、ほどよい田舎に転職したい人にJターン転職はおすすめです。
都会の生活に疲れたり、将来の子育てを考慮したりした時に自然豊かな地元に戻りたい…でも地元は田舎すぎると感じる一人に、Jターン転職は良い選択肢の1つになるでしょう。
Jターン転職のメリット
Jターン転職の特徴は地元に近く、都市化している“地方都市”での転職。そのメリットを紹介します。
魅力的な“地方都市”
ひとくちに地方都市といっても特色は様々。福岡市や札幌市のような、地方の中でも人口が50万人以上で中心的な都市である政令指定都市だと、大手企業の支社があるので就職も安定しています。
環境整備や教育など地域のまちづくりに力をいれているのも魅力です。また、行政機関も集中しています。
「自分にはどの地方都市があうのだろう?」気になった方は、地方都市診断をしてみるのもおすすめ。希望の働き方や暮らし方を選択するだけで、自分に向いている地方都市が診断できます。
都会との“ギャップ”に苦しむことが少ない
ほど良く都会で、ほど良く田舎な地方都市。
Jターン転職を考える人は両方の生活環境を知っているので「休日やることがない」「買い物する場所がない」など大きなギャップに苦しむことが少ないでしょう。
特にに地方都市は少し郊外に出ればアウトドアができたり都心へのアクセスが良かったりするので、充実した休日を過ごせます。
実家に近い“安心感”
実家に近いことの利点として“何かあった場合でも駆けつけやすい”のと、“家族の協力が得やすい”ことが挙げられます。
万が一、家族に緊急事態が発生した場合でも、都会の頃に比べて駆けつけやすく安心です。
また、子どもが生まれた場合にも里帰り出産で親の介助が受けやすかったり、急な用事などで親族が面倒をみてくれたりと家族のサポートが得やすいでしょう。
このように、家族にとっても自分にとっても安心なのがJターンのメリットなのです。
都会より“生活費”が抑えられる
都会と比べると固定費である住居費が抑えられます。都会の頃と同じ価格でも広い場所に住めるのは嬉しい点ですよね。
また変動費である食費についても物価が安く、コスパも良いと言われています。地元の八百屋さんで買えるのは、都会と同じ値段でも採れたての美味しい野菜だったり、量が多かったりするのです。
(※都会の中でもスーパーが多い地域に住んでいた場合、価格競争のため物価が安くなっており物価はさほど変わらないかもしれません。)
Jターン転職のデメリット
次にJターン転職デメリットを紹介します。
地方都市はバラツキがある
メリットでご紹介したように、地方都市によって特色も異なります。自然が豊かな地方都市もあれば、都会のように賑やかな繁華街がある地方都市も。
静かな所が良いのか、賑やかでも徒歩圏内に施設が集まっている所が良いのか、しっかり見極めてから決めましょう。
生活水準に欲が出ると、貯金が難しい
メリットが裏目に出る場合です。ほどよく都市化している地方だと、ついつい生活水準を都会の頃と同じようにしてしまい、その結果、“生活費”を抑えられず貯金が厳しくなります。
転職後の年収が上がっていれば問題ないですが、都会に比べると年収は大抵は下がってしまいます。こちらは家計簿をつけるなどして気をつけましょう。
都会に比べると求人数が減る
地方になればなるほど、求人数が少なくなってきます。また小さい企業だと人数が少ないため、1つの仕事だけではなく多くの業務を担う可能性があります。
都会で大手企業で働いていた人ほど仕事に対して大きなギャップを感じるため、後悔しない為には事前に確認しておく必要があるでしょう。
積極的に情報収集していかないと、学習の機会を見逃す
地方にいくほどイベントやセミナーが少なくなります。
現在はオンライン受講も当たり前になってきましたが、直接受けたり交流したりしたい人も多いのではないでしょうか。そうなると、都会の頃に比べ移動の時間とお金がかかります。
また、都会に住んでいた時は自然と情報が目につきましたが、地方では自分から情報収集をしない限り見逃してしまいます。そのため、トレンドを知っておきたい人はオンラインをフルに活用しましょう。
子育てを目的としたJターン転職の場合も同様です。もし、レベルの高い塾や団体に入れたいとなった場合は、それも考慮し無理なく通える場所に住むことをおすすめします。
Jターン転職を成功させる4つのコツ
Jターン転職のメリット・デメリットを踏まえ、成功させるためのコツを紹介します。
地方の時と、都会の時の違いを整理する
地方(地元)と都会のどちらも経験しているあなたは、それぞれのメリット・デメリットを把握しているはずです。だからこそ、転職の理由や目的を今一度整理して、本当に自分はJターン転職があっているのか?を考えてみてください。
紙に書き出す方法だと、考えが可視化され頭が整理されて良いでしょう。
実際に書き出した例
【地方の時】
①メリット:地元に展開している商品で貢献度が大きい、アットホーム
①デメリット:給料が安い、ソフトが古かったりアナログな部分がある
②メリット:水・食べ物が美味しい、自然が豊かで静かで落ち着ける、誘惑が少ないから貯金ができる
②デメリット:遊ぶ所が少ない、冬の豪雪が辛い
【都会の時】
①メリット:有名な案件ができる、給料が高い
①デメリット:通勤ラッシュ、競争社会のため人間関係がピリピリしている
②メリット:近くに何でもある、遊ぶ所が多い、電車の利便性
②デメリット:誘惑が多すぎて貯金ができない、基本電車は満員、たまに危なそうな人がいる、どこへいっても人がいて休まらない
Jターン転職の本質的な目的をメリット・デメリットを書き出したら「なぜJターン転職がしたいのか」さらに深ぼって考えてください。
Jターン転職はIターン転職に比較すれば環境の変化は大きくありませんが、それでもあなたの人生にとって大きな選択にはなるでしょう。
「その目的はデメリットがあっても叶えたいものなのか、それとも現状のままでも目的は叶えられるのか」
「本当に今必要なのはJターン転職なのか」
「理想の自分になるためにJターン転職が最適なのか」
まずは自分の本心としっかり向き合いましょう。
各自治体からの“支援制度”を確認する
ついつい見逃してしまいがちですが、各自治体では仕事・住まい・子育てなどさまざまな支援制度を設けているところも。
例えば新潟県では、県内出身で県外に1年以上就業して、その後新潟県に再度就職した30歳未満の方に最大120万円を支援しています。(※条件あり)
このような制度以外にも、各自治体には移住者の体験談を聞けるイベントも開催しているところも。「Jターン転職いいな」と思っている人はぜひ各都道府県の移住情報をまとめたHPを見てみるのもおすすめです。
【おすすめ記事】
【特集】おすすめの移住サイト42道府県分まとめ!〜最新の移住イベント情報なども満載〜【2020年7月更新】
42都道府県分の移住情報サイトがまとめられているので、比較しながら見ることができます。
会社の特色を知り、自分にあった会社をみつける
まず、都会と地方の会社は特色に違いがあるもの。都会と比較すると地方の会社はその土地への貢献度が高かったり、人と繋がりを大切にする社員が多かったり、といった傾向があります。
そのため、地元貢献度が高くお客さまの反応を直に感じたい人にとっては良いかもしれませんが、人との繋がりに対しては、煩わしさを感じる人もいるかもしれません。
このようなことから会社を選ぶ際には仕事内容だけではなく、その会社の特色もしっかり調べて、自分にあった会社を見つけましょう。
もちろん上記以外にも希望年収や職種は大切な要素です。総合的に良い会社を見つけるためにも、転職先の探し方をいくつか紹介します。
【転職エージェント・サイト】
あなたの年齢や希望職種、勤務地で転職エージェントやサイトが変わってきます。自分に合った転職サービスを見極めることが大切です。
【地方のハローワーク】
大手の転職エージェントに比べ、地方のハローワークは地域密着型。地元の職員だからこそ分かる生の声を教えてくれます。また、全国のハローワークで開催する面接会やセミナーなどのイベント情報も検索できます。オンラインでのリモート参加も多くなってきているのでおすすめです。
【ハローワークとは】ハローワーク(公共職業安定所)の利用方法・メリット/デメリット
【知り合いの紹介】
地元に近いのであれば、移住先に知り合いがいる人も多いのではないでしょうか。その場合、何かおすすめの求人がないか聞いてみるのも良いでしょう。知り合いの紹介だと会社の内情も聞きやすく、また向こうも素性がわかるので話が通りやすいです。
移住するまでの必要な時間と費用を把握しておく
Jターン転職は会社と住居が変わるため、引っ越し費用や変更手続きに関する時間がかかるもの。実家に泊まると宿泊費が削減され、さらに一回一回戻らなくてすむので交通費と時間が節約できます。
実家を活用した上で、いかにスムーズにスケジュールを立てられるのがポイントです。
住民登録などの役所での手続きは受付時間が限られているので、仕事が始まる前に済ませておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Jターン転職は都会から地元に近い地方都市にうつるので、多少の不便さを感じるかもしれません。しかし地方都市は、まちづくりに力を入れていたり実家に近い距離だったりと都会にはないメリットがあります。
まだ悩むところがある場合は、今回紹介したように今までの地方と都会の経験(メリット・デメリット)を紙に書き出し可視化して改めて考えてみましょう。自分自身にとってベストな選択ができることを祈っています。