多拠点生活とは、複数の拠点を持ちながら生活するスタイルのこと。持ち家にせよ借家にせよ1つの場所にある程度長く住むのが当たり前、という従来の考え方を覆す新しい生活方法です。
働き方改革やシェアリングエコノミーの1つとなる多拠点生活ですが、具体的にどうすれば実現できるようになるのでしょうか?またどんなメリットがあるのでしょうか?
多拠点生活のやり方とメリット・デメリットを紹介します。
目次
多拠点生活とは
多拠点生活とは、複数の拠点を持ち、生活を送る方法です。その形態は人によってさまざま。
例えば・・・
・平日は都心、休日は地方で暮らすデュアルライフ(二拠点生活)を取り入れる
・基本的に仕事は地方で離れて行い、会議がある時は都心へ行き、休日は沖縄や北海道など自分の好きなところで過ごす
このように自分が生活の中で重視したいことに合わせて、場所を組み合わせ生活するのです。
パソコンやスマホなどが普及し、テレワークやノマドワーカーなどさまざまな働き方が認められるようになってきたからこそできる生活方法ですね。
この多拠点生活が広まってきた背景には、不況や地震・テロの多発によって「モノをたくさん持っている=豊かさ」ではないという考えが世の中に広まってきたことが挙げられます。
「家を持つ」ことがステータスだと思われなくなってきたのです。そこに2020年東京オリンピックに向けた民泊合法化、また地方物件の価格低下などの要因も加わり、生活スタイルの幅が広がっています。
多拠点生活のやり方
「多拠点生活は知っているけど、やり方がわからない」と興味はあるけど現実的に考えられない人も多いのではないでしょうか。
そんな人のために多拠点生活の具体的なやり方を紹介します。
Step1.会社から多拠点生活に対しての理解を得る
元々フリーランスやテレワーク、ノマドワーカーとして働いている人にこのステップは必要ありませんが、現在会社で働いている人は絶対に欠かせません。
「働き方改革」で以前よりさまざまな働き方が認められてはきましたが、まだまだできていない会社が多いことも現実です。
あなたが多拠点生活に興味があることを会社に伝え、会社と一緒に多拠点生活を導入できる働き方を模索していきましょう。
そうすることであなた自身の働き方改革だけでなく、会社全体の働き方改革を進めることもできるはずです。
Step2.生活プランを考える
「どこで仕事をするのか」「どこで休日を過ごすのか」「移動手段は何にするか」など具体的に多拠点生活のプランを考えましょう。
そこでまず大切なのが自分の「人生において大切にしたいこと」はなにかを考えることです。
それが分かると、なにを重視して生活プランをたてればいいかが明らかになります。マインドマップを利用すると頭が整理できるのでおススメ。
合わせて、住居費や交通費などのキャッシュプランも正確に立てましょう。それを怠ると「やってみたはいいけど、コストがかかりすぎて続けられない」という結果に終わってしまいます。
【おススメのサービス】
・格安LCC(格安航空会社)
PeachやJetstarなどの格安LCCを利用すれば、交通費を抑えることができます。
・航空券サブスクリプションサービス
航空会社ANAと月額制で全国の家に自由に住めるサービスを展開している株式会社ADDressが現在実証実験を行っているサービス。
定額制移住サービスADDressを利用会員は月額料金に加えて月3万円支払うことで、指定された一部路線を月2往復の航空機搭乗が可能になります。
これがだれでも利用できるようになれば、多拠点生活はもっと身近なものになりますよね。(参考:ANA 航空券サブスクリプションサービスの実証実験を開始します|プレスリリース|ANAグループ企業情報)
Step3.拠点を決める
自分が生活の拠点とする場所を決めましょう。多拠点生活のプランは人それぞれなので決まりはありませんが、拠点は2~3つに絞り仕事をする場所と休日を過ごす場所で分けている人が多いようです。
このとき安心して帰れる場所は少なくとも1つは決めておきましょう。人は本能的に慣れない環境では完全に脳や体を休めることができないそう。
そこで例えば拠点の1つはもともと住んでいた家や実家などにして、他の拠点をシェアハウスや民泊にするようにしましょう。そうすることで心理的負担を減らすことができます。(参考:現代ビジネス 「休日に旅行やスポーツでリフレッシュ」はとんでもない勘違いだった(梶本 修身) @gendai_biz)
【おススメの定額制移住サービス】
ADDress | 定額住み放題 多拠点生活プラットフォーム
国内外の空き家と泊まりたい人をマッチングするサービス。休日を過ごす拠点を探している人におススメです。
東京の格安・好立地シェアハウスならクロスハウス
都内で仕事をする時用シェアハウスを探す人におススメなのがこのサービス。初期費用と物件の家賃を支払えば、都内を中心とする首都圏の3,000物件が1か月単位で移動し放題です。
HafH
定額料金を支払えば、世界中のゲストハウスを利用することができます。国内外問わずの多拠点生活をしたい人はおススメです。
Step4.多拠点生活開始!
準備ができたら、多拠点生活開始です!!
多拠点生活のメリット
多拠点生活には、向いている人・向いていない人がいます。
メリットを理解し、多拠点生活は自分の生活を豊かにしてくれるものなのか見極めましょう。
人間関係が広がる
多拠点生活では少なくとも2つの拠点、つまり2つのコミュニティを持つことになるので人間関係を広げることができます。
新しい価値観や文化を学ぶことができ、新たなビジネスチャンスが舞い込んでくることもあるでしょう。
また既存の人間関係は大切にしたままでいれるので、新しく0から人間関係を築く必要がありません。完全に移住するよりも人間関係によるストレスは抑えられますね。
地方では都会であまり感じられない人の温かさに触れることができ、都会では田舎ならではの煩わしい人付き合いから離れることができるでしょう。
気軽に地方に住める
多拠点生活は移住を考える人の第1歩としてとてもおススメです。都心での生活からガラッと地方の生活を変えるのは不安ですよね。
そこで多拠点生活を取り入れ、地方での生活に徐々に慣れていけばいいのです。
どこに移住するか悩んでいる人は、その悩んでいる場所を多拠点生活の拠点にしてお試しするのがいいでしょう。きっと自分に合った場所が見つかるはずです。
好きな場所のいいとこどりの生活ができる
「働くなら東京だけど、地元が好き」「休日は自然が豊かなところでリラックスしたいけど、最先端の環境で働きたい」そんな願いを叶えるのが多拠点生活。
「仕事がたくさんある・最先端・流行にいち早く気付ける」都会と、「自然豊か・人が温かい・食べ物が新鮮」な地方のいいとこどりをしながら生活することができます。
多拠点生活は、自分の好きなコミュニティを増やしていく感覚で取り組むことができるのです。
生活にメリハリがつく
多拠点生活ではやることとともに、場所も変わっていくので生活にメリハリがつきます。仕事と休日過ごす場所を変えていれば、場所が変わると自然にスイッチも切り替わるようになるのです。
また場所によってできることが限られてくるので「東京にいる間にこの仕事を終わらせる」と自分の時間を最大限に生かして物事に取り組むようになります。そうするとタイムマネジメントができるようになり、効率も上がっていくのです。
多拠点生活のデメリット
多拠点生活にはデメリットもあります。デメリットも事前に把握して、自分は多拠点生活に向いているのか判断しましょう。
コストがかかる
交通費や家賃、生活雑貨を含む複数の拠点の維持費など、やはりコストがかかってきます。さまざまなサービスを利用すればある程度抑えることはできますが、1つの場所に定住しているよりもコストはかかってしまうかもしれません。
しかし多拠点生活を取り入れることで仕事がよりはかどり、コストなんて気にならなくなる可能性もあります。
まずは完璧に多拠点生活をしようとせず、期間限定などできる限りコストを抑えて試してみることがおススメです。
心理的負担がかかる
飛行機での移動や、寝るところがコロコロと変わることでストレスを感じる人も少なくありません。また複数の拠点を忙しなく移動しながら生活するため、完全に身体を休めることができなくなる可能性もあります。
自分の心と体の健康のために、1つは馴染みのある自分が安心できる場所を拠点としましょう。(参考:居候男子 移動生活のメリットとデメリットを考える|居候男子)
今すぐに実現するのが難しい
多拠点生活を実現するまでには、さまざまな壁があります。会社の働き方に対する柔軟な対応が不可欠であることの他にも、住民票をどこに置くかといった公的な問題も生じてくるのです。
また家族を持っていると自分の「多拠点生活をしたい」という思いだけでは動くことができません。子供はどこの学校に通わせるのか、自宅には誰が残るかなど話し合って明確にすることが必要です。
多拠点生活は「やろう!」と思って今すぐできることではありません。さまざまな配慮と入念な準備が求められるのです。
まとめ
多拠点生活には向き・不向きがあります。少し試してみて合わなかったら、辞めてもいいのです。
多拠点生活だけでなくさまざまなライフスタイルを試し、自分らしい生き方を探してみませんか。