転職活動の書類選考において証明写真は、応募者の雰囲気を知るための重要な鍵。「会いたい」と思って貰えなければ次には進めません。
今回は証明写真の重要性や基本ルール、撮る時のポイントを紹介します。
証明写真1枚が合否に関わることもあります。手を抜かずに対策していきましょう。
目次
証明写真が必要な理由
履歴書の証明写真は、選考の合否を分けるほど重要なもの。内容が良くても証明写真の印象で不合格になることもあります。
なぜ履歴書では証明写真の添付が求められるのでしょうか。企業は証明写真で応募者の何を見ているのでしょうか。
証明写真の必要性について詳しく解説します。
本人確認のため
まず証明写真が必要とされている理由が、本人確認のため。
写真が無ければ最悪、自分の代わりに優秀な人を面接に行かせる「替え玉」が可能になってしまいます。
証明写真があることで履歴書を書いた人と面接に来た人が同一人物かを確認できるのです。
社会常識がある人か確かめるため
2つ目の証明写真が必要な理由は、社会常識がある人か確かめるため。
規定サイズを守れていなかったり、プリクラが貼ってあったりすると人事はこのような不安を抱きます。
「ルールを守れない人なのではないか」
「一般常識を知らないのではないか」
「仕事が雑なのではないか」
証明写真1つからでも、仕事に対する姿勢や常識のある人がどうかは分かってしまうのです。
その人の印象を確かめるため
どんなに内容が良くても証明写真がふざけたものだったり、暗い雰囲気だったりしたら印象は悪くなります。証明写真が原因で不合格になる可能性も。
それほど視覚による第一印象は大切なものなのです。これは第一印象の55%は視覚によって決まるというメラビアンの法則で、心理学的にも明らかになっています。(参考:メラビアンの法則とは? 7-38-55ルールの活用法、ビジネスでの注意点、具体例)
特に営業や人事、広報など対人関係が重視される職業なら、第一印象は1つの商売道具とも言えるほど重要でしょう。
仕事において重要な第一印象を証明写真で人事は確認しているのです。
証明写真の基本
証明写真には基本のルールがあります。最低限基本ルールは守りましょう。
サイズは既定のサイズで
履歴書の証明写真の規定サイズは縦40㎜×横30㎜です。
枠に対して小さすぎたり、枠をはみ出たりしてはいけません。
会社専用の履歴書の場合、違うサイズが指定されることもあるのでそれに合わせましょう。
撮影時期は3か月以内
履歴書に使用する写真は3か月以内に撮影したものにしましょう。写真が手元に無いからと、数年前に撮影した証明写真を使用するのはNGです。
年月が経てば、人の見た目は変化するもの。見た目が違えば本人確認には役に立ちませんし、正しい情報も得られなくなってしまいます。
もし3か月以内に撮影したものでも見た目が大きく変化しているのなら、撮影し直しましょう。
名前と撮影日を記載する
履歴書に添付する前に、証明写真の裏に名前と撮影日を書きましょう。そうすればもし剥がれてしまっても、誰のものか分かります。
添付しても消えないように油性の黒色のペンで書くのが良いでしょう。書く方向は縦・横、決まりはありませんが、読みやすい横がおすすめです。
「細かい気遣いができる」と良い印象を与えるためにも、ひと手間加えましょう。
背景は白・青・グレーの無地にする
証明写真の背景は無地で、色は白・青・グレーが基本です。
背景を選べるのも証明写真機も増えましたが、イメージに合わせて無難なものを選びましょう。
白:明るくフレッシュなイメージ
青:爽やかな印象
グレー:落ち着いた印象
また自分のスマホで証明写真が撮れるようになりましたが、証明写真には家具や他の人など余計なものは映りこんでいてはいけません。
プリクラやスナップ写真はNG
友達とのプライベート写真の切り抜きやプリクラの使用はもちろんNG。正式な証明写真を使いましょう。
帽子やサングラスは外す
証明写真を撮影するときには帽子やサングラスを外しましょう。
帽子で顔に影がかかっていたり、サングラスで目線が見えないと、写真があってもどんな人物か掴みにくいのです。
普段からメガネをかけている人も、レンズに光が反射して目がはっきりと映らない場合もあります。なるべく外すか、コンタクトレンズにした方が良いでしょう。
撮影アングルは真正面で
証明写真は真正面からカメラ目線で撮影しましょう。
真正面からじゃないと正確な顔が把握できません。また変に角度をつけてしまうと悪目立ちしてしまいます。
証明写真のポイント
証明写真で最も大切なのは清潔感。好印象を与える証明写真を撮影するためのポイントを紹介します。
表情
・口角を上げて少し微笑む
真顔は硬すぎる印象を与えてしまいます。しかし、歯が見えるのはNG。砕けた印象を与えてしまうのです。
・普段よりも目を大きくことを意識する
明るい表情にするために目力は大切。撮影ギリギリまでぎゅっと目をつぶり、撮影する瞬間に目を開けると目力のある写真が撮れるという裏ワザもあるようです。
姿勢
・姿勢を正す
軽く胸を張り肩の力を抜き、背筋を伸ばしましょう。肩と耳の位置が揃うように意識するのがおすすめです。
・顎は軽く引いて、視線は真っ直ぐ
顎を上げていると偉そうな写真に見えてしまうので少し引き、上目遣いも避けましょう。
映りを良くしたいと力が入ってしまいますが、リラックスして臨むのが大切です。
服装
・スーツは黒か紺
履歴書に貼る証明写真は、スーツが基本です。
個性を出して悪い方向に転んでしまうこともあるので、悪目立ちしないように黒か紺の無難なスーツを選びましょう。
インナーも白のシンプルなシャツやブラウスがおすすめです。
・サイズの合ったスーツで、首回りもしっかり整える
肩幅があっていなかったり、首元が緩いとだらしなく見えてしまいます。
自分のサイズにあったものを選びましょう。また襟は整え、ボタンもしっかり留めてください。
・ネクタイは与えたい印象によって選ぶ
ネクタイはさりげなく自分をPRできるアイテムです。与えたい印象に合わせて、派手すぎない色や柄を選びましょう。
撮影前にゆがんでいないか、緩んでいないか確認を忘れずに。
【ネクタイの色によるイメージ】
赤:情熱、積極的、リーダーシップ
青:誠実、知的、聡明
オレンジ:社交的、アクティブ
【ネクタイの柄によるイメージ】
・ストライプ柄:爽やか、勤勉
・ドット柄:上品
髪型
・顔がはっきり見えるように髪はまとめる
清潔感を出すためにも髪型は非常に重要です。寝ぐせはNG。
髪が短い人はワックスやオイルでボリュームを抑え、顔に髪がかからないようにしましょう。長い人は1つにまとめるのがベター。
下ろし髪もダメではありませんが、毛先のパサつきなどでだらしない印象を与えてしまうことがあります。
・髪色は落ち着いた色に
染髪は禁止ではありませんが、なるべく黒やこげ茶など落ち着いた色の方が好印象を与えます。自分の与えたいイメージによって合わせましょう。
【#令和の就活ヘアをもっと自由に】自分らしい髪色で仕事しよう
メイク
・清潔感のあるナチュラルメイクをする
証明写真は、健康的で清潔感があるというのがなにより大切です。ナチュラルメイクが基本ですが、写真だといつもより薄く見えてしまうので濃さを調節しましょう。
肌を明るく見せるために膝の上に白い紙や布を置いて撮影するのもおすすめです。レフ板の役割をしてくれます。
【証明写真用メイク時のポイント】
・ベースメイク:厚塗りは清潔感が失われます。顔全体に薄く化粧下地やファンデーションを塗ったら、ニキビ跡やクマなど気になる部分だけコンシーラーなどでカバーしましょう。
・チーク:血色良く健康的に見せるためチークは必須。自分に合う色を淡く頬骨に沿って広げましょう。
・眉:濃すぎず、ぼんやりしすぎない自然な眉に整えましょう。
・アイメイク:キリっとした目元に仕上げるために、まつ毛の隙間をアイラインで埋めましょう。またアイシャドウは肌なじみの良いベージュ系がおすすめ。マスカラは根元から丁寧につけてナチュラルな仕上がりにしましょう。
・リップ:清潔感を出すために荒れている人はリップクリームをつけましょう。また健康的に見せるため、自分の肌に合った色の口紅を薄く塗るのがおすすめです。
(参考:就職活動に最適!証明写真メイク)
証明写真の撮影方法
証明写真の撮影方法は主に3つ。
・写真館
写真館(フォトスタジオ)に行き、プロのカメラマンに撮影してもらう。
・スピード写真機
駅前やコンビニ、スーパーなどに設置されたスピード写真機を利用に撮影する。
・自分で撮影
スマホやカメラを用意し、自宅で撮影する方法。
それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
写真館で撮影するメリット
・仕上がりが綺麗
プロが撮影してくれるので、仕上がりは綺麗です。また最近だと証明写真向けのメイクをしてくれたり、スーツを貸し出ししたりしてくれるところもあります。
表情や姿勢についてもアドバイスしてくれるので安心ですね。肌色補正など修正も行ってくれます。
写真館で撮影するデメリット
・コストがかかる
写真館での撮影は、一般的に5000円以上かかります。写真1枚にそんなコストかけられないと思う人も多いのではないでしょうか。
ただデータを貰えるところも多く使いまわしがきくので、一度コストをかけちゃんとした写真を撮影するのも良いかもしれません。
・時間がかかる
写真館での撮影は基本的に予約が必要です。また撮影時間もメイクから修正まで1時間はかかるでしょう。
即日プリントしてもらえず、2~3日かかる場合もあるので要注意です。
スピード写真機で撮影するメリット
・早い
スピード写真機での撮影は、長くても10分ほど。今すぐ欲しい人にはおすすめです。
・安い
価格も手頃で一般的に1000円以内で撮影できます。
・自動補正機能がある
スピード写真機は写真館と比べるとやはり質は落ちます。しかし最近では性能も向上し、自動補正機能である程度の質は期待できるようになりました。
肌を綺麗に見せたり、目に輝きをプラスしたりする機能が搭載されている機会もあるようです。
スピード写真機で撮影するデメリット
・客観的なアドバイスがもらえない
スピード写真機では1人で撮影するため、姿勢や表情など客観的なアドバイスがもらえません。
満足いかずに何回も取り直して、結局写真館で撮影するよりもコストがかかってしまうなんてことも。
・写真館に比べるとクオリティが劣る
性能が向上したとはいえ、まだまだ写真館のクオリティには劣ってしまいます。自動補正機能はあるものの、細かい部分は機械では見落とされてしまうのです。
自分で撮影するメリット
・手軽
自分で撮影するメリットは、なんといっても手軽さ。思い立った時に撮影できますし、家にコピー機があれば追加費用はかかりません。最近では証明写真撮影用のアプリもあるそうです。
・自分好みに修正できる
写真加工のソフトやアプリがあれば、自分好みに写真を修正することもできます。ただ修正のしすぎは注意。
「本当に本人か?」と疑われてしまいます。証明写真に”盛れ”は必要ありません。修正は程々にしましょう。
自分で撮影するデメリット
・イメージが良くない
本格的なカメラで撮影した場合は別ですが、どうしても自分で撮影すると写真の質は落ちてしまいます。
そのため「自撮りだな」とバレることも多く、「写真すらまともに準備できないのなら、志望度はそんなに高くないのでは」と印象が悪くなりかねません。
転職活動の場合はなるべく自分で撮影するのは避けましょう。
まとめ
「人は見た目で判断してはいけない」との意見もありますが、第一印象は大切。
転職活動の選考では、証明写真1つで合否が分かれることもあります。
企業に好印象を与えるために、証明写真も手を抜かないようにしましょう。
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