転職に失敗してしまった時の対処法の1つが出戻り転職。
「1度辞めた会社に戻るなんて・・・・」とネガティブに思う人もいると思いますが、実は意外と出戻り転職をする人は多く、それを歓迎する企業も増えてきているのです。
今回は出戻り転職について詳しく解説していきます。
「転職したけど、前の会社の方が良かった。戻りたい・・・」
このように悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
出戻り転職とは
出戻り転職とは、一度転職した社員が再び元の会社に戻ってきて働くことです。
出戻り転職の方法は2つ。
・求人に応募する
・前の会社の上司や先輩に相談する
「辞めた会社に戻るなんて・・・・」とネガティブに捉えられることの多い出戻り転職ですが、実は転職へのイメージの変化に伴い、出戻り転職を歓迎する企業は増えています。
出戻り転職を受け入れることは、企業にとってメリットがあるのです。
【企業側の出戻り転職のメリット】
・即戦力になる
・採用コストを抑えられる
・人柄を分かっているため安心感がある
エン・ジャパン株式会社が2018年に行った『企業の出戻り(再雇用)実態調査2018』によると、87%もの企業が一度退職した社員を再雇用する制度を設けているそう。
出産や子育て、介護などさまざまな事情で1度退職せざる負えなくなっても、それが落ち着いたときに戻れる場所があるのは安心ですよね。
出戻り転職のメリット
働く側には、出戻り転職はどのようなメリットがあるのでしょうか。出戻り転職のメリットを紹介します。
適した配属になる
出戻り転職では、会社側が人柄やスキル、得意分野をあらかじめ把握しているので、それに沿った配属になることが多いです。
これまでのスキルや実績が生かせればすぐに活躍できる可能性も高いですよね。
やりたいことができる環境に身を置くことで、やりがいも感じられるでしょう。
客観的に会社を見れるようになる
一度転職して他の会社の文化や制度に触れたことで、以前よりも客観的に自社を見れるようになります。
海外旅行をして、日本の良さに改めて気付くのに似ているかもしれません。
客観的に見れるようになると、まず会社の良い点・悪い点を把握できるので、より良い会社にするため動けるようになります。
また自分の会社・業務が社会でどんな役割を果たしているのかも見えてくるため、やる気が出たり、新たに着手すべきアイデアが思い浮かんだりするでしょう。
転職活動に時間がかからない
転職活動は一般的に3~6か月程度かかるもの。場合によってはさらに長期化することもあります。
しかし出戻り転職の場合、会社側が既にスキルや人柄は把握しているので簡単な面談だけで終わることが多く、転職活動期間は長引かずに済むでしょう。
慣れ親しんだ人間関係の中で働ける
仕事をする上で大切な人間関係。1から人間関係を築くのはエネルギーが要りますよね。
出戻り転職の場合、多少の変化はあるかもしれませんが、慣れ親しんだメンバーの中で働くことができます。
転職後の人間関係の悩みを抱えずに済むので、業務に集中しやすくなるでしょう。
待遇が良くなる可能性がある
出戻り転職の中には、給与や立場など待遇が良くなるケースもあります。
「新しい事業に力を貸してほしい」
「君がいないとチームが上手く回らない」
このように声をかけられた場合、企業としてはどうしても戻ってきてほしいので、良い雇用条件を提示してくる可能性が高いのです。
出戻り転職のデメリット
出戻り転職のデメリットを紹介します。
ここまで見ると「出戻りする人も増えていて、メリットもたくさんあるし良さそう」と思ってしまうかもしれませんが、出戻り転職はリスクの大きいもの。
デメリットもしっかり理解しましょう。
結果を求められる
出戻り後は、さらに結果が求められるようになることが多いようです。
企業側としては「1度辞めてもまた雇ったんだから、期待しているよ」という感じでしょうか。
退職していた期間の成長を期待されるのです。
対応が大まかになる
新卒や他の中途採用の人と比べると、入社後の対応は大まかになります。
元々働いていたため、何でも知っていると思われるのです。しかし、少しの期間でも会社の制度や組織、事業内容は変化するもの。
出戻った本人としては浦島太郎状態です。
知っていると周りは思っているので、自分から聞きにいかなければなりません。
周りからの視線が気になる
出戻り転職はやはり、周りからの視線が気になるもの。
「図々しい人と思われてないか」
「裏切り者と悪口を言われていないか」
どんなに温かく迎えられても、このように不安に思ってしまうのです。
周りの視線を気にしすぎると自分の意見が言えなくなってしまったり、そのストレスで会社に行きたくなくなってしまったりします。
そうならないためにも出戻りする場合は、そうなった事情を最初にメンバーに話しておきましょう。事情を理解してもらっていると分かっているだけでも、周りの目は気にならなくなるはずです。
以前と同じ雇用条件とは限らない
同じ会社に戻ったからと言って、同じ雇用条件で働けるとは限りません。
会社が出戻りを受け入れるのは、人員補充のため。元々いたポジションが空いているとは限りません。
部署や立場、それ伴う給与や勤務時間などが変化することは覚悟しておきましょう。
信用と実績がないと難しい
出戻り転職は誰もができるものではありません。「また雇いたい」と思ってもらえる過去の信用と実績が必要なのです。
また実績があっても人間関係が良くなければ、「また戻ってきてほしい」とはなりません。
出戻り転職において信用と実績、円満退職は必須です。
温かく受け入れてもらえるとは限らない
出戻り転職を受け入れる企業が増えたとは言っても、「一度辞めたのに戻ってくるなんて」と出戻りを良く思わない人もまだいます。
温かく迎えてもらえるとは限らないのです。
また退職してからの期間が長ければメンバーや雰囲気が変わっていたり、以前の同期や後輩が上司になっていることもあるでしょう。
同じ会社に戻るからと、安心しきってはいけません。人間関係を円滑にするための努力は必要です。
出戻り転職を考えるときのポイント
出戻り転職は必ず成功するものではありません。
自分の出戻り転職は成功するのかどうか、出戻り転職を考えるときのポイントを紹介します。
円満退社できていたか考える
自分は円満転職をできていたか考えましょう。
出戻り転職を実現するために何よりも大切なのが円満退職。「戻ってきてほしい」と思ってもらえる人間関係を築けていたかが重要なのです。
人間関係の悪化で転職した人は出戻り転職は難しいかもしれません。
転職した理由を思いだす
出戻りを考えるときは、その前の会社をなぜ辞めたのか思いだして冷静になりましょう。
それが明確になっておらず「今の会社が嫌だから」と逃げるような出戻りは、また同じ理由でその会社を辞めたくなる可能性があります。
「なんで辞めたんだっけ?」と自分に問いかけて、その理由を紙に書き出して可視化しましょう。
それを見て「同じ理由でまた辞めることはない」と確信できるのなら、出戻り転職への行動を始めても大丈夫なはずです。
なぜ戻りたいのかを考える
行動する前に出戻り転職したい理由を明確にしましょう。理由を明確にすると、「本当に今、転職するべきなのか」が見えてきます。
【出戻り転職OKな理由の例】
「働く上で前の人間関係がベストだと気づいた」
「前の会社での仕事の方がやりがいを感じる」
【出戻り転職NGな理由の例】
「社風に馴染めない」
「仕事が覚えられない」
明らかに前職が良いと確信できる理由がないのならば、現状でまだやれることがあるはずです。
出戻り転職は一見楽そうに見えますが、リスクのあるもの。出戻り転職を決意する前に以下のことを試してみましょう。
・目の前の仕事に全力で向き合ってみる
・今の仕事は何が嫌いなのか分析する
・職場の人は「一緒に働きたい人か」考えてみる
・やりたくないことリストを作る
まとめ
出戻り転職がベストな道だとは分かっているのに、どう思われるか不安で踏み出せない人もいるはずです。
実は戦国時代、出戻りはよくあることだったそう。出戻り後、大活躍して高く評価された武将も多かったようです。
歴史に名を遺す偉人の中にも出戻り経験者がいると思うと勇気がでるかもしれません。
出戻り転職について悩んでいる人は一度転職エージェントに相談するのもおすすめ。あなたが理想のキャリアを描くために必要なアドバイスをしてくれるでしょう。
転職エージェントに「相談だけ」って大丈夫?”相談だけ”するメリット・注意点
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